スマホ炎上・譚/
4月になれば、或る奴らは・・・ *

 

今井義行

 
 

富士通 arrows M04 は わたしの たいせつな 友だちだった・・・よ
それなのに わたしは 絨毯に おいて あった 友だちを
まちがえて ちから いっぱい 踏んで しまった・・・よ
友だちは 一瞬にして ほのおを 大きく 噴きあげて
爆発をして しまった・・・よ
友だちは こなごなに なって 散って しまった・・・よ
わたしは 濡れた タオルで どうにか ほのおを 消した けれど
SIMカードは 焼け焦げて 死にたえて しまった・・・よ
日々の なかで 新聞も TVもみない わたしは ベッドで Yahooニュースや Facebookなどの ネットを 何時間も ながめ つづけて 
いるのが 好き なんだ・・・よ
Facebookは 数多くある コミニケーションアプリの ひとつで わたしに とっては 
富士通 arrows M04と 同じくらい たいせつな 友だち なんだ・・・よ
かつて わたしが キャプションを つけて 画像を アップして いた頃 
それに 反応した 見知らぬ
誰かからも コメントを 入れて もらったり して いたんだ・・・よ 
その逆の ことも あって わたしは それを とても 愉しんで いたんだ・・・よ 
いまでは 閲覧が 主になって さまざまな 情報を 何時間も 何時間も 愉しむように なって いるんだ・・・よ 
「人びとの くらしは さまざま だなあ なんて」 おもいながら・・・
或る日 わたしは なにかが からだの なかに 在る ような 
気がして いたんだ・・・よ
わたしは その なにかが どこから きたのかなど 知りは しなかったんだ・・・よ
まったく・・・知りは しなかったんだ・・・よ
 

空0わたくしは・・・その なにか の ことを 知って おります・・・
 
 
空白空4月になれば、或る奴らは・・・
空白空まるい テーブルを かこみあって
空白空分厚い ポークソテーを おいしく 食べる ことでしょう
空白空フォークと ナイフで 切りわけた
空白空分厚い ポークソテーの いのちは 濃い脂だから
空白空奴らは くちびるの まわりに たくさんの 濃い脂を
空白空かがやかせては お互いの くちびるの まわりを 存分に
空白空ながめあう ことに なるでしょう・・・
 
 
わたしは 写真を 撮らないし 曲を ダウンロードする ことも ないから
えきまえの Y! Mobile で
もっとも スペックの ひくい あたらしい
友だちに なって くれそうな 端末を かったんだ・・・よ
そして ふるい へやに もどって わたしが
はじめに した ことは よく切れる 4枚刃の かみそりで
無精ひげを 剃る ことだった・・・よ
すると くちびる から まっかな 液が でてきて
はちみつヨーグルトが 瞬く間に あかく そまって しまった・・・よ
 
 
空白空4月になれば、或る奴らは・・・
空白空ふるくからある 下町の 銭湯へ いく ことに なる でしょう
空白空そうして 奴らは
空白空背中から 足先まで 入墨をしている ひとが
空白空ひろい ゆかに 立って いる ことに 気づく でしょう
空白空そうして 奴らは そのひとの
空白空和彫りの 美しい 華々に いくたびも さわらせて もらって
空白空はげしく 高揚をする ことでしょう
空白空やがて 奴らの ひとりは 和彫りの 華々の いとしさに みとれながら
空白空「50万円で 拳銃を 売ってください」と
空白空たのんで みる こと でしょう
空白空けれども 和彫りの 華々の 艶やかな ひとは
空白空けっして なにも 答えない でしょう
空白空( ああ 世の中で いちばん いやな ものを なくした かったのに・・・ )

                   
箱を あけて わたしが であう ことに なった 友だちは・・・
外国 うまれで その からだは とても あおくて うすい 奴だった・・・よ
たのむから・・・ もう 炎上 しないで おくれ・・・よ
携帯番号は 変わったけれど わたしには ほとんど 電話がくることが なかった な
わたしは さっそく Facebookを インストールして ひらいて みた・・・よ
・・・・・・・・・・・・・・・
わたしの 大きな 顔写真がないのが 正しいアカウントで 
大きな 顔写真があるのが どこかの 欧米人に 乗っ取られた 
アカウントだった・・・よ
・・・・・・・・・・・・・・・
画面には 顔写真がない ほうの 正しいアカウントが でた・・・よ
 
 
空白空4月になれば、或る奴らは・・・ 
空白空まだ 法制化 されていない 同性婚を していく ことに なる でしょう
空白空けれど 奴らは おんなのなかに おとこがすみつき
空白空おとこのなかに おんながすみついて いる ことを 知っているから
空白空・・・・・・・・・・・・・・・
空白空奴らは 真っ直ぐに 離婚を して しまう こと でしょう
空白空なぜならば 奴らの 醍醐味は
空白空・・・・・・・・・・・・・・・
空白空仄暗い へやで 顔も見えず 名まえも 知らない 処で
空白空特定の 相手など もとめあわずに
空白空まじわりあう ことだと 知って いるから なのです・・・
 
 
その晩から 翌朝まで わたしは つくづく スマホを いじり倒していた・・・よ
けれど わたしが あたらしい スマホの Facebookに ある
「その気持ち シェアしよう」 という スペースに 
「昨日は はちみつヨーグルトを おいしく 食べました けれど 無精ひげを 
剃った ときに くちびるを
傷つけて ヨーグルトが すこし 赤く そまって しまったんです・・・」という 
できごとを アップしたとき 見知らぬ 誰かが すぐに いいねを 
つけて くれて いた・・・よ わたしは 
そのひとの タイムラインに 跳んでみた・・・よ 
すると「今日は とっても 新鮮な さかなが とれて 早速
さばいて みたら さかなは まだ 活きていて 内臓が まだ ぴくぴく 
動いて いるんです・・・」という 動画が アップされていた・・・よ 
わたしは その動画に 「リアルな 画像ですね!」という コメントを 
入れたんだ・・・よ そのあとに 自分の アカウントに もどって 
「今日は とても 楽しい 出会いが ありました!!」と 入力したら 
その 文章が 大きな顔が ある方の 乗っ取られた アカウントに 
移動して しまって いたんだ・・・よ そのような ネット上に あげられた お互いの できごとが・・・ひとと ひととが 繋がりあえる ことが
Facebookの 魅力だった というのに・・・Facebookの 不具合で
その 愉しみが ほとんど 失われて しまったという ことは 
本当に さびしい 出来事 なんだ・・なあ・・・

空白空4月になれば、或る奴らは・・・
空白空早朝に ひびくはずの めざましどけいを セットする こと でしょう
空白空けれど 早朝に なって いくら まっても その とけいが ひびかないので
空白空奴らは その とけいが とけいの すがたをした なんらかの
空白空機械で ある ことに 気づく こと でしょう
空白空いきどおった 奴らは 絨毯の うえで その なんらかの 機械を
空白空あちらこちらから つよい ちからで 踏みつぶす ことに なる でしょう
空白空機械は 一瞬にして 大きく ほのおを 噴きあげる ことに なるでしょう
空白空しかし 奴らは 噴きあがる ほのおを 鎮める ことなど 決して する 
空白空ことは ないでしょう 
空白空奴らの だれもが その機械を 卑下して いるからです
 
