michio sato について

つり人です。 休みの日にはひとりで海にボートで浮かんでいます。 魚はたまに釣れますが、 糸を垂らしているのはもっとわけのわからないものを探しているのです。 ほぼ毎日、さとう三千魚の詩と毎月15日にゲストの作品を掲載します。

太陽はいつも遅刻する

 

加藤 閑

 
 

銀河系で割れない卵並べてゐる

冬すみれ生の原寸として咲けり

海までは凩でゐたいと風が言ふ

鯨の死太陽はいつも遅刻する

蝋梅やわたしの中に棲む白痴

雪の夜の眠らぬ孔雀渇きあり

寒星のささめきを消し漆研ぐ

磐座(いはくら)を訪ねて雪の徒とならむ

歯凍らせ弥終(いやはて)にこの種断たんとす

白鳥の王家の系譜おほかたは夜

 

 

 

帶着明晚的醉意,
明日の晩の酔いを身に帯びて

 

Sanmu CHEN / 陳式森

 
 

帶着明晚的醉意,
敲打鍛練鳥鳴,
黑色的血在準備晨曦。
那些離開的人
我並不知曉他們的名字;
磨滅的星雲、
再來的死難者,他們!
看異鄉茫茫,
暮色是怎樣遺落黃金?
暴政的細雨罩蝕大地,
證物遲緩的眼神呈堂時芬芳可嗅
當你收攏淚珠,倒敘的花朵
新的一年就開始填補哀愁,
有如蠢人無辜的祈禱,
一閉眼就只見夜色,
殘渣,物是人非⋯⋯
我希望你沉睡如在獄中;
如在丁香的夜晚;
如同黑紙的芯片;
拂去星光,對黑夜負責。
我的燈火呀!已經深宵了,
讓我如兇器的碎片
逢兇握險,跟左慈走入羊群
離開你的夢中。

噫!
帶著以後的醉意煅打星星的芒角
書店以熄燈關門。
夜晚的骨頭更加黑暗。

 
2024年1月14日寨城南

 
    .
 

帶着明晚的醉意,
 明日の晩の酔いを身に帯びて、
敲打鍛練鳥鳴,
 鳥の鳴き声を打ち鍛え、
黑色的血在準備晨曦。
 黒い血が夜明けを準備している。
那些離開的人
 離れ去った人々
我並不知曉他們的名字;
 私はその者たちの名を知りはしない;
磨滅的星雲、
 すり減った星雲、
再來的死難者,他們!
 ふたたび現れた犠牲者、彼らは!
看異鄉茫茫,
 眼前の異国の地は茫漠として、
暮色是怎樣遺落黃金?
 暮色はどんなふうに黄金を無くしたのか?
暴政的細雨罩蝕大地,
 圧政の霧雨が大地を蝕み、
證物遲緩的眼神呈堂時芬芳可嗅
 物証の緩慢な眼差しが差しだされる時には香しい匂いがする
當你收攏淚珠,倒敘的花朵
 きみが涙を拭うとき、よみがえり語る花々
新的一年就開始填補哀愁,
 新しい一年がまた哀愁を満たし始め、
有如蠢人無辜的祈禱,
 まるで愚か者の罪のない祈りのように、
一閉眼就只見夜色,
 ひとたび目を閉じれば夜の色ばかり、
殘渣,物是人非⋯⋯
 残りかすだ、景色はそのままに人は変わった……
我希望你沉睡如在獄中;
 きみには牢屋の中のような眠りについてほしい;
如在丁香的夜晚;
 ライラックの夜にあるように;
如同黑紙的芯片;
 黒い紙のチップのように;
拂去星光,對黑夜負責。
 星の光を拭い去り、暗夜に責めを負う。
我的燈火呀!已經深宵了,
 わが灯よ!すっかり夜も更けた、
讓我如兇器的碎片
 私を凶器の破片のようにして
逢兇握險,跟左慈走入羊群
 危難に立ち向かい、左慈について羊の群に入り
         *左慈:『三国演義』の登場人物。方術をつかう仙人。
離開你的夢中。
 きみの夢から抜けだそう。
噫!
 おお!
帶著以後的醉意煅打星星的芒角
 この先の酔いを身に帯びて、星の光芒を鍛え打ち
書店以熄燈關門。
 本屋は明かりを消して店を閉める。
夜晚的骨頭更加黑暗。
 夜中の骨はいっそう暗い。

