星 ☆ ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 60     hoshiko さんへ

さとう三千魚

 
 

ほそい
道を

歩いていった

きみと
歩いていった

花が
咲いてた

子どもらも
ついてきた


咲いた

桜咲いていたね

 
 

***memo.

2024年1月8日(日)、
浜松「八月の鯨」にて、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」として作った60個めの詩です。

タイトル ”星 ☆”
好きな花 ”さくら”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

お一人様 ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 59     yaeko さんへ

さとう三千魚

 
 

ひとり
生まれて

ひとり
死んでゆく

庭には
千日紅が

咲いていた

紅く
咲いていた

わたし
千日紅

抱いていくよ

 
 

***memo.

2024年1月8日(日)、
浜松「八月の鯨」にて、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」として作った59個めの詩です。

タイトル ”お一人様”
好きな花 ”千日紅”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

生き方 ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 58     akiko さんへ

さとう三千魚

 
 

わからないよ
わからないよ

生き方
わからないよ

ガーベラ
ガーベラ

教えて
教えて

わたし

黄色い
花になろう

 
 

***memo.

2024年1月8日(日)、
浜松「八月の鯨」にて、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」として作った58個めの詩です。

タイトル ”生き方”
好きな花 ”ガーベラ(濃い黄色)”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

思い出 ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 57     kazuyo さんへ

さとう三千魚

 
 

忘れた
忘れたの

わたしの花

忘れたの
許さないよ

いつも
咲いていた

庭に
咲いていた

わたしの水仙

咲いていた

 
 

***memo.

2024年1月8日(日)、
浜松「八月の鯨」にて、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」として作った57個めの詩です。

タイトル ”思い出”
好きな花 ”水仙”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

余生 ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 56     toshimi さんへ

さとう三千魚

 
 

咲いてた

たくさん
咲いてた

ひまわり
咲いてた

たくさん
たくさん

咲いてた

余生を
花で埋める

 
 

***memo.

2024年1月8日(日)、
浜松「八月の鯨」にて、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」として作った56個めの詩です。

タイトル ”余生”
好きな花 ”ひまわり”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

還暦 ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 55     ryuji さんへ

さとう三千魚

 
 

初夏
だったか


だった

白い
きみに会った

白蝶草だった

ぼくは
今年

還暦になったよ

また
きみに会いたい

 
 

***memo.

2024年1月8日(日)、
浜松「八月の鯨」にて、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」として作った55個めの詩です。

タイトル ”還暦”
好きな花 ”白蝶草”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

塔 ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 54     yoshimi さんへ

さとう三千魚

 
 

きみは
どこにいるの

さがして
いる

無い
花を

さがしていた

そこに
いた

塔は立っていた

たっていた

 
 

***memo.

2024年1月8日(日)、
浜松「八月の鯨」にて、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」として作った54個めの詩です。

タイトル ”塔”
好きな花  無し

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

声をさがす

 

さとう三千魚

 
 

越せないかと
思った

モコは年を越せないかと思ってた

いつか
雪が降るのを見ていた

日野の駅で
見ていた

ゆらゆら
ゆらゆら

雪は
降りてきた

モコ
ふらふら歩いていった

義母の仏壇の前に
歩いていった

“まんじゅっこ”と義母は呼んでいた

モコ
さがしてた

声をさがしていた
声をさがしていた

モコ
見ていた

モコ
見えないものを見ていた

語るな
語るな

この世に雪は降っていた
この世に雪が降っていた

ゆらゆら
ゆらゆら

降っていた

いつまでも見ていた
歩いていった

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

聴いてる

 

さとう三千魚

 
 

浜松から
帰って

聴いてる

“Into My Arms” *
聴いている

鯨は
いた

珈琲と
音楽と
本と

あればいい

そう
言った

一昨日
horioさん来てくれた

チェロ
弾いてくれた

バッハ
だった

チェロの響きを聴いた

モコを抱いて
眠った

ニック・ケイヴは歌っている

Into my arms, O Lord **
Into my arms, O Lord **

So keep your candles burning **
And make her journey bright and pure **

ともしびだろう

歌は
消えそうだ

だから
繰り返す

歌は無いだろう

だから
繰り返す

無い歌をうたう
無い歌をうたう

 

* ニック・ケイヴの歌曲”Into My Arms”のこと
** ニック・ケイヴの”Into My Arms”から引用しました

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

会いに行った

 

さとう三千魚

 
 

午後に
電車に乗った

会いに
行った

店の前にいた
待っていてくれた

ビートルズが流れていた
ニック・ケイヴを聴かせてくれた

店じまいするのだという
バイクにテントを積んで新潟から北上して北海道に行ったこと
三沢の寺山修司記念館の佐々木さんに会ったこと
南相馬ではその先を断念したこと

話してくれた
話してくれたな

鯨は
いた

そこにいた

帰りの
夜風は冷たかった

ホテルが紫色に立ってた

駅前の
浜松餃子屋でビールを飲んだ

各駅停車で
帰ってきた

 

 

 

#poetry #no poetry,no life