佐々木 眞
日暮れてイエス十二弟子とともに往き、みな席に就きて食するとき言ひ給ふ。
『まことに汝らに告ぐ、我と共に食する汝らの中の一人、われを賣らん』
弟子たち憂ひて、一人一人『われなるか』と言ひ出でしに、イエス言ひ給ふ。
『十二のうちの一人にて、我と共にパンを鉢に浸す者は夫なり。
實に人の子は、己に就きて録されたる如く、逝くなり。
然れど、人の子を賣る者は、禍害なるかな。
その人は生まれざりし方よかりしものを』
――1968年改譯新約聖書「マルコ傳」第14章第17-22節
追記
写真は2025年11月24日まで東京都現代美術館にて開催中の「日常のコレオ」展に出品された佐々木健の油彩画《ゲバ棒、杖、もの派の現象学、または男性性のロールモデルについてのペインティング》である。













