さとう三千魚
海から帰って
リュビモフを聴いていた
リュビモフの弾くピアノを聴いていた
リュビモフは
義兄に似ている
ほほえみの向こうに
悲しみが
いる
どうだろう
海の波は打ち寄せていた
なんども
なんども
打ち寄せていた
人が生まれている
人が死んでいいる
笑っている
笑っている
部屋の窓を開けて雀たちに花の種をあげる
#poetry #no poetry,no life
海から帰って
リュビモフを聴いていた
リュビモフの弾くピアノを聴いていた
リュビモフは
義兄に似ている
ほほえみの向こうに
悲しみが
いる
どうだろう
海の波は打ち寄せていた
なんども
なんども
打ち寄せていた
人が生まれている
人が死んでいいる
笑っている
笑っている
部屋の窓を開けて雀たちに花の種をあげる
#poetry #no poetry,no life
モコは
いないから
居間のソファーの
モコの
傍らにいることもない
仏間の
小机の
本や
資料を
二階にあげた
二階の机の上の積まれた本を下ろした
半年
二階のこの部屋は使わなかった
ダンボールは畳んで
クルマのトランクに積んだ
ホームセンターのリサイクル置き場に出して
海を見にいった
フロントガラスの向こうに
半島はいた
貨物船は浮かんでいた
水平線が光っていた
海から帰って
ベッドに大の字に眠った
呻いていた
夢なのか
憶えていない
なぜ呻くのか
わからない
ベッドから起きると羽毛布団は身体の形に凹んでいた
身体の形の凹みを見ていた
#poetry #no poetry,no life
今朝
木蓮の白い
花
咲いたよ
モコ
お母さんと植えたね
白木蓮の花だよ
木蓮の花は
モコのようだよ
ふんわりと
白く
ひらいたよ
・・・
** この詩は、
2024年2月28日に、書肆「猫に縁側」にて開催された「やさしい詩のつどい」第2回で、参加された皆さんと一緒にさとうが即興で書いた詩です。
愛犬のモコが、1月2日にあの世に旅立ち、モコを想い、この詩を書きました。
モコの死、パレスチナの人びとの死、ウクライナの人びとの死、われわれの死を、想い書きました。
また、2024年3月3日 15時〜18時に、静岡駅北口地下広場にて、「無一物野郎の詩、乃至 無詩!」第22回としてスタンディングを行い、この詩と憲法前文などを拡声器を使って朗読しました。
以下、資料をご参照ください。
・・・
イスラエル軍の攻撃で3万人以上が殺害されたパレスチナ自治区ガザで、2月29日、支援物資を求めて集まった人々が発砲を受け100人以上が死亡したことが報道されました。 国連安全保障理事会は緊急会合を開き「深く懸念する」という声明に、理事国15カ国中、14カ国が賛成しましたが、米国が反対し、合意に至りませんでした。
ウクライナでもまだ戦争は続いています。
日本では、いま、憲法の基本原理である「国民主権主義」「基本的人権尊重主義」「平和主義」が脅かされ、軍事費が増強され、国内で製造された兵器が輸出され戦争に加担されようとしています。
戦争 やめれ!
すぐ やめれ!
殺すな。
・・・
日本国憲法 前文 読みます。
日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。
・・・
先の戦争の過酷な体験を基盤とした日本国憲法の基本原理である「国民主権主義」「基本的人権尊重主義」「平和主義」を、わたしたちは忘れてはならない。
戦争 やめれ!
すぐ やめれ!
殺すな。
#poetry #no poetry,no life
昼前に
銀行の
キャッシュコーナーで
現金を下ろした
それから
帰って
いくつか
浜風文庫を更新していた
辻さんの赤ちゃんの詩と
広瀬さんのブロック塀の写真を
公開した
午後に
海を
見に行く
クルマで行く
椅子を
すこし倒して
海を見てた
ポットのコーヒーを飲んだ
西の山がいた
灰色の空がいた
この空に
ドローンはいない
砲弾も
機銃掃射も
ない
ミサイルも飛んでこない
鳩たち
寄ってきた
海は
昨日の雨で濁っていた
波立って
いた
午後の海を見て帰ってきた
#poetry #no poetry,no life
墓参に
行った
昨日
女と
行った
義母の命日だった
犬のモコの四十九日だった
雨が
降っていた
アスファルトが濡れていた
墓参の後
女と
蕎麦を食べて帰ってきた
庭には
白木蓮の花が咲いた
白い蕾と花は
空にひらいていた
雨を受けていた
#poetry #no poetry,no life
夕方に
コーヒーをポットに入れて
クルマで
海に出かけた
モコはいない
海がいた
空がいた
雲もいた
カモメがたくさん飛んでいたよ
風が吹いていたよ
クルマのバックドアを押し上げて
その下に
椅子を置いた
コーヒーを飲んだ
それから
0.35mmのシャープペンで
海と空と
雲を
スケッチする
#poetry #no poetry,no life
どこに
いるの
どこに
いったの
きみは
人称をなくした
時計まわりに
まわっていた
白い花
まわっていた
落ちていった
まわっていた
***memo.
2024年2月4日(日)、
静岡「水曜文庫」にて、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」として作った66個めの詩です。
タイトル ”10人称”
好きな花 ”時計草”
#poetry #no poetry,no life
音が
なかった
たいらな
雪原の
うえには
青い空がいた
青いね
青いね
春になったら
梅の花が
咲くよ
青空のしたに
梅の花は咲くよ
***memo.
2024年2月4日(日)、
静岡「水曜文庫」にて、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」として作った65個めの詩です。
タイトル ”冬の青い空”
好きな花 ”梅の花”
#poetry #no poetry,no life
はじめて
会えた
きみと
会えた
ぐらり
回転したわ
あなたが
わたしで
わたしがあなた
匂いを嗅ぐ
血を繋ぐ
血が騒ぐ
忘れない
あなたの歌
忘れないよ
***memo.
2024年2月4日(日)、
静岡「水曜文庫」にて、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」として作った64個めの詩です。
タイトル ”出会い”
好きな花 ”金木犀”
#poetry #no poetry,no life
詩を
読みたいのか
詩を書きたいのか
詩に
会いたいのか
どう
なんだろう
猫のいる
本屋で
ひとと会っている
** この詩は、
2024年1月31日 水曜日に、書肆「猫に縁側」にて開催された「やさしい詩のつどい」第1回で、参加された皆さんと一緒にさとうが即興で書いた詩です。
#poetry #no poetry,no life