なったらしく

 

道 ケージ

 
 

脱皮しようと
もがく
すでに手はなく
脱ぐのは苦労

体液がひどく臭い
うまく脱げない
また嫌われちまうな
「生理的に受け付けらんない」
アクアラングの脱ぐより
ツラい
脱いでも一緒

足は何やらバタフライぎみだが
すでに足なく
妙にばたつく
これ脱皮じゃないよ
呑まれる途中
もがき出てんのかも
まぁどっちも同じ
消化されたらそれになる

歯が当たって
シャーってうるさい

被ってなよ
借り物競走みたい
人殺しの顔して
手癖足癖が悪い
非道の言葉もシャーと同じよ

つけんだりや
殺めたりや
シャー、シャー、シャーって

 

 

 

眼球の人

 

村岡由梨

 
 

大人たちは、少女の私を見る度に、
「無邪気で愛らしい」と言ってくれた。
皆の愛のこもった視線の先にいるのは、いつも私だった。

バイオリンのお稽古へ向かう電車の中で、
向かいに座った不潔で醜い男が、私のことをじっと見ていたので、
私はスカートの下の両脚を少しずつ開いて、男を見つめ返した。
男が、私の股の間を凝視する。
男は、股の間のその先にある“もの”を欲しがっている。
それは、熱を帯びた私の邪悪な眼球だ。
穢れた水を湛えた眼球だ。
男の穢れた視線と私の邪悪な視線が絡み合って、
しっとりと下着が冷たくなるのがわかった。

しばらくして停車駅に着いたので、
私は何事も無かったように電車を降りた。
何食わぬ顔をして、バイオリンの先生の家に向かいながら、
さっきの男と駅の公衆便所で事に及ぶことを想像して、
私の眼球は破裂寸前だった。

自転車のサドルで
階段の角で
あらゆる方法で、
幼い私は快楽を貪った。
行為の最中、私の虚ろな眼球は、一体何を見ていたのだろう。

そして今、ホンモノの真っ当な行為を終えて、
裸でベッドに横たわる自分を
深く恥じ入っている。
幾度もの快楽を経て、二人の子供を身ごもったことを
後ろめたく思っている。
ベッドのある部屋には、私のポートレートがいっぱい飾られていて、
たくさんの私が、無言で、じっと、私を見ている。
暗闇で、私を見つめる、私 私 私。
「あなたはきれいだよ」と言ってくれることもあれば
「この穢らわしい悪魔」「死んでしまえ」と言われることもある。
その中には眠が描いてくれた私のポートレートもあって、
「ママさん、ママさん」と優しく呼ぶ声がする。
顔の中心に線を入れると、
半分は優しい母親の顔
もう半分は邪悪な顔。
私の邪悪な顔を知ってもなお、眠は
私の母親としての顔を、変わらず信じてくれるだろうか。

2021年5月31日。
眠は、私たちから遅かれ早かれ決別をすることを宣言した。
「ママさんやパパさんはどうしてそんなに私を苦しめるの」
私の中の眠が、真っ赤な涙を流して泣き叫んでいる。
母親すなわち私の視線が交錯する部屋で苦しむ私から
逃れたいのもあるだろう。
逃げて逃げて行き着く先が空っぽだとしても、
もうそこに私たちはいない。
自由だ。

私は、眠の若さに嫉妬する。
そして、そう遠くない未来に、
眠が私の手から離れていくことに、
思いがけず動揺している。

今はまだ、私たち家族のために
かき氷機でかき氷を作ってくれる優しい眠。
赤いシロップをかけて「はい、どうぞ」と、はにかむ眠。

氷が溶けて、ぬるくなった赤いシロップがたゆたう。
かき氷機の鋭い刃がキシキシと光って、触れるのをためらう。
私たちが知らない場所で、
誰が「かき氷機の鋭い刃で手を切らないようにね」と
眠に言ってくれるだろうか。
私たちの知らない場所で、
手を切って怪我をしてしまうかもしれない。
真っ赤な血を流すかもしれない。
誰が傷付いた眠を手当てしてくれるのだろうか。

先日、眠が16歳の誕生日に種を蒔いたひまわりが花を咲かせた。
芽吹いたひまわりは、私の身長を超え、
あっという間に野々歩さんの身長も超えたのだった。

曇天が続く中、懸命に太陽の光を求めて咲いたひまわり。
黄色い睫毛の、渇いた大きな眼球だ。
生きようとする切実な眼差しだ。

眠と私の視線が初めて交錯した日を思い出す。
生まれたばかりの眠が、
白い産着を着せられて、
保育器の中からじっと、私を見ていた。
「ママ、ママ」と言ってヨタヨタと歩く眠の視線の先にいたのは、
紛れもない母親の私だった。
あの頃、私の視線の先にいたのは、いつも眠だった。