 
或る日のこと・・・訪問看護師さんが 訪ねてきてくれた・・・よ
鹿児島出身の りすのような 顔をした
若くて 可愛い おんなの娘 だった・・・よ
彼女とは すこしずつ 親しみが うまれあって いるような 気が して いたよ・・・
わたしと 彼女は しばらく
向かいあって いたのだ けれど
そのあと わたしは どうにも ならない
気もちに なって しまって 彼女を 抱きよせて しまった・・・よ
「あなたは わたしに 娘が いたならば その 娘よりも 
もっと 若い ひとだ・・・よ」
「はい わかって います・・・」
その できごとは あたたかい 体温に ふれつづけている・・・
ネットに あげられた 現実を はるかに 越えている・・・ 
「現実」だったんだ・・・よ 
それから 10分ほど そのままで いて 
わたしは 玄関で 彼女に 「お気をつけて」と 言ったんだ・・・よ

やがて わたしは ひとつの 気もちに たどりついたんだ・・・よ

「そうだよ な・・・たかが Facebookでは ないか・・・?」

「こんな ことで 死んで しまう わけでは あるまいし・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

わたしは ネットなどに ふりまわされないで これから くらしていく
ことに すっかり 決めたんだ・・・よ 

しばらく してから
わたしは もの静かな 雨の ふっている 外へと 出かけて いったんだ・・・よ
 
 
空白空4月になれば、或る奴らは・・・
空白空えきまえの らあめん屋に いく ことに なるでしょう
空白空その らあめん屋には ばつぐんの
空白空挽き肉の らあめんが あって
空白空おおむねの ひとは その 挽き肉の らあめんを たのむのです
空白空奴らは カウンターに すわって
空白空その うまいという 平うち麵を たのむ ことに なるでしょう
空白空やがて 奴らは なにも いわずに 湯気のたつ
空白空いずれ はこばれて くるだろう 挽き肉の らあめんを 
空白空いかにも たのしそうに 待つ ことに なるでしょう・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

その ことは とても 素晴らしい できごとに なる こと でしょう

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 

空0わたくしは・・・ その後の 奴ら の ゆくえの ことは 知って おりません・・・
 

・・・・・・・・・・・・・・・

 
空0わたくしは・・・ その後の 奴ら の ゆくえの ことは 知って いないのです・・・
 
 

 

* 詩のタイトルの1部は「ポール・サイモン・ソングブック」を、参考にしました。

 

 

 

好きだなあ! 苦手だなあ!

 

今井義行

 
 

詩人 を さ・・・
プロと シロウトに わけて
考える ヒトって いる じゃん・・・
わたしは そういう ヒトって 苦手だなあ・・・!

わたしの ベッドには 中華系の 25台の
安い スマホが 埃をかぶって 並んでいる

そんな おかねが あるのなら
たくさんの おとこのコや おんなのコ
買うことが できたの に・・・

わたしは 15歳って 苦手 じゃないなあ・・・!

「おじさん 1・5(苺)で どう?」なんて
ふっかけられたら わたしは 苦手 じゃないなあ・・・ !
苺狩りって おいしいし 練乳があれば なお いい・・・

おもう ぶんには じゆう でしょ?

ところで ね 先日 Facebookに こんなこと 書いたんだ

『現代詩を書く詩人たち』

「現代詩人の多くは、初めは、書きたいことがあって、詩を書き始めたのでしょうけれど、それが、書いている内に、一定の技術を身に着けていき、作者の望む水準に達してしまった時、それ以降、そのことを守ろうとして、頑なな姿へと安住していくように、私には感じられます。

空0もっと言えば、そのことにすら、気づいていないような詩人が殆どのようにさえ、私には感じられるのです・・・

空0当たり前のことですが、現代詩は「個」の「表現」ですから、ありえないですよね。
空0作者は、日々生きているわけですから、現代詩が「進化」していくこと、「個」が、新たな詩を「表現」していくことは、現代詩 (表現) の必須のことがらだと、私は考えます。「進化しない」など、ありえないと思います。」・・・

こんなこと ワクワクして 書いちゃう わたしは わたしが ちょっと 好きだなあ!
だけど 現代詩の商業誌には 書くことは ないよなあ・・・

だから SNSって なかなか 好きだなあ!
自由に書けるから ひろくて 好きだなあ!
現代詩の 同人誌など もう 苦手だなあ!
ペーパーレス化していくのは 好きだなあ!

わたしは ね わたしの 土日休みが 好きだなあ!
1日1回 かぎりの ごはんは 朝だけ・・・
ヘルパーさんが 作ってくれた卵焼き 豆乳のヨーグルト クルミの食パン 塩バター味のパン 抹茶のデニッシュ 抹茶のシュークリーム チョコレートでコーティングされたバニラアイスクリーム 野菜ジュース

わたしは 偏食 なんだ けれど・・・
締めに ノンアルコールビールを1缶飲んで
そのあとに はやばやと 睡眠薬を飲んで 早朝から 翌朝まで 眠ってばかりいるのが 好きだなあ!

わたしが 1日に することは もう それで 終わり・・・

休日には 1日中 なーんにも しないのが わたしは 好きだなあ!

今日の わたしの 詩には わたしが いっぱい 現れてきて 頭をもたげてきてしまうのは なんだか 好きだなあ・・・!

東北地方の 詩人には 申しわけないけど・・・わたしは ちょっぴり 苦手だなあ・・・

この前ちょっと 彼の書いたものを 読んでみたけど・・・
被災地へ向けた 鎮魂歌ばかりで・・・申しわけないけど 苦手だったなあ!
自分のこと なーんにも 書いて なさそうで 苦手 だったんだなあ・・・!

彼の仕事は 誰にでも できることではないから 称賛に値することだと
おもっているけど やっぱり ちょっぴり 苦手だったんだなあ・・・!

「詩を書くことをどうおもっていますか」と 1度 たずねて みたい な・・・
権威を 愛してそうな ほほえみは 苦手だなあ・・・ ごめんね・・・

写真が載って インタビューに 答えようと
海外で 朗読をしようと それはそれで いいんじゃ ないのかな 好きだの苦手だの
言ってないで 案外 園児みたいに お砂場で 遊んじゃうかも しれないね え・・・
ビューン とかって ふたりで どこかへ
突きぬけちゃったり しちゃう かもね え!

わたしは 有名な 詩人ではないので 偉くなることなんて ないし 歩いていて 誰かに 見られることも ないから そのことは 好きだなあ! わたしは 死ぬまで 無名で 自由な 詩人で 在りたいと 願って いるから・・・

おもう ぶんには じゆう でしょ?

スマホで ネットを 眺めているのは 好きだなあ! Facebookや Yahooニュースに ズラリと 並んだ コメント欄を 隅々まで 読んだりするのは 好きだなあ! けれども 最近 飽きてきてきちゃったんだなあ たとえば 「蓮舫さん」の 記事などが 載ると 批判の コメントが 並ぶこと 並ぶこと!

