工藤冬里
最後に一言いいですかあ▶は新聞読めるだろうからきっとコロナのことだったと思う▶最初から言ってくれればわざわざ自分がやらなくてもよかったのに▶ほんとは知ってたんでしょ▶と
eighteen▶and dreaming
東の人は分からないだろうけどjoyfullに黒豆茶がなくなったのは許せない▶代わりにドリンクバーにはピーチティーというのが入っているがそんなの飲まないよ▶徹夜してる人種には黒豆茶の優しさが必要なんだ▶ファミレスのホームレス▶スレを立てたらフェミにはマジレス▶psfはプロレス▶太ったロックンコレステローラー▶ニールヤングはホープレス▶スペイン人かゴンザレス▶日航レスキュー坂本九▶下着はなんとシームレス▶レスザンゼロのキャッシュレス
歌のラインより高い音程の伴奏には三味線の音色が自在で特権的である▶耳は声と弦を同時に聴くが我々は弦を無意識に虫の音と同列に置く▶ギターだと二人格を聴くことを強いられることになる▶フォーク野郎のギターが凡庸なのはギター人格を押さえ込もうとするからである
道連れ
NullPo▶guts
ルルは非道い物語だ▶ベルクとしては中の人だから見えないんだろうけど▶まあ殺されて終わるから帳尻は付くが
夢はオールスターだった▶客商売の人の夢には客が出てくるんだろうか▶その人にも毛根があるんだと思うのも気付きと言う乎▶明け方 そんなには寒くなかった▶突然 チビ太はママになりました と口を突いた▶東から素直なメッセージで▶ハーネスではまめに換気して声は使わない▶とあった
hey Zach, is being in Europe no longer able?
春は春とて夜は夜とて単管の▶音色の栄誉に与れば▶師とは呼ばれぬ揚雲雀▶上がり下がりの寒暖を▶鳴かず飛ばずの興行の▶見えぬ掟に震えつつ▶筆舌尽くしてWiFiの▶見えるウィルスに乗せましょう▶見える電波に乗せましょう
ウィル・スミス▶ミス・ウィルス
〽︎神戸 泣いて どうなるのか▶感染された我身が みじめになるだけ▶神戸 船の灯うつす▶濁り水の中に 靴を投げ落す▶そして ひとつが 終わり▶そして ひとつが 生まれ▶夢の続き 見せてくれる▶宿主 捜すのよ▶〽︎神戸 呼んで感染る店か▶傷ついた免疫系が みにくくなるだけ▶神戸 無理に足を運び▶眼についた名もない 花を踏みにじる▶
そして ひとつが 終わり▶そして クラスターが 生まれ▶誰か うまい 嘘のつける▶バンドマン 捜すのよ
そして埼玉
着々と進む花見の準備
マックの店長やってる夢みた
はなれ瞽女おりん▶ピック▶を▶ニックに▶ぴくっ▶憎い
くるしみぼろぼろ▶くるしみほかほか▶くるしみふわふわ▶くるしみしゃきしゃき▶くるしみはぐはぐ▶くるしみギィーンギィーン▶ビールをストロングゼロに変えるようにかなしみはくるしみに変わったのだ▶くるしみによって認知の進行を防ぐ
ロックダウン
アーカイブ化に沈潜し春を軽んじる
耳障りなプロコフィエフは終わりの時になお稼働するATMのようだ
夢見たものは ひとつの幸福▶だとか▶〈私には 何が ある?〈私には 何が ある?▶だとか▶誦じているが▶〈それが何になるのか▶深夜のファミレスで▶不味いカフェオレを飲んでいるおれ
A列車のテーマの繋ぎ目は地下鉄のドアの開閉だということにやっと気付いた▶ということはハーレムの手前の各駅に対応している筈だ
即興をあるべき位置に置く、とか言い続けてきたわけだがこれでやっとわかっただろう一番大事なのは音楽でも自分でもないということが
ビーツなら栽培してもいいかな
小学生まで「これまでの人生を振り返って」などという作文を書いて自らのアーカイブ化に勤しんでいる
今頃は長野の盆地の夜景が綺麗だろうな
朝一番早いのは▶寝てない屋のおじさん
闇はシームレスなので闇だらけという用法は当たらない▶それに対して光は光源の数だけ存在しうる▶闇は打ち勝つことができない