 
2024年1月14日寨城南
 2024年1月14日砦の街の南で

 
 

日本語訳:みやこ鳥

 

 

 

 

生き方 ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 58     akiko さんへ

さとう三千魚

 
 

わからないよ
わからないよ

生き方
わからないよ

ガーベラ
ガーベラ

教えて
教えて

わたし

黄色い
花になろう

 
 

***memo.

2024年1月8日(日)、
浜松「八月の鯨」にて、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」として作った58個めの詩です。

タイトル ”生き方”
好きな花 ”ガーベラ(濃い黄色)”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

Love Songs for our daughters… I said… , Life is short, but Life is brilliant…!!(あの島々の、輝き…)

2023©Cloudberry corporation
 

今井義行

 
 

生活援護相談員は「土人」の匂いがぷんぷんする。
黒い腕をぶんぶん振り回して僕に、進路を指し示そうとする。

「妄想し過ぎるのは、いい加減にしないと、ね。そうでないと、
支給を打ち切ることに成るかもしれませんね……。」

Look Back In Anger!(怒りを込めて振り返れ!) という、歌は聴こえたが、
しかし、その後…、僕には自身に心地の良いImageばかりが立ちはだかっていくのだった。
(僕たちの娘、A女, B女, C女三姉妹の、話……。
君たちは、今何を探しあぐねていますか……?)

Malaysia Kuala Lumpurには
5年の間に、3回は行ったと、
想うのだけれども……。あの、シンママの名はBrilliant (ブリリアント) …Love Songs for our daughters… I said… , Life is short, but Life is brilliant…!!

(あの 島々の、輝き…)