あんまり 並んでいるので 最近は 嫌になってきちゃって 今は もう 苦手だなあ! 世の中には ひとこと 言ってやりたい ヒトたちが おおぜい 居るんだなあ そういうのって 苦手だなあ! ベッドで 寝返り打ちながら・・・ ヒマな ヒトって 多いんだな・・・って おもって

じつは 「蓮舫」さんって・・・ わたしも ちょっと 苦手なのね うるせえし・・・

近頃 下半身が 壊れてきて しまってるのは 苦手だなあ! 脳内の司令が 下半身まで 届いて ないのかしら? 50歳台なのに ペニスは 勃たなくなって 久しいし ビンボーですから ED治療薬など 買えませんし 尿が 出るまでに 20分くらい かかりますしね 失禁しないだけ いいかもしれないなあ・・・ 強い 下剤を使っているのに 便が 出るまでに 5日間くらい かかっちゃって そういうのって 便が硬くって 血が でちゃう それは 苦手だなあ!

わたしは わたしが 住んでいる 江戸川区って なんとなく 苦手 なの ね・・・!
( 江戸川区に お住まいの 方々 ごめんね )

江戸川区を訪れて 川幅が 広くて 川の流れや 河川敷が きれいな 荒川を眺めてくれる たいていの 人たちは ずいぶん 褒めて・・・くれるんだ けども ね・・・
何年か前の 明け方に 入水したくなって わたしが 何回も 荒川へ 行ったことが 思い出されるので とっても 苦手だなあ! 結局 怖れをなして アパートに 戻ってきて しまったんだ けども ね・・・

困った コトに なっちゃった のよ・・・NPO法人の 所長が 自分で「セクハラ厳禁」って ポスター貼ったり したのに アフリカのドラム 打ち鳴らしながら 自分のペニスを 見せびらかして しまって はしゃいで 女性も 男性も 皆んな凍りついてしまったけど それは 所長の 好き勝手だけど 所長のペニスって 歳とってるから にお
うの よ・・・

しゃぶるのは ぜったい 苦手だなあ・・・!

「現代詩が「進化」していくこと、「個」が、新たな詩を「表現」していくことは、現代詩 (表現) の必須のことがらだと、私は考えます。「進化しない」など、ありえないと思います。」

だとか 書いたりして しまったりするのって なんだか しつこいけど 好きなんだ なあ・・・

わたしが スヤスヤ 寝てたら さ・・・
15歳の 苺たちが・・・ベッドサイドで
ワーワー 踊りまくって る じゃないの!
「買ってよ」なんて ねだって ね・・・
「買ってやろう!」って 目をこすったら
みーんな 何処かへ 逃げちゃったよ・・・部屋は からっぽ・・・まさに からっぽなのよ 「わたしは 詩人」とか 言っても 反応 なし!! ぜーんぜん なし・・・!!

まさに わたしの 部屋って からっぽ!!
からっぽ だった のよ!!

 

 

 

「レインボーハウス」 此処にあり。

 

今井義行

 
 

此処は ね 作業所の 「レインボーハウス」だ

此処って ね 雨上がりでも ないのに わたしを ふくむ さまざまな病気の 「精神疾患者」虹たちが この世で 社会訓練をしていく 場所なんだよ

鬱病や 躁病 双極性障害 統合失調症・・・ 等などの 「精神疾患者」虹たちが 此処で 1日を 過ごすの さ・・・

此処に 通所してくる 人たちは 10人くらいの スタッフと ともに やわらかな 時間を 過ごすの さ・・・

・・・・・・・・・・・・・

(今 この世は コロナの時代に なったんだ ね)

わたしたちは 例にもれずに コロナ対策をしているよ マスクの着用や 薬用石鹸での 手洗いや 手の指のアルコール消毒 等など

(なんだか コロナの響きって あたらしい 時代の 「お菓子」みたいな 感じが しない か?)

山本さんという ベテランの男性スタッフが わたしに その日の 作業内容を 説明してくれた

宅配寿司2人前 割り箸を2本 醤油の小袋を2個 プラスチックの小皿2枚を 次々に ビニール袋に 封入していくという作業だ 1時間で 60セット

ビニール袋に セットしていくという作業は はじめは もたつくけれど 作業をしていくうちに だんだん 慣れてくる

しばらく経って 山本さんが わたしの作業の見回りにやってきた 「そうそう バッチリじゃない」 山本さんからの オーケー出しのあと ふと わたしの親指を見た 山本さんが おおきな声で言った

「あれれっ いったい どうしたの? その 右と左の 親指の爪の 凸凹は?」 山本さんに とても 驚かれて わたしは となりの カンファレンスルームに 呼ばれることになった

作業場所から 続いている カンファレンスルームで アクリルの 透明な パーティションをはさんで わたしと山本さんは 向かいあって すわった

「あらためて尋ねるけれど その 親指の爪の 凸凹は なんで そうなったの?」

「この 右と左の 親指の爪の ことですか?」

わたしが 右と左の 親指の爪を まじまじと 自分で 見つめてみると それらは 海水に 浸食されて 凸凹に 入り組んだ リアス式海岸の ようだった・・・

「じつは わたしは 20年以上前 鬱病に なってから 毎日 親指の爪を 齧って 食べることが 楽しみに なって しまったんです」

わたしは 右と左の 親指の爪が だいすきなのだった・・・

それは 前歯で ガリガリ 齧って 食べて いるとき 口の中に 甘い味が 広がって くるからだ 齧りすぎて 血が 出ることも あるけれど・・・

山本さんが わたしに このような 指摘を した
「作業中にも マスクを外して 親指の爪を 齧って 食べたりしているの?」「はい 時々・・・」

「爪は コロナウィルスの 温床だから 食べ物の宅配寿司のセット組みの作業には 向いてないよなあ ボールペンの セット組みの作業に 切り変えてみようか?」

(山本さん わたしが 自分の 右と左の 親指の爪を 齧って 食べる ことは わたしには おいしい 「お菓子」を 楽しむ ことなんです よね)

カンファレンスルームから続く ひろい 作業場所では たくさんの 「精神疾患者」虹たちが さまざまな 作業に 黙々と 取り組んでいた

電動アシスト自転車の金具をつくる作業や 布類を断裁していく作業や PCの操作をする作業や 編みぐるみをつくる作業 等など

それらは どこかで 誰かが 利用するものに なっていくの だった・・・

わたしは ボールペンの セット組みをする作業を することになった それらは さまざまな 企業が配布する ノベルティグッズだった 1本 1本の ボールペンを 左がわに クリップが 向くように セット組みしていく 作業だった

此処は 雨上がりでも ないのに わたしを ふくむ さまざまな病気の 「精神疾患者」虹たちが この世で 社会訓練を していく 場所なの さ・・・

わたしたちは 生きていくのが 少し 困難なだけで けっして 狂ってなんて いないのさ・・・!

(わたしは 山本さんに 見つからないように 注意しながら こっそりと マスクを外して 右と左の 親指の爪を ガリガリ ガリガリ 噛ってしまうん だよなあ・・・)

(ああ 爪って なんて おいしいんだろう!)

