原田淳子
刻まれることない
墓のしづけさで
蕾を数える
薫る朝までのゆめ
/
石の光の反射に過ぎない星の位置に
人型を紡ぐのが翻訳だとしたら
温度のない無機物に
もしかしたらVirusにさえ人型を求めるのは
人は断絶を恐れているからでしょうか
翻訳が断絶の治療薬でしょうか
それとも
流れてゆく人型を忘れぬための.
/
横ではない縦の階層のオーロラ
滝を横滑りする
意味を翻して
遠近法は、距離
星々の摩擦
向きは光速の逆位置
意味を反射せよ
/
逆さまの滝に
彼方の横顔を描く
いないあなたは
いないわたしの反射
倒れているのは塔ではない
流れいる船
小動物たちが温めあう
声だけが
彼方に反射する