雷雨の朝に

 

かみなりがなってた

めざめたとき
かみなりが

なってた

雨が
屋根を叩いてた

きのう
眠るとき

両腕をひらいて眠った

鳥になろうとしたのじゃない
眠るとき

いつも
沈んでいく形をさぐる

闇のなかで
女の掌に触れた

すぐに沈んでいった

沈んでいくときに見る景色もあるだろう
忘れてしまう

きのう
工藤冬里の詩に

“私達は誰であれ、ボロアパートに住んでいる”
“バックネットから我を忘れて覗き込んでいることも出来るだろう”

という歌があった

帰ってきた
男の

歌だろう

めざめたとき
かみなりが鳴っていた

階段を降りていくと

モコは激しく全身を震わせていた
雷雨の朝にかみなりがおさまるまでモコを抱いていた