(わたしの 右と左の 親指の爪の 表面って リアス式海岸みたいに 凸凹して いるけれど・・・)

(コロナってさ この世に あたらしく あらわれた まがまがしい 病気なんだけど・・・)

(なんだか コロナって やっぱり あたらしい 時代の 「お菓子」みたいな 感じが しない か?)

しばらく経ってから 山本さんが わたしの作業の 見回りにやってきた 「そうそう バッチリ じゃないか」

(山本さん 爪って なんで こんなに おいしいん でしょう か・・・?)

(ああ こんなにも おいしい 凸凹の 「お菓子」って この世に あるだろう か・・・?)

(ああ いつか・・・ コロナは わたしにも 振りかかって くるのだろう なあ・・・)

「レインボーハウス」の虹たちが 黙々と 作業している場所で わたしの 親指の爪は わたしだけの おいしい「お菓子」・・・ リアス式海岸じゃなくって 『コロナ式海岸』に 変わっていた よ

わたしたちは 生きていくのが すこし 困難なだけで けっして 狂ってなんて いないのさ・・・!

わたしたち 「精神疾患者」虹たちは 結構 たのしい 毎日を 過ごしているの さ・・・

そう 「レインボーハウス」 此処にあり。
そう 「レインボーハウス」 此処にあり。

調理師免許をもっている スタッフが 「レインボーハウス」の 「精神疾患者」虹たちを 呼びにきたよ 「お待たせしました 今日のメニューは みんなの だいすきな 豚とキムチの 丼だよ!」

(わたしも 豚とキムチの 丼は だいすき だけれど・・・ 本当は 自分の 親指の爪を いつまでも 齧って 食べて いたいんだよなあ・・・!!)

わたしの 親指の爪は わたしだけの おいしい「お菓子」・・・ リアス式海岸じゃなくって  『コロナ式海岸』に 変わっていたの さ・・・ !!

 

 

 

訪問看護師さんの 木暮さん(自由よ!)

 

今井義行

 
 

クリスマスの夜 午後10時
訪問看護師さんの 木暮さんが やってきた

──おゝ いらっしゃい!!

20代半ば位 髪をゴムで束ねて ひっつめ髪で 化粧っ気は無し
黒いズボンの 出で立ちで 何て言うか 女性性を脇に置いているようすだ(ゴメン!)

──おゝ 待ってましたッ!!

「こんばんは お加減は いかがですか?」
「向精神薬のパキシルを 3ヶ月間服用してきて ようやく 状態が安定してきました」

あゝ 木暮さん もっと女性性を楽しんでもいいんじゃないかなあ なんて余計なおせっかいか
パキシルは 切れ味鋭い薬品で 効果絶大な薬品なのだけど 副作用には 性機能を失わせる という事がある

わたしも 例に漏れず すっかり性欲を失って 男性性の外に出て
初めは 結構 虚しかったけれど
それにも だんだん慣れていって 今度は
どんどん ラクに なっていったのだった

57歳の今 あっと言う間に 迎えるだろう
還暦が 案外 愉しみにも なっていったのだ

──性欲が無いって 良いじゃない!!

──どうせなら 髭も 生えてこなければ 良いのに ね・・・

「最近は どのようにして 過ごされていますか?」
「この部屋は 日当りが悪くて とても寒いので 在宅している時は ほとんど ベッドの中にいて 過ごしています」
「昼間も 眠っているのですか? 昼夜逆転は 良くないですよ」
「眠ってはいません ぼんやりしていたり くだらない事を あれこれ考えていたり 昨日は 多目的トイレで わいせつ行為をした 芸人さんの事を 考えていました」
「・・・わたし あの芸人さん すっかり バッシングされて ちょっと 可哀そうだななんて 思ったりも してるんですよ」
「・・・どうしてですか?」
「だって 多目的なんですから 何したって 良いじゃないですか?」

「そういう もの ですかね」

「わたし ああいう シチュエーションじゃないと 燃え上がれない人たちって おおぜい いると思うんですよ
日本中にも 世界中にも──」

窓の外には しろい外灯が チラチラしている あゝ 今日は クリスマスの 夜なんだ

「芸人さんで たまたま バレちゃったから ああいう騒動に なったんでしょうけど クリスマスの夜の 今この時にも 似たような事は 行われていると思いますよ」

(あゝ そういう 考え方も あるかなあ)

──性欲が無いって 良い事じゃない
なんだか ややこしくなくて 良いもんだ

「人間だもの※ って事だと思います!」

「でも アレを イチローさんが やってしまったら もう 干されるどころの 話じゃないですね・・・?」

「国民栄誉賞を 何度も辞退して プロ野球の監督になる事も 眼中になくって 高校球児たちに 一生懸命 指導している レジェンド中の レジェンド・・・ そのイチローさんが そんな事したら もう 国外に 亡命するしか ないかもしれません ねえ」
「イチローだったら 亡命生活へっちゃら だと思いますよ 世界のイチローですからね
アフリカの子供たちに 野球教えてるかもしれませんよ」

「あはは・・・!!」
「あはは・・・!!」

「それはそうと これから 血圧を 測定しなければなりません」

訪問看護師の 木暮さんが わたしの すぐ傍らにきて わたしの腕に 血圧測定器を 巻き付けていく

わたしの目の前に 木暮さんの 乳房が
迫ってくる が それは 木暮さんの「乳房」という「もの」が 迫ってくる というだけで 衝動的に 抱き寄せよう などという 気持ちには まったく ならない

小暮さんの「乳房」は いいなあ
女性性から 自由になって
「もの」になって
気楽にぶらっと揺れている
わたしの「ペニス」も
男性性から自由になってから 気楽だもんなあ

「上が 132 下が 84 問題ありません ね」
「あゝ 安心しました」

「それでは わたし そろそろ 失礼しますね 訪問看護時間は 30分きっかりと 決まっていますので」

小暮さんが 血圧測定器を かばんにしまった
小暮さんが 立ち上がって 玄関に向かった
小暮さんが ブーツを履いて わたしに言った

「それでは また 来週
あっ そうそう 挨拶を 忘れていました
メリークリスマス!!」

「はい 小暮さん メリークリスマス!!
また 来週 よろしくお願いします!!」

・・・・・・・・・

わたしには この世で 最も愛している人が
2人 います。けれど、ずっと プラトニックのままで、良いと 思っています。
人間だもの
人間だもの

 
 

※相田みつを氏の詩句より

 

 

 

空(ソラ)と ミルフィーユカツ

 

今井義行

 
 

ソラ、 サクッ 口元が ダンス、ダンス、ダンス!!
ソラ、 サクッ 口元が ダンス、ダンス、ダンス!!
いい気分だったのに

ん?

