人世万事不要不急

 

佐々木 眞

 
 

鎌響「春のコンサート」は不要不急
物見遊山は不要不急
テレビと映画は不要不急
後期高齢者は不要不急
歌舞伎も能も不要不急

アゼルバイジャン終わった
ベルラーシ終わった
ウズベキスタン終わった
エジプト終わった
エリトリアも終わった

冠婚葬祭は不要不急
学校のお勉強は不要不急
会社の仕事は不要不急
「不要不急線」は不要不急*
コロナ特措法も不要不急

赤道ギニア終わった
カザフスタン終わった
ルワンダ終わった
スーダン終わった
ベネズエラも終わった

大相撲春場所は不要不急
高校野球は不要不急
プロ野球やJリーグは不要不急
マラソン大会は不要不急
オリンピックも不要不急

カンボジア終わった
カメルーン終わった
チャド終わった
ビルマ終わった
キューバも終わった

町内会は不要不急
新築住宅は不要不急
国会審議は不要不急
不倫や性交は不要不急
煙草も薬物も不要不急

サウジアラビア終わった
イスラエル終わった
北朝鮮終わった
アラブ首長国終わった
ウガンダ終わった
ジンバブエ終わった

「桜の会」は不要不急
自衛隊中東派遣は不要不急
「検事総長人事」は不要不急
自公維新は不要不急
安倍蚤糞も不要不急

日本終わった
アメリカ終わった
中国終わった
ロシア終わった
英国も終わった

国家権力不要不急
人間存在不要不急
人世万事不要不急
譬え宇宙が終焉しようとも
喰う寝る放るが一番大事

日本が終わり
私もほとんど終わっても
生きていかねば
喰う寝る放るで
生きていかねば

 

*「不要不急線」とは、日中戦争から太平洋戦争に向かう最中の1941年8月30日以降に、政府の命令により線路を撤去された鉄道路線のことである。その目的は勅令第970号による重要路線への資材転用、もしくは勅令第835号による武器生産に必要な金属供出であった。(byウィキペデイア)

 

 

 

幸福な夢

 

涛瀬チカ改め神坏弥生

 
 

オレンジ色の陽光と闇がまぎれあう大曲時

私たちは公園で、立って話していた

私たちの子供だったかもしれないし

私たちの子供の知り合いの子供だったかもしれない

何度も、何度も

赤い小さなバケツにスコップシャベルで

「いっぱい」、「いっぱい」砂をつめて

ひっくり返す

「ウエディングケーキ作ったよぅ」

 

「もう一度、結婚しよう」

 

その上の周りに小さいキャンドルを丸く並べてゆく

キャンドルに火を付け終わったら

私たち二人でふーって、ぜんぶ消す

それから私たちは暗闇の中で

誓いのキスを交わす

 

薄闇の中を手をつなぎながら二人の家に帰る

 

僕は、君とそれから、愛をした

かつて君がそうだったように

僕も安心して還っていった

君の無邪気な眠りの中へ

指をつなぎ合わせて

幸福な夢を見れるように