広瀬 勉
東京・杉並界隈。
それならいっそ
右足を切って食っちまったらどうかね。
ウッワハッハ、ワハハ
またひとり、
成功したら論文に書かせてもらうよ。
ウッワハッハ、ワハハ。
なんという医者どもだ。
蛸じゃあるまいし、
そう思っても、
患者の俺っちはひたすら拝聴。
脳内は蛸足配線、
こん畜生ッ。
ハッと目が覚めた。
真夜中の二時、
二本杖でよろよろと
ベッドから
立ち上がって、
トイレに行く。
四時過ぎに目覚めて、
よろよろと
テーブルの椅子に座って、
明るくなって行く、
庭の
アジサイの花たちを見る。
思いを、
抑えよ。