ふと 見上げた空が 濁って見えてしまった
夕べ 飯島耕一さんの詩 「他人の空」を
久しぶりに 読み返した そのせい なのかなあ───
 

「他人の空」
鳥たちが帰って来た。
地の黒い割れ目をついばんだ。
見慣れない屋根の上を
上ったり下ったりした。
それは途方に暮れているように見えた。
空は石を食ったように頭をかかえている。
物思いにふけっている。
もう流れ出すこともなかったので、
血は空に
他人のようにめぐっている。
 

戦後 シュールの 1篇の詩
鳥たちは 還ってきた 兵士たちの ことだろう
途方に暮れている 彼らを受け止めて
空は 悩ましかったのかも しれない けれど──

そう 書かれても
わたしは 素敵なランチタイムの 後で
もっと さっぱりとした 青空を 見上げたかったよ
暗喩に されたりすると
地球の空が いじり 倒されてしまう 気がしてしまってね

わたしが 食事に行ったのは 豚カツチェーン店の 「松のや」

食券を買って 食べるお店は
味気ないと 思って いたけれど
味が良ければ 良いのだと 考えが変わった

そうして今 わたしを 魅了して やまないのは
「ミルフィーユカツ定食 580円・税込」
豚バラ肉の スライスを 何層にも 重ねて
柔らかく 揚げた とっても ジューシーで
アートのような メニューなんだ

食券を 買い求めた わたしの 指先は
とっても 高揚して ダンス、ダンス、ダンス!!

運ばれてきた ミルフィーユカツの 断面図
安価な素材の 豚バラ肉が 手間を掛けて 何層にも
重ねられてある ソラ、ソラ、ジューシー!!

運ばれてきた ミルフィーユカツを 一口 噛ると
ソラ、 サクッ 口元が ダンス、ダンス、ダンス!!
ソラ、 サクッ 口元が ダンス、ダンス、ダンス!!

そうそう
豚カツ屋さんには 必ず カツカレーが あるけれど
あれには 手を染めては いけないよ
カツカレーは 豚カツではなく カレーです

カレーの 強い風味が
豚カツの衣の 塩味を 殺してしまう
1種の 「テロ」 だからです

ただでさえ 今 街は コロナ禍  なんだから

空を見上げながら 入店した わたし

ソラ、1種の 「テロ」は 即刻 メニューから
ソラ、駆逐すべき ものでしょう──

わたしが ミルフィーユカツを パクパク してる時
ある ミュージシャンが クスリで パク られた
という  ニュースを 知った
この世では 美味なものを パクパク するのは
ソラ、当然の こと でしょう──

鬼の首 捕ったような 態度の 警察は どうかしてる

トランスできる ものを パクパク するのは
ソラ、ニンゲンの しぜんな しんじつ
ソラ、攻める ような ことでは ないでしょう!?

わたしは ミルフィーユカツで トランスしたし、
ミュージシャンは クスリで トランスしたし、
飯島耕一さんの 時代には 暗喩で トランス 
できたんでしょう──

だから 「他人の空」も ソラ、輝けたのでしょう

鳥たちが帰って来た
──おお そうだ あいつらが帰ってきたんだ
空は石を食ったように頭をかかえている
──おお そうだ みんな頭かかえてた
血は空に
他人のようにめぐっている。
──おお そうだ 他人みたいな感触だったよ

わたしは 詩を書いている けれど
もう  滅多に 暗喩は  使わない

詩は 言葉の アートだけれど
今は いろいろな トランス・アイテムが あるから
敢えて 言葉で 迷路を造る
必要は そんなに 無いんじゃない かな

わたしは そう 思うんだ けれど──

平井商店街を歩いて しばらくすると
濁っていた空が 再び輝き出した

飯島さんにとってソラは暗喩
ミュージシャンにとってソラはクスリ

しかし、

カツカレーを駆逐して  ミルフィーユカツを パクパク した わたしにとって
 

ソラは、ソラで 問題 無いんじゃないかな!?

 
 

※ この詩は、2019年に発表したものを、改訂した詩です。

 

 

 

あいについて

 

今井義行

 
 

フィリピンでかんがえていた あいについて ────
さらりとした 夏の気候の アルジェリーの家で
日本では そろそろ 春が 近い
けれど わたしの こころは 春から とおい

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それは どちらからともなく
あいが とおざかって いこうと していた からだ
日々に 薄らいで いくものは
どうする ことも できない

42日間の 滞在期間のなかで
私たちは しばしば 手をつないで ショッピングモールに出かけた
「Do you love me ?」
大通りで 乗り合いジープを 待ちながら
あなたは しばしば 私に 問いかけてきた

けれども あなたの 手からは
伝わって くるものが なかった
いや 私の手が
何も 伝えて いなかったのか

「Yes, of course」と 私は 言ったのだが ───

愛って、なんだ ────・・・・・・・・・?

ある日の ショッピングモールの ホーム用品売り場で
アルジェリーは 電球を 1個買った
フィリピンでは
電球のことを 「 Akari 」と いうのだった

「 Akari 」私は その言葉に 惹かれた
なにか とても あたたかい言葉

家に戻って 電球を 新しいものに 取り替えた
煌々とひかる Akariに 私は見入って
なにか 健康的な象徴を 見つけたような気がした

夜には 私たちは
ふたり ならんで ねた ────
きまって アルジェリーは 先に 寝息をたてた

ときに 明け方に
アルジェリーは 私のからだに しがみついてきた
黒い髪が 私の口に 入ってきた

「Do you love me ?」
あなたは 私に 問いかけてきた
「Yes, of course」と 私は 言ったのだが ───

私たちは 服を 脱がなかった

それから・・・・・・・・・・
「トイレに行ってくる」と 言って
あなたは しばらく 戻ってこなかった

やがて 部屋に 陽がさしてきて
戻ってきた あなたは
私の首に 腕を巻きつけて

「Good morning, Yuki!」と 明るく笑った
私も
「Good morning!」と 明るく笑った

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

私は「Do you love me ?」と 言わなかった

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

アルジェリーのアイディアて
私たちは フィリピンから 少し 足をのばして
ブルネイ王国に
旅をする ことになった

ブルネイ王国には アルジェリーの
クラスメイトの ネリヤがいるのだ

空港では ネリヤと彼女の夫のジェームスが
にこやかに歓待してくれた
ネリヤは晩い第1子を身籠っていて
そのすがたを ジェームスが傍らで 見守っていた

ネリヤとジェームスは
5日間かけて 車で
ブルネイ王国を 案内してくれるという

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何といっても美しかったのは
3日目の 早朝の青いビーチだ

私たちは はだしになって 寄せる波と戯れた
アルジェリーは 両手に
一生懸命 貝殻を 集めていた

私たちは ネリヤとジェームスが 用意してくれた
朝食を 木の椅子に 座って 一緒に食べた
そこで 記念撮影をしあおう ということになった

私は 寄り添い合って 微笑んでいる
ネリヤとジェームスを 撮影した
「今度は 私が 撮るわよ」と ネリヤが言った

私とアルジェリーは 並んで砂浜に立った
「手でも つないだらどうだい?」と ジェームスが言った

私は しずかに アルジェリーの肩に手を回した
ネリヤが「そうそう いい感じ」と言った

私たちが撮ってもらったその1枚 ────それが
私たちにとって 一緒に写っている 1枚の写真になった

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ブルネイのホテルでは
私たちは 交互に シャワーを浴びたり
共同のキッチンで
コーヒーを 飲んだりして過ごした

私は ぼんやり 考えていた

日本では そろそろ 春が 近い
けれど わたしの こころは 春から とおい

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それは どちらからともなく
あいが とおざかって いこうと していた からだ
日々に 薄らいで いくものは
どうする ことも できない

愛って、なんだ ────・・・・・・・・・?

