own 自分自身の

 

朝になる

障子をあけると
窓の外に

西の山と
軒下の

白木蓮のしろい
花が

見えた

窓辺には
桑原正彦の

子鹿の絵葉書がある

子鹿の向こうに草原が
ひろがり

遠くに
白い山脈が見える

いまハクセキレイが
鳴いた

西の山の上に灰色の空がある

 

 

 

ブリュッセルでISのテロで時代の流れが変わっちまう。

 

鈴木志郎康

 

 

ブリュッセルでISのテロがあったす。
トプザリンコ、
2016年3月22日現地午前8時ごろ、
日本時間午後4時ごろ、
トプザリンコ、
22日7時58分ブリュッセル空港の出発ロビーカウンター付近で、
最初の爆発、
自爆。
人々は逃げ惑う。
続いて9秒後、
隣り合うカウンターで、
爆発、
自爆。
人々は逃げ惑う。
更に約1時間後、
EU本部のすぐ近くの、
地下鉄マルベーク駅での
車内で、
爆発、
自爆。
人々は逃げ惑う。
日本人2名が巻き込まれ、
重症と軽傷。
トブザリンコ、
自爆したテロリストたちは、
ベルギー育ちでも、
ベルギー人として、
生きれなかったっすか。
トブザリンコ、
ベルギー人を敵にしたっすか。
トブザリンコ、
めめへあか、
ベルギーのブリュッセル、
行ったことないっす。
トブザリンコ、
めめへあか、
俺っち、
3月22日の午後4時ごろ、
家のベッドで、
相撲のテレビ中継を見てたっす。
さあ、これからお米研いで、
電気釜のスイッチ入れるっかって、
思ってたっす。
トプザアアアリンコ、
ゴンブロビッチャンコ、
ビッチャンコ。
この時、
ヨーロッパから日本まで、
怒りと恐怖の風が吹いて来たっす、
時代の流れが大きく右に変わって行くっすね。
ビッチャンコ。
二日後の朝日新聞3月24日朝刊に、
「ベルギーテロの衝撃」っちゅうタイトルの一面で、
北海道大学教授 吉田徹さんが語っているっす。
「すでにフランスでは、憲法改正の議論が進んでいます。
国家非常事態を条文に盛り込み、
テロに関わった重国籍者から国籍を剥奪できるようにするのが主な内容です。」
「安倍晋三首相は、憲法に緊急事態条項を盛り込む必要性を強調しています。」
ゴンブロビッチャンコ、
ビッチャンコ。
トプザリンコ、
ヨーロッパからの風に晒されても、
とにかく、俺っちは生きてるっすね。
前立腺癌になってるっす。
クスリ呑んで詩を書いてるっす。
麻理は難病だけど、
友人地域交流の場の
「うえはらんど」をやってるっす。
ゴンブロビッチャンコ、
ビッチャンコ。

議員の数合わせの
国会議事堂の中と、
今日も、
麻理と二人で
テレビ見て笑ってる
俺っちの家の中と
すげええ開きだっす。
ビッチャンコ、
ビッチャンコ。

 

注:爆発時のことは朝日新聞による。