鈴木志郎康
麻理が笑った
笑っている
隣のベッドで
テレビを見ていて
芸人の言葉に
声をあげて
笑っている
笑っている
その声に
わたしは
急に
奥深い
悲しみに
襲われる
何時か訪れる
進行性難病の
麻理が
いなくなったときの
悲しみの
前触れだ
麻理が笑った
笑っている
隣のベッドで
テレビを見ていて
芸人の言葉に
声をあげて
笑っている
笑っている
その声に
わたしは
急に
奥深い
悲しみに
襲われる
何時か訪れる
進行性難病の
麻理が
いなくなったときの
悲しみの
前触れだ