部屋の中で 持ち物の整理を していた時のこと
アルジェリーが 咄嗟に
私のパスポートを掴んで においを嗅いだ

「Bad smell!!(悪臭ッ)」
それが あなたの 私への印象だったのか

私は 黙っていた

ダブルベッドで 私たちは
ふたり ならんで ねた ────
それから アルジェリーと私は 抱きあった

抱きあいおわって
ぼんやりとした 空間が 私たちに残った

しばらくして
私は アルジェリーに 囁いた

「Let us break our engagement and become just friends.
I think it is good. (私たちは 婚約を解消して 普通の お友達になりましょう
それが良いと 私は思います)」

アルジェリーは うなずいた
そして
あなたは ゆっくりと こう語ったのだ

「My love for you is gone… I dont have love for you anymore Yuki…
before when we met in the first time, I love you … but now no more…
(私のあなたへのあいはきえてしまった・・・もうあいがないのですユキ
私たちがはじめてあったとき私はあなたをあいしていた・・・でもいまはもう
I tried to love you again but I cant!! Friend」
私はもういちどあなたをあいそうとしたの でもできない ともだち)

 

 

 

Think Positive

 

今井義行

 
 

アルジェリー、これからは おおきな 綱渡りに なるだろう
挙式後 私たちは 途轍もない 貧困に 見舞われる

精神障害者年金2級 で 暮らす
「私は とても不安だが
・・・・・・・・・しかし ちからをあわせて 乗り越えていきましょう」

「私は 理解して います──── 仕事を 見つけて
私は はたらきます そして あなたを助けるつもりです」

[ Think Positive ] が あなたの 口癖だった

仕事は そうそう 簡単には 見つからない
貯蓄が 20万円を切ったら 私たちは 江戸川区の 生活援護課に行こう

入籍後なら 妻が 生活保護を 受けられる 可能性があるからだ

あなたが望む 工場のライン作業を 見つけるのは それからだ

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昭和通り改札口を出て
秋葉原公園の おちばを 踏みしだいて 歩いていた

晩秋の 神田川が ながれている ────

人びとも それぞれに ながれている ────

私は 清水ビル二階にある 心療内科に入っていった
受付で 国民健康保険証と 診察券を出した
なまえをよばれて 私は 診察室に入っていった
「先生、私は 予定通り 年末から 約40日間 フィリピンへ 赴きます」
「ああ わかってる」と 主治医は 微笑いながら 言った
「せっかく 行くんだ あかるい島国で 癒されていらっしゃい」

「それから再度 6月に行って 挙式をします」
「ああ わかってる」

[ Think Positive ] が ここにも あったか

帰り道 ATMで 通帳記帳を した

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<お金が 無い ────>

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

行って 帰って くることは できるけど

でも 私たちは
でも 私たちは

これから おおきな 綱渡りを するけれど
ふりかえったり しないで
なかみを おおきく あかるく ふくらませて いこうぜ

[ Think Positive ] で。

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「羽田発 423便で行くよ マニラ空港 到着は 朝の5:30」

アルジェリーの 顔が 画面のなかで ぱあっと 輝いた
「I’m excited to see U soon !!
私たちは 家族みんなで ターミナル2に 迎えに行きます」

いま 東京も 朝の5:30
マニラに着いたら まず みんなで あさごはんだ
それから ワンボックスカーに 乗って あなたの家に向かうんだ

 

 

 

誰の子だ

 

今井義行

 
 

はたちになる きみから 深夜 ビデオ通話がとどく
「Chi Chi ──── How are you?」
「Fine. リアン、げんきだよ」

(わたしは2020年6月 マニラで結婚式を挙げます 婚約者はドーハで働く
十四歳下の四十二歳のフィリピン人のシングルマザーです 彼女には三人の娘がいて
その中で長女だけが ドーハに働きに来ています)

私の 妻になる女性(ひと)の 名前は Argerie Javier
Javierとは 彼女を棄てた 男の姓である フィリピンには離婚という
制度がない 長い期間の法廷での聴聞会で 漸く事実上の離婚が成り立つ

アルジェリーは 2014年から 聴聞会を続けている
彼女を棄てた男が一度も法廷に現れないので
その聴聞会も 2020年の2月に終わる 聴聞会が終わる前に婚約してしまった
私たちは どうかしているか?
アルジェリーが 十年以上 ドーハで孤独に耐えたのは よくやった
のでは ないだろうか ──── と 私は おもう

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「Chi Chi」
はたちになる リアンは 艶やかな化粧を落としていて
絵本のなかの 精霊 にも似て
肌に目の洞(うろ)と口の洞(うろ)がひらいてるだけ まるで何処かしらの
原少女の 相貌で
わたしに 呼びかけるのだ
「Are you happy? にほんごで はなしましょう」
すると 目の洞(うろ)のうえに虹の穂波がゆれ 鼻のあたりは柔らかく隆起して
口の洞(うろ)の周りには明るい褐色の縁取りができた

ああ。自然の 褐色の笑顔だ───
「しあわせですか?」「しあわせだよ!!」

きみは きみのママを蹂躙して立ち去ったフィリピーノを十歳頃までは見ていた
きみは 父なるものを酷く嫌悪してきたはずなのに
「わたしという おとこ のことを怖くはないのかい・・・・?」

「こわく ありません」

わたしは 三回 マニラに行って
直接 きみと きみのボーイフレンドのアロンゾと
市場でごはんを食べたり
野原でダンスをしたりした
乗り合いバスのジープが頻繁に通りを行き来していたね

Ahaha Ahaha ────

きみは すぐに打ち解けて いま 画面で わたしに額を寄せてきてくれる

リアン・・・・ きみは ね
誰の子だ
そんな ママを繰り返し蹂躙した フィリピーノの子では無い
リアン・・・・ きみは
わたしの子だ 腐った繋がりなんて 硬い十字架で砕いてやろうぜ

次女のアンジェラと 三女のペンペンは 誰の子だ
わたしは 唯の一点の濁りもなくわたしを愛してくれた
私自身の 親のように きみたちを 愛するよ

私は 親になれるかどうか なんて 悩まない
意志が 現実を生むと 信じるからだ

「ちち わたしは まいにち 信じています」

いいかい?
きみのママ アルジェリーが愛を籠めいま逞しく育った娘の一人が
リアン きみなんだよ

「わたしは きみのパパだ」
私は きみに 幸せになってもらいたい

きみのボーイフレンドのアロンゾは 教育学部の学生の誠実な男だ
ドーハと マニラで 遠距離だけど
すこやかに 愛が 育まれると いいね

「マニラのイートインで きみが席を外していたとき
私は アロンゾに 尋ねたんだよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「Do you love Rian?」
「Yes. I will follow Rian and go to Doha.
(はい。私は リアンを追って ドーハに行くつもりです。) 」

