旅日記

 

みわ はるか

 
 

先日、小学校の同級生2人とともに旅行に行った。目的地は淡路島と姫路。電車と新幹線、高速バスを乗り継いで行った。

明石海峡大橋は大きかった。想像以上に大きかった。海からの高さも高く、落ちたらきっと助からないだろうと思ったら少しだけぞっとした。淡路島は快晴だった。渦潮を見るためのフェリー乗り場にはちょっとしたお土産屋さんがあった。いたるところに玉ねぎを使ったお菓子やスープなどがたくさん並んでいた。玉ねぎが有名だとは聞いていたけれどこんなにも推しているのには驚いた。時間になったのでフェリーに乗った。潮のにおいが鼻につんときた。海は青いというより鮮やかなグリーンだった。渦潮は吸い込まれるような美しさと迫力があった。海風は気持ちよかった。

古民家を改装したような民宿に泊まった。女将さんはとても親切な人だった。隣との壁は薄かった。大学のサークルらしきメンバーが泊まっていたようだった。とても騒がしかった。お酒を飲んだ。たくさん、久しぶりに飲んだ。3人だけが知る昔話は秘密の共有のようで嬉しかった。わたしたちはもうわたしたちだけで旅行に行ける年になった。お酒を飲めるようになった年もずいぶん前に通り越した。もうこんなに楽しくゲラゲラ笑いながら過ごす、この3人の夜はきっと来ないだろう。結婚する人がいるだろう、転勤で遠方にいく人がいるだろう、色んな制約がたちはだかるだろう。お互いそれをわかっていたから、ずっとこの日が続けばいいと思ったはずだ。

翌日は生憎の雨だった。各々好きな色の傘をさした。小学生のときは黄色の傘でないとだめだったことを思い出した。あの時は後ろから見たらみんな同じに見えたっけな。
姫路城はやっぱり白かった。天守閣に登るのに1時間もかかったけれど、けっしてお城に興味があるわけではないけれど、確かな感動を味わった。だから世界遺産なんだなぁ~と感じた。

帰りの新幹線はあっけなく地元の最寄り駅に着いた。別れの時間だった。貴重なこの時間をかみしめながら手をふって別れた。また行こうねとは誰も言わなかった。それがなかなか難しいことをお互い分かっていたし、社交辞令を言うような間柄ではなかったから。それが逆に清々しかった。

雨がいつのまにかやんでいた。雨水で少し重くなった傘をぷらぷら揺らしながら帰路に着いた。