We should so act that we have nothing to regret.
私達は何も後悔するようなことがないように振舞うべきである。 *

 

さとう三千魚

 
 

take my dog

sometimes I go to stare at the sea

last sunday

in the afternoon
I went to the sea

I put my dog in the passenger seat of the car

my dog likes to ride in the passenger seat

drive the beach together

holding my dog
from the jetty

I was staring at the sea

the waves were rushing

the waves were rushing over and over

there were no same wave as one

the waves were breaking from the other side of the world
the waves hit the tetrapod and shattered white

We should so act that we have nothing to regret *

 

 

犬を
つれて

たまに海を見にいく

この前の
日曜日も

午後に
海を見にいった

車の助手席に犬を乗せていく

犬は
助手席に乗るのが好きだ

ふたりで浜辺をドライブする
犬を抱いて

突堤から

海を
見た

波は打ちよせていた

波は
何度も

打ちよせた

ひとつとしておなじ波はない

此の世の向こうから波は打ちよせていた
波はテトラポッドにあたり白く砕けていた

私達は何も後悔するようなことがないように振舞うべきである *

 

 

* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

 

道 ケージ

 
 

くだよくだ
くだしてくだす
管をどうする
そこじゃないから埋め戻す
傾きを生きて
くだよくだくだらなくてぐだくだ
あなれんぞくあなつなぎ
上が入り口、下が出口

てめえ、竹輪だろ
そんなに無理に入れないで下さい
胡瓜、チーズ、キムチって
やめて さける いたいって

くだんしたくだるやすくにのさか
くもるからくるうくらし
くにもくじらもくちて
くずしてくぐるくやみくらやみ
くれないのくりいりくずゆ
くまくさいくそして
くきのはしょくしてくるう
くるくるくるっとる

 

 

 

I’m Thinking of Ending Things

 

工藤冬里

 
 

感染は内側が滑子になって
顳顬からぐしぐしと人が死ぬ
と百舌が語り掛ける

カキエダという名前だった
尖らせた口の定着したまま老いた
鳥が無くことにさえ気付かず
山火事を避けて歩くだけ

濡れたアスファルトに五円玉が浅く水没している
さざなみが立つ
巌谷小波

死は遺伝に似ている
ピグメントでは真理は表せず
学識ではなく理性が必要で
それは逃亡するヒムラーに追いつく
と鷺がゆったりと叫びながら湖面を征く

 

 

 

#poetry #rock musician

今日の謎めき Ⅱ

 

南 椌椌

 
 


© kuukuu

 

Ⅱ—1

久しぶりに身辺が謎めいている
ささいなことだが
郵便ポストに、待ち人の手紙が入ってこない
携帯もパソコンも持ってない
はるかな男、ソンソンムからの
月に一度の、愉快なハガキや封書が
もう二ヶ月届いていない
これは不吉の兆候だな、なにかがあったのだろう
ソンソンムは、遠い北の山中雲間に住んでいる
病気でもしたのか、雲から墜ちて意識を失ったままなのか
それとも、ときおり訪れる朧気(おぼろげ)の病か
いまは訪ねることも適わない
まずはこちらから、切手を選んで封書を送った
二週間経って返事がなかったら
この謎めきは、不吉の図星が当たったことになる

いやいやたぶんこうだろう
ソンソンムは雲の上で、パンソリ歌っている
彼のパンソリは無上の響き、有情の深み

空0ひがないちにち へんげんむげん
空0くものながれに たゆたいおぼれ
空0またさおさして ぱんそりうたう

空0コロナの不安は日々の衣装だな
空0ソンソンム 無事ですか 返事チョーダイ

これだけ書いて投函した
ひとまず今日の謎めきはやり過ごした
しばらくは、歌えない歌を歌って、待っていよう   ✶
 

Ⅱ—2

今日の謎めきはメヒコ
別件の郵便がポストに入っていて
カーヤのむすこのソキチが
笑顔のハガキを送ってきた
メヒコに住む父ちゃんのクーニョ真似て
恥ずかしげに笑ってる顔に、マジックで髭
ソキチは幼い頃から、厭うことなく
上州太々神楽を舞っている

コロナの不安は日々の衣装だな
ソキチは今年父ちゃんクーニョに会えない
徘徊好きの銀細工師も街に出られず
仮住まいのタオ鍼灸院の作業場で
そろそろと72歳を迎えた
フライパンで謎めきのタコスつくって
職人だから、整理整頓片付けは得意