安全は平和とセットの二番手で目立たなかったのがここに来て平和より先に浮上してきた▶戦争する力はなくなるので終わりは安全だ平和だという宣言から始まる▶安全は平和より上に来るということに気付かなかったのは氷河期の狭間で安寧を貪っていたからであろう▶ここに来て玉置浩二が浮上してきた▶安全バンドてのもいたな渋谷屋根裏で▶絶対安全剃刀という漫画もあった▶今やジジェクもウェルベックも残雪もアイラも「安全」という本を書いている筈だ▶鉄コン筋クリートのシロもクロをあんしんあんしんと宥める代わりにあんぜんあんぜんと言うようになる▶人間が結束して何かに立ち向かおうとするとき人類は滅びる▶映画を観るということはその反対のプロパガンダに晒され身体にそれを刷り込まれるに任せるということだからウィルスと一緒である▶アナーキズムは平和のみに、アンチナタリズムは安全のみに対して考え出されたカウンターでしかない
▶
突然のあつまれとびだせどうぶつの森会議に唐突な胸肉のアップ
下付きの顎の鮭に生まれた方が良かった
どの子も可愛いは嘘ね
英語の発語の愉楽は即興では出来ない
問題は毛深い
法的に納車し廃車にする残酷な春を
輸送の菜畑に賭ける
正当性は得てしてこの平野部を覆う故に
人の傘は小さすぎる
小さい傘が百円皿に張られて
キッズはココアを舐める
溶血の空はみどりの聚楽壁に映り出て
鎖付き眼鏡は幾度も死を乗り越える
黒い鞍馬天狗が六本木ヒルズのように聳え立って
前屈みの俳優は雪達磨型のアイコンを呼び寄せる
梯子を上り下りする水のやり取り
成り行きで工事する粘土の庭
広い天蓋を張れるなら
殺意は無縁のままだ
はだらのほどろのまだらが火のついてないストーブから立ち昇る
家に来る豹がコロナに罹る
クラスターはエメラルドの空のなかで溶血する
灯油を買えず氷を買うエスキモー
道路の写真の灰色を眺め続けてアーカイブを完成させる
胸肉がそんなに分厚く取れる鶏って一体どれくらいの大きさなんだ
鮭だったら良かった
下顎を突き出して高潔さを捨てず海を泳ぐ
積算で支える赤いメンテナンス
秘蔵の笑顔の灰色写真を眺め続ける
善意をダウンロードして敵意をアップロードする
誓うことができないラクダが
フィットネスクラブで体調を崩した
気取って泳ぐ太平洋
泳ぐ能力は否定しようがない
イクラは何の子ですか
鮭の子なのであれば何故イクラ丼はサーモン丼より高いのですか
監視拒否より安全を選択する時に人間社会は終わる▶戦争などでは世界は終わらない▶安全によって終わるのだ
いろいろと考えたことはすべて無駄に終わるだろう
こども電話相談室を流していたらブラックホールでは点も潰れている、と聞こえてきた▶点が潰れるということは抽象概念が潰れるということだからそりゃすごいなと思った
幻影が見えるまで起きていると恐怖心から本心に立ち返ったと誤解することがある
▶
泣きの寂(サビ)にストンと落ちるマイナーの
窓枠から眺める春の写真
どの春も同じだった
取り返しがつかなかった
菜の花は咲く前に
蕗の薹は伸びる前に
柿の芽は太る前に
採らなければならなかった
眺めせし間に世は過ぎた
区切られた枠の期間を黒いカーテンが仕切った
その枠の中で倅に説明しようとして
光合成の頭を磨り潰す
白犬連れた二人
白いミニバン
フレームの中の動画の道に
注入され続ける桃花
道作りの倅に死なれた
損失に
補填され続けるペースト
同じ写真を削除し続けると
どの春も悔しかった
チューブは悔悟を出し切って
今年も炎が芽吹いた
擬古典様式を装って
教えようとする春休みの垂直抗力
願わくば花の下にて春死なむあの如月の望月のコロナ
網戸の声がにちゃにちゃして
化調で育った焼きそばの記憶のような確からしさ
そう、蓋を取り、
水に証印を押す
これはコックピットのように鮮やかだ
色のない旗が振られ
濃い落ち着きと重量と
エフェクトのない竹林の静止
わたしの羽搏きさえも捕らえられた
招待の鉄の甲羅が張り伸ばされるのは胸か頭か
最早地上でこのフレームを見る気は失せる
風は何処から再び生まれるのか知らないのであれば
風を問うてはならない、とは逆北條だ
いわれを問われる→ぬはよい。問われるままに、こたえる→ぬ都であったから。笠をぬぎ、膝へ伏せて答えた。重ねて北條と。
石原には城の石しか見えなかったのだ
このテントの垂直抗力
早く脱ぎ捨てたいわけではないが
別の服を着て命にのみ込まれたい
赤い薄い手を拡げ
知り得ぬ空を