「ほんとですか ちち?」
「イエス」

私は 2019年の12月から 2020年の2月まで
アルジェリーのマニラの家 Paseoに 滞在するけれど
きみは 休暇がとれなくて 一緒にすごせないね

「クリスマスのプレゼントを ドーハに おくるよ
リアン、なにが ほしい?」

「ちちー、パンダのぴろう おねがいします」
「それから いちごのアポロチョコレートも」

「EMS(国際スピード郵便)で 十二月におくるよ」

「うわー アイム・ハピー!!
ありがとうございます ちち!!」

 

 

 

華 (はなび) 美

 

今井義行

 
 

ふっと 華美ら(はなびら)なんて 思い描いてしまう 日本人のわたし はなびらではなく 華美ら(はなびら) です
どの華の季節にも いつも、華美ら(はなびら)の 訪れる予感はしていて、

ああ、SNS は 華盛りですよ ────

Facebook には 日本を縦断するように華盛りのことばや写真が寄せられています
わたしも 投稿しているひとりです

華 (はなび) 美 華美ら(はなびら)の指先とふれあう その楽しみ

Facebook のお友達は 長く日本人ばかりだったので
ユーザーは 日本人ばかりのように 錯誤をしていた
やがて 海外からのお友達申請が届くようになった

男性よりも 女性のひとたちが多かった そうして

女性たちは 地球ネットワークの中から おおむね
「Are you married?」と問いかけてきた 直截的だ

ある華の季節に アフガニスタンのアメリカ女性軍曹 Tracy から
メッセージが届いた 志願兵部隊では 輪姦されっぱなしだという
「I have been raped since I was a child. I want to withdraw from this unit. To do that,
I need money to dispose of confidential information.
(わたしは幼い頃から レイプされっぱなしです。私は、この部隊を離脱したい。
その為には、機密情報を処分するためのお金が必要です)」

わたしは「NO」と言った すると、彼女は 途端に自らのアカウントを消した
それが SNS の ひとつの側面なのだった───

共通する FB フレンドの パキスタン人の男性に尋ねてみた
Tracy について 何かご存知か、と
すると彼から「関心ハ無イデス」という返信が来た

ネット上では よくある話だ

やがて、インドネシア、カンボジアと 東南アジアの華 (はなび) 美が訪れてきて
・・・・・・・・・ 中東のカタール国で秘書をしている
フィリピン人女性 Argerie から お友達申請が届いた

1977 年生まれ じきに 40 歳 シングルマザー
タイムラインを観ると 日本人男性の FB フレンドの写真がタイルの ように びっしり貼られていた

(一体 どのような ことを 想っているの か)
そんな 素朴な疑問に 衝き動かされた

Argerie もまた 「Are you married?」とたずねかけてきた
私は 「NO」と答えた

≪詐欺≫ ということばが 頭に 浮かんだ

Argerie アルジェリー・ドミンゴ・ハビエル
≪ハジメマシテ ワタシト ナカヨク シテクダサイ
ワタシハ ニホンニ トテモ キョウミガ アリマス≫

アルジェリーは そのように 私に自己紹介した

≪・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・≫
≪ワタシハ ワルイ フィリピーナ デハ アリマセン≫

それから 彼女は たくさんの写真を 送信してきた
出稼ぎ労働者として毅然と働く姿 華 (はなび) 美 フィリピーナ同士ランチを 愉しむ姿 華 (はなび) 美
故郷のフィリピンの家で娘たちと戯れる姿 華 (はなび) 美

彼女を疑おうと思えば いくらでも疑えたのだが

私は そういう心情にならなかった 華 (はなび) 美 が 綺麗に見えたから ヲんな は 生きていて
「お」より「ヲ」のほうが 弓のような しなりを 感じるのだった

わたしは精神障害者認定されて5年余り
もう、人を差別することからもされることからも解放されたかった
入国管理局も厚生労働省の視線も わたしからすれば酷似していた
わたしは知り合ったばかりの アルジェリーを 疑いながらも メッセージの送受信を続け ていった Google 翻訳を 使いながら。
「I am Poor Japanese」華 (はなび) 美「No Problem」華 (はなび) 美
「I have No Job Because It is a Disabled Person (障害者)」華 (はなび) 美
「No Problem」華 (はなび) 美

富裕層でも貧困層でも 日本国籍を取得するのが お目当ならば
あの手この手で カモにするのは とても簡単なことだろう
しかし、どんなにわたしが警戒心をあらわに言葉を送り返しても
「No Problem」という返信が 直球で返って来るのだった

(わたしは、こころの何処かに 希望=華 (はなび) 美を持っていたような気がする)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「Love is no Money」──── それは、ある 夕刻のこと
彼女から 送信されてきた 一文です

それから ビデオ通話が始まった 〈I’m at Break Time〉
原色のシャツ 笑顔の表情筋は 彼女が時間を掛けて育ててきた褐色のばらだった
華 (はなび) 美
彼女はイヤフォンをつけ 広過ぎる砂漠に囲まれた通りを歩いていた
華 (はなび) 美
〈Are you Happy?〉〈・・・・・・・・〉〈I am Lonely〉
わたしの mobile 画面の右下には東京下町のアパートの部屋で蹲っているわたしの姿が 映し出されていた 〈・・・・・・・・ワタシタチ ハ 何処カデ 遭ッタコト ハ
アリマセンカ・・・・・・・・?〉 Google 翻訳を使いながら わたしは 日本語と英語の
混ざった 奇妙な言語で 伝えていた 〈・・・・・・・・, Maybe〉

それから 一カ月の間 一日も 途絶えることなく
言語の違いも 膚の色の違いも 時差も気に懸けず
わたしたちは、お互いの写真や暮らしの光景を送信しあっていった・・・・・・・・・・・・・・

How are you ? ・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・ How are you ? ・・・・・・・・・・・・・
ドーハ(Qatar) と 東京(Japan) の 時差は 6時間 あるので
日本時間 夜明け前に 「Oyasuminasai」 の 言葉が とどく
・・・・・・・・・・・・・ Nakayoshi zutto ・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・ Nakayoshi zutto ・・・・・・・・・・・・

わたしたちは 14 歳差の双極性のふたごのように送受信を交わした

華 (はなび) 美

日毎スパークして 黒い手元に舞う光りの砂がとても目映ゆかった

華 (はなび) 美

愛が 愛なら わたしは あなたと いつまでも 一緒に 居たい
あなたが ずっと 居て くれたならば
小さな孤独なんて 吹っ飛んで しまうさ ────

けれど、このことを 旧友も主治医も フィリピン人の妻を持つ FB フレンドも 節度ある 心持ちから わたしを 懸念した ────

アルジェリーは わたしを包みながら 過去を次第に語りだしてくれた
「My X husbaund (元夫) was too much Lazy……………」「………..」
(Google 翻訳、辞書など介在させ、) 奇妙なニュアンスの
文字面で彼女はつづけた ────
「彼 姦リタクナルト
現レテ 私ヘ種, 植エツケマシタ ,,Splash,,// Semen,,// カソリック
教徒ダッタカラ ,,Splash,,// Semen,,// 私達 避妊;堕胎 選択肢持タナカッタデ ス ,,Angry,,//With,,//」