クーニョは、小学生の父ちゃんにしては爺さんだ
でもソキチ、父ちゃん面白い人生の人だよ
メヒコの闇も光も、そこそこ知ってる
あるとき、サポテカの土偶の脇の下くすぐって
土偶が笑い転げて、粉々にになった
人生の曲がり角過ぎた大人が
そんなことするか、土偶をくすぐるなんて
あり得ないよね、クーニョあり得ない
巨人ディエゴ・リベラが見たら、あの太い手で
逆に脇の下くすぐられて、すね毛むしられて
素っ裸にされちまうだろう   ✶✶

クーニョはあきらめの達人のような顔
瀬戸なまりのスペイン語をあやつり
時が過ぎて、往々(おうおう)の喜び悲しみ
心躍りの頃合いも、来々(らいらい)過ぎて
父ちゃん80になれば、ソキチはハタチ
一緒にオアハカのメスカル飲めるだろう
オレも絶対ご相伴にあずかる
父ちゃんクーニョ、長生きしてござれ

コロナの不安は日々の衣装だな
メヒコだって、もう仕方ないの領域にさしかかって
クーニョ、小さなまなこ見開いて
謎めきの懐かしいアルチザン
練達の上ゆく、妖しいなぞめきの手つきで
いつにも増して、繊細華麗にシルバーと戯れる
トラクァチェ トラクァチェ と呟きながら   ✶✶✶
 

Ⅱ—3

コロナの不安は日々の衣装だな
今日も謎めきは揺れて
机の上では木喰上人が笑っている
ピンナップは木喰さんだ
右目つぶってウィンク、頬のまるさ
地蔵菩薩の背銘梵字は読めない
だれそれの喜捨で、季節またいで食いつないだ
だれそれに向けて、その恩を記したのか
六十六部回国聖というのだそうだ
ありがたいことだ なんまいだぶ
ひたすら山野僻邑、人の住むところを回ったひじり
誦んだお経がなんだか僕にはわからん

空0人生なるようになるさ なんまいだぶ
空0まあまあでいいだろ なんまいだぶ
空0そんなところだろう なんまいだぶ

いやいや、そんなはずない なんまいだぶ
まるで木喰上人の謎めいたウィンクに
してやられてるみたいじゃないか
 
タモの枯木の皮剥いで、仏さん彫り込んで
椎の実磨り潰して、ズタ袋にいれて
頭上に載せて飄々と、風見て夢見て歩く
昔のことだ、疫病退散祈願はつねのこと
村から村へ、哀しみの連鎖を見て歩いただろう
木喰さん、虚しさをどう慰めていたのか

100年さらっと円空さんとすれ違ったか
謎めいているなあ 大股で歩く 
幾星霜の落ち葉踏んで
仏師行脚の表裏を滑って、謎めきの川べりで
煙管吹かしてチベットの方を見ている
するとあろうかことか
雪の国からの老若僧侶が
遠い眼差しで二人、三人通り過ぎる
赤い裳裾ひるがえして
何処へ 何処へ 何処へ

コロナの不安は日々の衣装
今日もつつがなく、謎めいていた    ✶✶✶✶

 
 

✶ 後日、ソンソンムから来信あり。山中雲間のさらに奥の雲海ハウスで、甘酒とそば粉だけで独居三昧、友思いつつパンソリ歌い、stayhomeしていたとのこと。パンソリは韓国の伝統歌唱、かすれ声果てしなく吟ずる。

✶✶ クーニョ、申し訳ない、たしかにあり得ない、キミはそんな男じゃない、僕の妄想。

✶✶✶ トラクァチェ オポッサムという名でも知られる、南北アメリカ大陸に生息する有袋動物。背中に何匹もの子どもを載せて移動する。

✶✶✶✶ 木喰上人についてもあれこれ妄想するのが好き、上人ご寛恕を。

 

 

 

We are all in daily pursuit of happiness.
私達はみな日々幸福を求めている。 *

 

さとう三千魚

 
 

The day before yesterday
Yesterday

today

With people
With people

I was among people and little people

There are people there

I found that each one wanted happiness

Each one is looking for happiness

This happiness and that happiness may melt together

Solidified
I sometimes bumped into it

Adults too
Children too

I found they wanted

I’m here
Touch the person next to you

When will I be pleased with that person’s happiness?

