島影 25 投稿日時: 2020年11月27日 投稿者: michio sato 返信 白石ちえこ 大阪 木津川 渡し船 大阪の渡船。 周辺には工場や造船所。川は静か。 どこからか自転車の青年、買い物かごをさげたおばあさん、喪服の女性。 小さな船に一緒に乗りこみ、陸を離れた。 対岸の船着き場はすぐそこに見える。 ほんの数分、水の上。船を降りれば みんなまた、別々の方向に向かってゆく。
島影 24 投稿日時: 2020年10月27日 投稿者: michio sato 返信 白石ちえこ 長崎県 諫早・干拓地 海から平たい陸に向かって風が吹いていた。 ヒマワリが風に揺れながら歌っていた。 叫んでいたのかも知れない。 季節は巡る。
島影 22 投稿日時: 2020年8月27日 投稿者: michio sato 返信 白石ちえこ 千葉県 久留里 城のある町へ向かった日。房総半島旧道。 白い鳥がたくさんとまっている樹が遠くに見えて、近づいてみると鳥ではなくて大きなモクレンの花が咲いていた。 その近くにあった樹は土に埋まった蹄のある動物の頭部にも見えた。 幹がぐんぐんとのびた角に見えたり、または、木肌を押し破って出てきた白猿が東に向かって頭を下げ、手を合わせて拝んでいるようにも見えた。 鏡の中の、もうひとつの国に迷い込んでしまったような奇妙な一日だった。
島影 20 投稿日時: 2020年6月27日 投稿者: michio sato 返信 白石ちえこ 山形県 朝日町 大沼 山岳修験者によって開かれたという、1300年あまりもの長い間、守り伝えられてきた大朝日岳の神域です。 沼を浮遊するいくつもの小さな島々の不思議な動きで国の吉凶を占い、歴代の領主や政権の祈願所でもあったといいます。 時の支配者の願いを叶えてきた神池。沼を囲む森を歩いているとどんどん時間がさかのぼっていくようで、今、自分がここにいる不思議を思いました。
島影 19 投稿日時: 2020年5月27日 投稿者: michio sato 返信 白石ちえこ 愛知県 佐久島 一色の港から定期船で佐久島へ。 地図をたよりに、島のことをよく知らずに渡った。復路の船の時間まで、静かな島を歩いていると草はらに気持ちよさげに草を食む山羊がいて、目が合った。 ずいぶん後になって、この山羊の名はビリーだと知った。 島にはもう一頭、山羊がいて、名はノン、というらしかった。 たしかにのんびりとした島だった。 この写真を撮ったのは2007年。 もうずいぶん前のことだ。
島影 18 投稿日時: 2020年4月27日 投稿者: michio sato 返信 白石ちえこ 鹿児島県 吹上浜 松林を抜けると、気が遠くなるほどどこまでも続く砂浜が広がっていた。 夕方、空は茜色に燃えていた。 南へ飛び去るたくさんの飛行機が見えた気がして胸が苦しくなった。
島影 17 投稿日時: 2020年3月27日 投稿者: michio sato 返信 白石ちえこ 鹿児島県 南さつま市 鹿児島県の最南端。笠沙。 「かささ」というひびきに誘われて訪ねました。 海と陸との境をたしかめに漁村の堤防の先まで行くと、 そこには古い小さな灯台がありました。
島影 16 投稿日時: 2020年2月27日 投稿者: michio sato 返信 白石ちえこ 山形県 鶴岡 朝、鶴岡の町から月山をぬけて山形駅へ向かう。 橋をわたるとき、まっ白なかたまりがゆっくりと川に沿い、上流からおりてくるのが見えた。 車を停めて橋に戻り、山からくだる霧を眺めていた。 十分たらずのうちに霧はあとかたもなく消えてしまった。 なにごともなかったような景色に戻った。