たなばた

 

長田典子

 
 

すき、
という気持ちが
波のように
おしよせて

ふいに
ひとつ

わたし
のなかに
あなた

外は雨
バラ、バラ、と
屋根を
うちつけ

おりひめ

ひこぼし

せまいアパートの
シングルベッドは
天の川になりました

ふたりは
そのまま
じぃっと
うごかず

ひとつ
でした

しちがつ
なのか

ことです