三姉妹は……、僕、の……、
血の繋がった娘ではない。
事実上の、娘とは、遠い、
僕の、フィアンセ、
Brilliant(ブリリアント)の娘たち。
5年の間……、僕は、三姉妹の、体を、まさぐっていた。
処女だった三姉妹、初回は、
1時間 50,000円ずつ、払いました。
マネジメントは、もちろん
Brilliant(ブリリアント)。
「10代の、…可愛い、三姉妹です。」
と、彼女は胸を反らした。
艶々(つやつや)と、若さに輝く、
Brilliant(ブリリアント)の実娘、……。
三姉妹、の、彼女たちには、
高額な…、値札が吊されただけ。
Brilliant(ブリリアント)は、既に
失った、若さを……、
娘たちに見出しただけ……、
でも、Brilliant(ブリリアント)の、
魅惑的な、ところは……、
コソコソ目配せしたりしないところ!
「Feel so bad……!! 」
17歳のA女は、不機嫌になっただけ。
紫いろの唇尖らせていたよ…。
ずっと、純情な娘の…、まま。
長女だけは、学校の授業を
休ませて、他の娘たちが登校した後の
がらんとした子供部屋で、
僕は、言ったものだ……。
「……、全部、脱ぎなさい!」
「そうして、四つん這いに…、なりなさい!」
「イヤです、」と彼女は言ったけど、
僕とBrilliant(ブリリアント )で
無理やり…、四つん這いにさせた。
そして……、後ろ手に縛って「どうか……、ください!と言ってみなさい。」…、
そう……、懇願させた……、
A女、のお尻の穴は、天井に
向けられて全開になった。「どうか……、ください!」と17歳は哭いた……、
Brilliant(ブリリアント)は、毒親じゃないよ!子煩悩なシンママ…。ただ…、頭がオカシクなることがあった。
逃げてしまったDV三昧の Husbandの代わりでも
するかの、ように……、彼女は、
突然、レイプに加担するのさ。
すると、A女は、
…………、笑った。
………………、「ふふふ。」
シンママの気持ちを汲むように、A女は、お行儀よく脚を
開いた…、ものさ……。
A女─その、10代の
茶色掛かった股ぐらの毛並み
綺麗だ…、な……、ドライオーガズムは
概ね
直腸から指でこねくりまわされて、
細胞壁のあたりで、
光の、線のように
発生するものだ…、プリーズラヴミー、
ああ、発酵バターの
匂いが…、したね……!
或る春の晴れた午後、
僕は、また、四つん這いになっているA女に、言った…。
「これから僕は……、
君の……、
Husbandになろうかな…?」
「どういうこと…、Yuki(ユキ)」
と…、驚いて…、A女は、言った。
「どうも、こうもないさ
まぶしい…、君─、僕は君の
古傷に…、なり続けていきたいな!」
「また、変な理屈ばかり!!
この娘は、思春期よ…。」と
甘いお茶とクッキーを用意……、
しながらBrilliant(ブリリアント)が、
笑った……。
「少女を傷つけるものじゃないわ。
でも……、Yuki(ユキ)、この娘には、早く妊娠させて、
たくさん子供を産ませて、
家族みんなで楽しく暮らしたいね!」
そう言ってBrilliant(ブリリアント)は、
A女、の……、
ぬめった膣口をぴたぴた叩いた。
「もっともっと、覗いてママ…!」
「ここから、おしっこも、
赤ん坊も、出てくるのねえ……。」
【いえす……
   いえす……
        いえす……】と、
窓の、外の教会の鐘の音が鳴った、
Love Songs for our daughters… I said… , Life is short, but Life is brilliant…!! (あの 島々の、輝き…)
僕は詩人です。人生は有限で、その残りが急に見えてもきたので「これからは、詩人としてのみ生きよう」と決めました。
夫としての僕もないし、父としての僕もないし、従業員としての僕もないし、他の表現者としての僕もないです。一瞬の努力も惜しまず、詩の創作活動に邁進すること。
肉体が葬られる時まで、駆け抜けてゆく所存です。一作一作、急勾配を登り続けて生きる、それが今後の僕のヴィジョンであります。
(僕たちの娘、長女よ、
君は、今何を探しあぐねていますか…?)
「カラダの、関係は、続けて…、
約束だけの、家族になりましょ。」「Feel so good……!! 」
A女は、ご機嫌取り戻しただけ。
紫いろの唇、舐め回していたよ…。
ずっと、純情な娘の…、まま。
純情な娘じゃないと、殺されちゃう!!
からね……。
そのとき……、
A女が、スッと立ち上がった。
アボカドのような
固い乳房が、上下に…、揺れて鄙猥(ひわい)。
僕は、A女の、
乳首を、ちゅっちゅっと吸って……、
「母乳は、まだ出ないね?!」
と、真剣に、なじった。
「母乳なんて、まだよー!!」と、
Brilliant(ブリリアント )は笑った。
A女も……、微笑した。
…………………、「ふふふ。」
Malaysia Kuala Lumpurには、
5年の間に、3回は行った
と、想う……。
シンママ、Love Songs for our daughters… I said…, Life is short, but Life is brilliant…!!
(あの 島々の、輝き…)