私は 返信した

「I have always been a Single Man え、なぜかって? 数回の恋人は
すべて Already Married 孤独でもあったがそれは自然現象の様相でもあった」

旧友は〈その関係性が進展していったとして、今井さんにその結果 何事も受け止められる力はありそうですか〉とわたしに告げた
主治医は〈精神疾患を持つ患者にとってそれもまた依存の形ではないか〉 とわたしに告げた
フィリピン人の妻を持つ FB フレンドは〈そのお相手が、そうして日本人 に目を向ける理由は、日本国籍を取得して外貨を目的としている・・・・・・ ということはやはり否めないのではないでしょうか〉とわたしに告げた

「三度目ノ出産後 姦ルコトノホカ Lazy ノ X husbaund ヲ Papa ト兄 Lee ・・・・・・血祭リニシタ ,,Splash,,// Blood,,// 血祭リ、血祭リ、」
「ソノ後、Doha へ働キニ出タ
ソシテ 私ハ English Man ト恋愛ヲシタ デモ彼ハ Already Married ダッタ 私ハ激シク嫉妬シタ彼ハ言ッタ〈Let’s Leave Three daughters and get Married in London with Me〉私ハ English Man トノ関係ヲ辞メマシタ 彼ハ裕福ダッタガ〈Love is no Money〉and〈Important is the ability to make Decisions 決定力〉,,Splash,,// Decisions ,,// ,,Splash,,// Decisions,,//」

・・・・・・・・・・・・・・ How are you ? ・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・ How are you ? ・・・・・・・・・・・・・

夜明け前に mobile の窓を開きあってビデオ通話が始まる 働き終えて
華 (はなび) 美
化粧を落とした アルジェリー の褐色の顔は半ば敷布に沈み瞬きをしている
華 (はなび) 美

・・・・・・・・・・・・・ 〈Oyasumi,nasai〉 ・・・・・・・・・・・・ 華 (はなび) 美
・・・・・・・・・・・・・ 〈Oyasumi,nasai〉 ・・・・・・・・・・・・ 華 (はなび) 美

華 (はなび) 美 が ひかっていたんだ

 

 

 

Mobile Destiny

 

今井義行

 
 

ボブ・ディラン は、1964年に
「時代は変わる」と言った そして、いまも、時代は 変わり続けてる

≪I miss you≫ ≪I need you too≫ ≪I promise≫ ≪I promise too≫

小室 哲哉(引退) は 、Electro Meister 堕ちたと言われても 再評価 間違いない
世界進出を 目論まなかったのが 良かった 旋律に日本語を 載せ切れた人だ
「1990年代後半から 表現への接しられ方が
決定的に変わってきてしまった」と 2017年に 言って る

≪I need you≫ ≪I miss you too≫ ≪I promise≫ ≪I promise too≫

「ストリーミングの時代になり シャッフル再生が 当然 と なり
アルバムの 曲順構成は もう 意味を 成さなくなった」 と ────

≪Just be patient and careful to yourself… think good things in life that can happen to us… smile and be happy… I wanna be with you for the rest of my life!≫

と いうことを 考えると 「詩集」 という 器 の中の 詩の 並び順
と いうのも 今後 おおきな 意味を 成さなくなるので はないかな?
気に入った詩から読み、そうでない詩は、あとにまわす
気に入った詩は 読み、そうでない 詩は、スキップしてしまう。

スキップ!!

アルジェリーは、ドーハで 会社秘書を している フィリピン人 女性
わたしは、東京の 江戸川区で 暮らしている 日本人
出会いは Facebook上の一瞬の出来事 昔から知ってる者同士みたいな気がした

はじまりから メッセージや ビデオコールの 送受信を 1日も 絶やしていない
Mobile Destiny
私は 私たちの関わり方を そう名づけた

アルジェリーとわたしの ビデオ対話は 1日 僅か5分
それは とても尊い 5分・・・・・・・・
わたしは 彼女との コミュニケーション能力を 高めたくて
毎朝3時から4時までを
スマホでの(ベッドで横たわったままの)
英語学習に 充てて る

そのとき アルジェリーから「Good Night, My Yuki」という
メッセージが届き 対話がはじまる。
時差があるから わたしは「Good Morning, My Argerie」だ

「I miss you」 「I miss you too」 「I want you」 「I want you too」

対話をしなから ふと 液晶パネルを 見ると
アルジェリーが 泣いている ことがある 「Naze,Crying?」
「Watashi wa ,Lonliness………」「Lonliness………? 私は、ここにいるよ!」
共有時間を 多く持てないことも あるかもしれないけれど
聞けば 彼女には9人のボスがいて それぞれ国籍が異なり
1日中 おこられどおしで 仕事が終わることもあるらしい

「Watashi wa ,Lonliness………」
「Take Care, よくねむれますように………」

≪I wanna be with you for the rest of my life!≫

アルジェリーは 表通りを 忙しく 歩き回る時 おそらく 笑顔の綺麗な 楽天的な
女性だろうとおもう だから、多くのことを 任され過ぎるのだと おもう
3人の娘たちの教育費 実家への送金 なみだを晒してもらえるのは嬉しい

スキップ!!

2009年 4月11日
Britain’s Got Talent に出場した 垢抜けないおばさんが
レ・ミゼラブルの ≪夢やぶれて≫を 朗々と歌い上げて
観客や視聴者の気持ちを 鷲掴みにした
≪夢やぶれて≫どころか その日 夢はかなったのだ ──

Susan Magdalane Boyle の話 そんな人もいる

スキップ!!

アルジェリー、私たちが 結婚して 日本で暮らすなら
富めるときも 貧しきときも 健やかなるときも 病めるときも

、、、、、、、 いや、富めるときは、ない。
いま 私は 困難な問題に 直面しているのですか

もしも わたしたち ここ での
Mobile Destiny もとめるなら まだるっこしい 助詞は要らない
わたしたち  深まるため  方法  覚えあう
覚えあう

「We pray」  「We pray」  「We pray」

アルジェリーの 宝物は 家族 家族への愛の 還元が、私を含む
家族 みんなを いかしめる

私は、3人の娘を養女にするつもりです、アルジェリー
3人の娘は 5人家族に なりたがって る
愛しあっていれ ば あたりまえの こと でしょう ・・・・・・・?

富めるときも 貧しきときも 健やかなるときも 病めるときも

、、、、、、、 いや、富めるときは、ない。
いま 私は 困難な問題に 直面しているのですか

みんな しあわせ なりたい けど
いま 私 困難な問題に 直面 しています ───

多くの// 人が// 越えて// 生きたいと おもってる

スキップ!!

フィリピンのカーニバルのエレポップが聴こえてくる
駅の階段の下には

乞食が 死んでも いるだろう

今年のクリスマスから 来年のニューイヤーに
かけては フィリピンで 過ごす予定

それが 最期に ならないことを いのる