いのちとの別れについて思うこと

 

ヒヨコブタ

 
 

こころのなかに
降り積もっているかつての
命あったひとたちのことを
おりにふれ思う

じぶんよりうんと若い命との別れがあった
それを悔やむより
よく頑張ったよと
いまはそんなこころもちで

幾人かの友人が世を去ったとき
それはまだ見えぬ未来に変わる
じぶんのなかで
そのひととの細かな会話や
すこしのエピソードがわたしを慰めるから
まだ生きていかねばならぬのだと
強く強く思わされてきた

なかには
とても酷い人生のように見えるひともいた
生まれ変われたならきっとと思う
にこやかにただふつうに
生き返ることを願う

そういうことを
すこしずつ共有できる僅かな友がいるのは
めぐりあわせとしか思えぬこと
大量消費されるようにたいがいは忘れるひとのなかでは
わたしは
黙する

美化することもなく
蔑むこともない
皆がいつか行く道の
そのひとつでしかないのだろうと
わたしは再び
ことばを探しに
潜っていく
深い深い水のなか
高い高すぎる空の上に
ことばを這わせて