Solidified
Crash

I’ve always seen the sea and the sky

We are all in daily pursuit of happiness *

 

 

おとといと
きのうと

きょうと

人と
人と

ちいさな人たちの
なかに

いた

そこには
人がいて

おのおのが
幸を

求めていることがわかった

おのおのが幸を求めていて
この幸とあの幸は

溶けあうこともあり

固まって

コチンと
ぶつかることもあった

大きな人も
ちいさな人も

求めているのがわかった

ここにいるわたしが
となりにいる人に触れて

その人の幸を喜べるのはいつだろう

固まって
コチンと

ぶつかって

いつも海と空を見てきた

私達はみな日々幸福を求めている *

 

 

*twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

メタフィジカル・ディスタンス

 

工藤冬里

 
 

遂に消したな
扇風機の
風は必要だが 
嘘の体

冷ましてしまうから 
その向き
は巧妙にずらして
オトシイレようとする
押入れトイレ情報
によって 二世帯

冷えすぎないようにしている

公正なアカウント
の距離
について迷った時

悪を行う群衆
についての用語
を作ることに力強い者たち

付いていかないようにする

顔を出せない
プロフィール
の死者たち
を死者として気遣うアバター

あゝ福田くんは死んだ
と言わせる

送信イツダツする前に
ヨビモノとなっている同調圧力
のアロンに吹く風の流れを思えば
貧しい人の争い
も相手によって目線が変わるので
外国人の気持ち
が分かるきみは
目を半沢直樹みたいに大きくしてはならない

アロン・アゲイン

あゝ白髪なのに十年前からまだ生きている
心を働かせて
なよなよと吹く風の中でマイケルは
モーセの体について効率的に論じ合う

貧しい人や立場の低い人や弱い人が常に重要なので
新しい眼付とマイケルの髪型で法規を読む

敵対者を手伝うこと
について考えると
賄賂を受け取る気持ち
が分かってしょうがない
菅義偉官房長官はボードレールの髪型にしないといけない

土地を休ませなければならないと思うが
野生動物の気持ち
を朝まで聞き逃す

空き地には木を植えるので
親のない子が休めるようにしたい

洞窟は掘らない
金は隠さない
黒いレクサスは買わない

心配事を話すと優しくしてもらえるので
寒気を感じる部分の賄賂をシャットアウトした

悪意の無い中傷の肩幅
話したい衝動

もしおれがちゃんとしていたら
きみに怒っただろう、

でも自分の落ち度によりおれは
今の時期の扇風機くらい無力だ

目を閉じるとフレームが見える
タレルのopen fieldのように 見慣れた四角ばかり

フレームの中では離れれば離れるほど近くなっていくように見える

不意に
死者との距離
を忘れさせるサンフランシスコの
山火事
フレームのない山火事は宇宙からも見えた
きみの削除痕はきみの外からも見えるだろうか

居なくなったきみの近さの中へ
秋の扇風機はなよなよと風を送る

 

 

 

#poetry #rock musician

安息日的光輝一一

 

Sanmu CHEN / 陳式森

 
 

在屈身之中

哀號的馬帶矛離開了格洛尼卡,
離開了夜的油麻地;
一地的哭,基礎了雨的勒痕。
這麽深,勒痕,花朵!
這麽多的祖國各自爲難……
釘子,淚珠,注射器
這麽多的花朵。
高壓水炮車清洗藍色,
詩篇越發暗淡,我
大雨滂沱。
市場的內臟開始衰腐;
糧食的日子荒凉,限聚餐桌。
落網之魚爲佛陀洗足,泥石濁流!
在屈身之中,格洛尼卡的馬瀕死。
黑前線,捲旗,
群鼓律動成我們的心跳。

鮮花已將鮮花交給了鮮花

空白空白空白空白空8月2O日21日被拘羅湖週年。首句摘自保羅 . 策蘭《安息日》未句。

.

 

 

・翻訳はこちらで
https://www.deepl.com/translator

 

 

 

Not a day passed but he thought of his mother.
彼が母のことを思い出すことなしに一日も過ぎなかった。 *

 

さとう三千魚

 
 

almost anything
she didn’t tell me

she was just looking at me silently

words of caution and rebuke
I have never been told by her

almost
I don’t remember

I think she told me to be a cute person

leaving home when young
I couldn’t be a cute person

she may have been a cute person

she shed a tear
and died

Not a day passed but he thought of his mother *

 

 

彼女は

ほとんど
なにも

言わなかった

ただ黙って見ていた

小言や
叱責の言葉を

言われたことがない

ほとんど
記憶にない

可愛い人になりなさいと言われたようにも思うが
若いころに家を離れて

そう
なれなかった

彼女こそ
可愛いひとだったかもしれない

涙ひとつ流して死んだ

彼が母のことを思い出すことなしに一日も過ぎなかった *

 

 

*twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life