広瀬 勉
東京・新宿大京町?
ひとつやふたつじゃ
足りない仮病の布団は
ふたりが寝る布団。
ふたりが寝る布団。
来客がほしい
ひとつやふたつじゃ
後世に残らない、接触の果てにドレスを着た女。女が歩いた浜辺を、狙う男。男の背中に新しい子がいる。背骨に噛みつく新しい子
、肩甲骨を隠れ場所にしたみたい。
布団の下にはいつもの別れ。が
天才漫画家の筆で
ぼりぼり彫られている
ぼりぼり皮膚が解ける音は、
決して正解の音じゃない。消した子の数だけ擦れる。こすれる、痛いに決まっている。