紫陽花の花はいいなあ

 

鈴木志郎康

 
 

紫陽花の花が
咲き始めた。
毎年庭のコンクリートの塀ぎわに咲く
紫陽花の花が
まだ緑色の小さな蕾の隣に、
もう薄紫に色を変えた
大きな花が重く揺れている。
朝方
朝食の後に眺めて
ベッドに戻る。
昼食の時
テーブルに起きて
紫陽花の花を
昼間の日差しに眺める。
日暮れには、
またベッドから起きて
暮れなずむ光に
また眺めて、
紫陽花の花との
一日が終える。
その後に夕食。
紫陽花の花は
いいなあ。
って、言葉にして
言ってしまうと、
ただ眺めてるときの
気分と
ちょっと
違ってしまう。
面白い。