広瀬 勉
#photograph #photographer #concrete block wall
五時近く、寂れたモールの屋上に車を停め、フードコートに下ってみると、ゴーゴカレーやらナポリタンやらは軒並み終了していて、上りのエスカレーターで駐車場に戻り、層になったバラ色混じりの雲を眺めていると、昨日も同じことをしたのを思い出した。
左の三本指の画像の頃、王は人気のある職業ではなかった。neighbourhoodに仕えなればならなかったからだ。右の画像の時代になると指は五本になっている。
泡に当たっている者が隅に二人いるが歩いているのは自分だけで、無い屋根から夜空が眺められ、主浴の、どこか円空じみた角顔のビーナスから湯が流れ落ちていて、刺青OKらしく人は疎だが、炭酸泉から隣の電気風呂に移る時など失礼しますと互いに挨拶し合ったりして、脱衣場の床も濡れていないのだった。
隆二が他を差し置いて上々一締めを回してくれるというので有り難いが非道く咳き込むので明日取りに行けるか、これが最後の白土になるやもしれん、残りの土物やってその白轢いて人生終わりだ、小山の息子は南蛮とか父親のくすりを使い切ったか?おそらく。
抽象は最高の形態だけれどもストンとしたフラクタルの収まりを得るにはデッサンの修練が矢張り大事で、石膏とかではなく眼だけによるものでも勿論いいんだけれども、二次元に拘泥る場合にはやはり手と紙と鉛筆が必要だ。手帳を用意して島を描いてみなさい。
咳止めを飲んで寝ていると、昔ジュネとエフェドリンという曲を演っていたのを思い出した。
#poetry #rock musician
雪の
とける
ころ
生まれた
雪の下では
水が流れていた
ピンクの
ガーベラを抱いて
ここまできた
バイクに跨り
ここまで
走ってきた
***memo.
2025年12月3日(水)、
FM K-MIXさんの依頼を受け書いた、
“無一物野郎の詩、乃至 無詩!” 第44回、第2期 21個めの即詩です.
12月10日、8時30分〜、電話インタビューが放送されます.
よろしければ、お聴きください.
タイトル ” バイク ”
好きな花 ” ガーベラ、ピンクの ”
#poetry #no poetry,no life;
揺れてた
ちいさな
花たち
揺れていた
風が吹いていた
過ぎていった
夏の想いが
ゆれていた
ありがとう
ありがとう
***memo.
2025年11月22日(土)、
一箱古本市の日に、
静岡市北街道「水曜文庫」で実施した、
“無一物野郎の詩、乃至 無詩!” 第44回、第2期 20個めの即詩です.
タイトル ” そよかぜ ”
好きな花 ” ネモフィラ ”
#poetry #no poetry,no life;
小中高と、
場所もメンツもぜんぜん違う学校に行ったのに、
ついたあだ名はいつも「じいさん」だったな。
そう言えば、
幼稚園のお芝居でも、
おむすびころりんのおじいさん役だった。
本人は主役だと喜んでたけど、
受け取り方が間違ってたかもしれないな。
そんなおれも、
六十五歳の誕生日が来ちゃったから、
めでたく前期高齢者、本物のじいさんだぜ。
(同い年のきみたちもおめでとう)
でも鏡を見る限りでは、
そんなにじいさんになった気がしない。
子どもの頃に見た親戚のおじいさん、おばあさんは、
もっと老けてたような気がする。
顔も手足もしわしわだったし、
声の出し方がいかにもおじいさん、おばあさんで、
若いときにどうしゃべってたのかとても想像がつかなかった。
六十五歳ともなれば、
いつお迎えが来ても不思議じゃないって空気を醸し出してて、
実際、それから数年で大半が亡くなってしまった。
(あの人たちは戦中、戦後の食糧難も経験してたし、
男は兵隊に取られてたわけだしな)。
でも自分はまだ死ぬ気は全然しないし、
声だってあんな感じじゃなくて若いときと同じだし、
顔だってしわだらけってわけでもない。
(鏡を見る限りではね)
頭が禿げてるのは三十の頃からだし、
その代わりと言ってはなんだけど、
白髪なんてあまりない。
ところが最近驚いたことがあってさ。
親戚が集まって旅行に行って、
お互い写真を撮り合って、
それぞれが写ってる写真を渡し合って、
自分が写ってる写真ももらったわけ。
その写真のなかの自分が
鏡で見てた自分よりずっと老けててさ。
なんだかまっすぐ立ってなくて傾いてるし、
目つきも悪いし、
要するにやたらとじじくさい感じがするのよ。
鏡を見たときにそんなに老けてないように思ってたのは、
なんか咄嗟に顔つきを変えてたのか、
悪いところを見ないように、
無意識のうちに見た内容を修正してたのか。
いや、過去形で言ったけどさ、
不思議なことに、
その後も鏡を見るとそんなに老けてないような気がするんだよねえ。
自分のことって自分ではわからないものなのかなあ。
こうべを垂れて
いた
白く
咲いてた
ちいさな
花
ぼくの花
鈴蘭
すずを鳴らして
いく
森のなかを
歩いていく
***memo.
2025年11月22日(土)、
一箱古本市の日に、
静岡市北街道「水曜文庫」で実施した、
“無一物野郎の詩、乃至 無詩!” 第44回、第2期 19個めの即詩です.
タイトル ” 野生 ”
好きな花 ” スズラン ”
#poetry #no poetry,no life;