intervened

 

工藤冬里

 
 

新しいローソンがトラックを五台停めて浮かび上がっている
ラジオからは魔王が流れています
攻撃にさらされている
シューベルトのように

わたしは失敗している
動画をスローのスクリューにすると
勝手に明かりが点い たりする

やばい
やばい
やばい

父が音を立てて見回る
ランドリーはばかでかい

顔を
消去してゆく
センターラインを超え
身動きを取れなくしてゆく
目玉
携帯がびーびー震える

僕はあの温泉が嫌いだ
菌がいっぱいで

ファーター!
ファーター!
魔王が見える!

それはおまえに隙があるからだよ
たかのこの湯はちんころの湯だよ
黄信号が点滅する吹雪の道で
音を立てて見回る

くめの湯に向かうよ
BOSSの自販機があるから
地球だと分かるよ

 

 

 

#poetry #rock musician

受話器より 雁の鳴き聞く ビルの窓

 

一条美由紀

 
 


踏みしめればガシャガシャと
音がする気持ちを隠し、
今日もなんとなくやり過ごす。

 


足元は霞空
柔らかい繭はポコポコと生まれてくる
わたしは多分そのうちのどれかに入ってる
行こうか、
行こう

 


遠くに住む母との電話
ご飯は食べた?
薬は飲んだ?
毎日同じ会話を繰り返す。
認知症の母にいつもと違う質問すると、
意味がわからなくなって、あ、誰か来たと嘘をつく。
母の世界は徐々に小さく硬くなっている。
小さくなる世界は、輝きを内に秘めて
いつか放たれるのだろうか。

 

 

 

Keep off the grass.
芝生に立ち入るな *

 

さとう三千魚

 
 

money

and traffic
called the plague

realization of global society
called the plague

humans have no choice but to dive into an old pond

the lawn is a prison

I on the green grass
lie down

I dress up
lie down

I became a cultural illusion

Keep off the grass *

 
 

貨幣と
交通が

疫病を呼んだ

地球社会の実現が
疫病を

呼んだ

ヒトは
古池に

潜る他ない

芝生は牢獄だ

緑の芝生のわたし
寝そべる

着飾って
寝そべる

わたしは文化的な幻影となった

芝生に立ち入るな *

 

 

* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life