ヒトが死んじゃうって、良いね……!!
A女の、膣口丸出しの、写真を
スマホの待ち受け画面にして以来…、
僕は、彼女の実父、の権限、さながら、
肉体的強姦も、精神的強姦も、やすやすと
達成した……、
イチ男性……、として、
一種の、殺人容疑に晒される
快感を味わうことができたワケA女……、には、誰にも、
相談、できないように……、
白い【種、】を仕込んであるからな !「ねえ、娘よ、
君は…、君の妹たちに、何か言った?」
「いいえ、言ってません…。」
……朝食後には…、A女と、二人で排泄に行った。
A女の茶髪を……、引っ捕まえては、
僕は…、たくさんの愛の告白をした……。
「好き。そうだ、君の妹…、の、
B女も、
じわじわ、殺していってみようか?!」
まさか……、ヒトに悲しみがある
なんて……、
思ってもみなかったから!!
「……、何を、言ってるの、Yuki(ユキ)?!」と、A女は、叫んだ。
マイブームイズミー!!
或る春の晴れた午後、
僕は、その時14歳、
B女の……、
カレシになろうかな…、って
想ったり、したのさ……。
父親、じゃなくてカレシ。
家庭内で、B女は、
学校から、帰って来て、
冷凍庫の氷を作るのが、仕事。
その日も、屋外の水道の蛇口を捻って
筒型のビニール袋に、
つぎつぎに、水を注いでいたよ。
…………「おい、こっちへ、おいで。」
と、僕は……、B女に向かって言った。
B女は、短い髪と
ホットパンツで、弾むように…、
庭から……、子供部屋…に、来た。
彼女は、少年のような
少女なので……、
ボーイガールと呼ばれていた。
僕は、B女の
Tシャツの裾から…、
手を入れて、木綿の生地をめくりあげ、
露わになった乳首を、ちゅっちゅっと
吸った…。
「ね、カレカノ…こんな関係、どうだ…?」
と、僕は台所で冷凍庫の
扉を開けようとしている
B女に尋ねてみた……。
B女の、居場所からは、
子供部屋……、で……、
拘束、されている……、
膣口丸出しの、姉・A女の、
姿態が丸見え…、だ。
「ええっ……、」
B女は…、表情を、
すっかり硬くした…。
「お姉ちゃんは何してるの?!」
と、B女は、
僕に……、尋ねてきた……。
「……、別に……、」
「ねえ、君、
公園で遊んでいる、あの娘、も
ここへ…、
連れてきなさい……。」
C女は、
6歳の、Brilliant(ブリリアント)の、末娘。
「逃げるのよ!!」
と、B女が、
公園に居る…C女を
震えながら…呼んだ。
「……逃げるのよ……!!」「ハーイ!」呼ばれたC女は、
喜びいさんで、家の中へ来た。
C女は、トゥーマッチイーティングで、ぱんぱんのお腹を持つ娘だ。
僕は、C女の口に
チョコレートプディングを与えてから、
ぱんぱんのズボンをずりおろし、
御花の蕾…ケツの穴に、僕の
おちんちんを無理矢理突っ込んで
やった……。鮮血。
「痛ーいっ、」
「B女も…、C女も…、
服を全部脱いで、A女の
ような、恥ずかしい
かっこうになりなさい。
そうしないと
お前らの、首落とすよ。」
と、僕は言った。
「おーい……Brilliant(ブリリアント)!!」
と、僕は、Brilliant(ブリリアント)の
名を、呼んだ……。
「どうしたのですか、Yuki(ユキ)?」
Brilliant(ブリリアント)は、
みんなの居る子供部屋に走って来た。
「どうしたも、こうしたもないぜ…、おい 、」
「これから、子供たち、一人残らずじゅんに、蹂躙して…やろう…、と
想って、……、いたのに、」
「裸になる事さえ、モタモタして
やがるよ。最低だな!!」
僕は……本当は、この疑似家族、をこころから愛していました。しかし、疑似家族との日々を思い返して、妄想に耽るとき
僕は……、汚言ばかりを放つのです。それは、どうしたことだろう。妄想ばかりの日々に、僕がたどり着いた、ひとつの思想は…、
「愛していれば、殺してもいい」、という思想、だったのです……。
「まあ……やめなさいよ、Yuki(ユキ)、これから、長い時間をかけて、
あなた好みの娘たちに、育てればいい……、でしょう……、ね?」
「Brilliant(ブリリアント)、
僕たち……幸せな家族になれるかな?!」
シンママとは、淡泊な性愛はあったけど、
いつも、息苦しい、躊躇があったね、……
四つん這いになった時の彼女には、まあまあ
ケツの欲…そそられ…ましたけど。
ああ、TOKYO 行きの、飛行機は離陸して、
それから日本に帰った、僕は……、Brilliant(ブリリアント)との約束は……、
ビデオ通話を交わす、位で……、
だんだん、心には留めなくなったね……、
僕は……、「娘たち、全員…殺す。」
と、脅迫状を随分…送り付けたのだけど、
次第に、Malaysia Kuala Lumpurの家には、
面倒くささを、抱くようになったの…さ!!
そして、彼女の娘たちとは、会ってない。
いや……僕たちの、娘?!
……(僕たちの娘、A女, B女, C女……、
徹底的に、僕好みの娘に仕立てあげる
つもりだったけど……。)
(君たちは、今何をしていますか……?)
(君たちは、今何を探しあぐねていますか……?)
生活援護相談員は「土人」の匂いがぷんぷんする。
黒い腕をぶんぶん振り回して僕に、進路を指し示そうとする。

「妄想し過ぎるのは、いい加減にしないと、ね。そうでないと、
支給を打ち切ることに成るかもしれませんね……。」I said… , Life is short, but Life is brilliant…!!

(あの 島々の、輝き…)

僕は、60歳、まだ、輝ける、季節……?!悲しみひろがる、マイブームイズミー。過去と現在が結びつく美しい接点だ…。人生は、好きだけど、
いつくたばるか……、分からないのさ、(僕たちの娘、A女 , B女 , C女……
君たちは、今何を探しあぐねていますか……?)探しあぐねているものは………、(………普通の…【愛情】…ですか?!)
(………そんなもん、探していますか?!)

 
(おまえら、【馬鹿……】だよなあ…)

 
 
2024/01/07 グループホームにて。

 

 

 

思い出 ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 57     kazuyo さんへ

さとう三千魚

 
 

忘れた
忘れたの

わたしの花

忘れたの
許さないよ

いつも
咲いていた

庭に
咲いていた

わたしの水仙

咲いていた

 
 

***memo.

2024年1月8日(日)、
浜松「八月の鯨」にて、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」として作った57個めの詩です。

タイトル ”思い出”
好きな花 ”水仙”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

母乳卒業

 

辻 和人

 
 

これが、あの
ミヤミヤのおっぱい
丸々した丘から黒紫の鎌首がギュン
もたげる
奇怪、だ、禍々しい、だ
ミヤミヤのおっぱいと言えば
さらっとした平地にピンクのボタンがチュンって乗ってるのが
定番の姿
これが、あの、だ

今日はコミヤミヤとこかずとんが母乳卒業する日
赤ちゃんには母乳が一番ったって
いっぺんに2人分だからね
鎌首差し出せばコミヤミヤ夢中でしゃぶる
こかずとんも夢中でしゃぶる
でも口に含んで乳の出が悪ければ
ギャンギャン泣いちゃう
それでもミヤミヤはただのミヤミヤじゃなくてミヤミヤママ
母の愛の乳を
ちょっとでも飲ませたい
だから寝静まった後の薄暗い光の下で
1人黙々搾乳機で乳しぼり
黒紫の鎌首がギュン
絞っては冷凍
パックに詰めて冷凍したら解凍
レンジでチンして哺乳瓶のミルクに混ぜる
混ぜちゃったら市販のミルクと区別できないだと?
そんなの問題じゃない
母の愛が問題だ
絞って絞って3カ月
だけどもう卒業してもいいかな

今日は絞った奴じゃない、ナマのをどうぞ
今コミヤミヤの口がミヤミヤの黒紫の鎌首に
吸いつく、吸いつく
コミヤミヤ、目つむってちゅぱちゅぱに集中
お口に流れ込んでくるものにうっとり
実はコミヤミヤは鎌首くわえるだけでもうっとり顔なんだ
お次はこかずとん
こかずとんは何たってミルク飲み
乳の出が悪いと大泣きしたりするけど
今日は出る出るぅ
右手で鎌首しっかりキープして力強くちゅぱちゅぱ

ちゅぱちゅぱがピンクを黒紫に変えてきた
ちゅぱちゅぱがボタンのチュンを鎌首のギュンに変えてきた
コミヤミヤとこかずとんの口に母の愛が白く流れ込んで
母の愛が母の形を変えてきた
母の愛がボタンのチュンを鎌首のギュンに変えてきたんだ

「ミヤミヤ、お疲れ様でした」
胸元拭いてるミヤミヤはちょっと寂しい笑顔
「お疲れ様。
 最後の授乳だったけど2人にはいつもと同じだったね。
 明日からは少し余裕ができるかな」
仕上げの粉ミルクも飲み干したコミヤミヤとこかずとん
お腹いっぱいになって爆睡してる
その爆睡の裏に
かずとんパパが幾ら頑張っても手の届かないものがある
ママはやっぱりパパとは違うんだね
心の中で呟いたら
黒紫の鎌首がギュンっと頷いた
丸々した丘から首をもたげているものは
これから徐々に平地のピンクのボタンのチュンに戻っていくだろう
ミヤミヤママ、ありがとう
奇怪で禍々しい、ありがとう

 

 

 

余生 ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 56     toshimi さんへ

さとう三千魚

 
 

咲いてた

たくさん
咲いてた

ひまわり
咲いてた

たくさん
たくさん

咲いてた

余生を
花で埋める

 
 

***memo.

2024年1月8日(日)、
浜松「八月の鯨」にて、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」として作った56個めの詩です。

タイトル ”余生”
好きな花 ”ひまわり”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life