歳を重ねた今、手の中でコロコロと持て余していた
2つの邪悪な眼球を思い切り握りつぶしたら、
中から清廉で透明なゼリーが溢れ出てくるだろう。

ひまわりの花を見上げて
自分を恥じないで生きていいのだと、
私は私に言い聞かせる。
ひまわりがこんなにも美しくて切実な花だと、眠が教えてくれた。

 

 

 

すっからかん

 

さとう三千魚

 
 

もう
おとといか

その先の

日か

ひとりの
男が

会いに来てくれた

宣言の

だったか

それで
港の脇で

クラフトビールを試して
それから

別の店で

ビールと
日本酒を飲んだのだったか

その男に
なにも

与えられなかった

かも
しれない

すっからかんであることしか
与えられなかった

だろう

すっからかんは
死の

傍らで
生きるということ

かな

どうぞ
傍らで

この平らの
でこぼこの

この
世を

生きてください

生きて
ください

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

「今=ここ」に生きる日本

 

工藤冬里

 
 

7月5日
¿Debe recurrirse a personas muertas en pro de personas vivas?

ここはいつかさんも知らないだろう

7月6日
En conformidad con los deseos de sus corazones,

私は非正規の図書館車ドライバーですが家内が夜勤のヘルパーを辞めるので合わせて100万あった年収が50万になります。年金はありません。食べられる雑草もあるそうなので別にいいですけど。 https://twitter.com/mainichijpnews/status/1412089738035535876?s=21

7月6日
https://hakone-shisseikaen.com/

安土さんから自家製の、作る時間帯によって分けられた太陽の塩というのと月の塩というのをもらったのですが、太陽のは荒く焼きものに合いそうで、月のはパウダーみたいにふわふわでなんとなく甘い。昼と夜でこんなに違うものかと驚愕。筵に海水を掛けて作るのだろうか。

7月7日
百合系の収納の隙間に翳すと読み取る「好きじゃないのに」
野営地の洗濯を待つ肌のバーコード
口を尖らせ品格を落とす家具の引き出し
煙るミルクの寿司皿の果て
やまゆりはランドリーを欲している
三角のジャムを湛えた喉
ユーフォーは芋
刃物を植える畠の端

long goodbye
https://twitter.com/i/status/1412411383178727440

Como una tempestad entrarás, tú y todas tus partidas y muchos pueblos contigo

高知で打った瞬間に死んだ人が出た。比率で死を測るなら車より安全ということになるが、その論法で自殺の比率を考えると、ワクチンよりも車よりも危険なのは人体そのものであるということになる。「人」を禁止する方向に意識は向かう。AIはそれを掬い上げ、形にする。

7月8日
株価の抗いようがなく流れて蝉アイス舐めつと立って戻らない 独り
昔は揺れるのはいつも他人と思っていた
今は震源地が自分の隙間だと気付いて揺れるひとりとなっている

地鳴り

蛙は鈍感だから終わりが来ても啼く
蚊も律儀だから兵器のようにエア習字する

地震随筆「快復」

恢という字がわたしは怖い
恢という字が怖いので恢という字が怖いということを都々逸にしてみた

冷たい灰を右手で掬う恢という字はなぜ怖い

恢という字がわたしは怖いのだ

この眠りはまずい,と寝ながら考えている
口を尖らかして
政治家のように

chushi – Made off
supernalsofttouch.blogspot.com/2021/01/chushi…

音楽家が音楽を避ける負の断崖にそれは成立する

豚の飛び込む断崖
素麺みたいな滝

リアルを玉音と取り違え
断崖を攀じ登ろうとする非音楽

そこから枝分かれしてゆくcartoon
の現在

地蔵や龍が出てきて終わり

わたしの体は罪の神殿〜とか言えなくなった
体はもう人工物なので自分のものではなくなっている
草や生き物にデザイナーの名前を入れておくべきだったね

ていうか
私は〜
とか言うのさえ
もう馬鹿らしくて
ドレイに一人称なんてないよ
彼、でいいよ
物なんだから

SSWは滅びる
飲み屋のように

インスタントラーメンのような雨
インスタントラーメンのような夢

ランタナ

Los razonamientos de los sabios son vanos

ヒメオウギ装飾的なシルエット

河童をかわたろと読ませて蕪村月

ミニトマト転がる上方にペダル

熱風に晒されて
紫がかった青味を帯びた懈さ
洞窟も
鍛冶屋も銭湯も
奴隷も鰻も
ヨセフ流の国有化も
ベトナム由来の物流の遮断も
私たちの夢は全て実現した

最近死んだ知人のことを思い出しながらだと運転もゆっくり

幸福は無くて延命の夜がある

7月9日
必ず間に合わない

ペンギンは子も始めから猫背

Un compañero verdadero ama en todo tiempo, y es un hermano nacido para cuando hay angustia

起きたらこの不条理、というのが吾妻ひでおの出だしにあったが起きたらこのテンペスト
https://youtu.be/UiSjNOnJF6w

見上げる二兆個の銀河の
一つとして欠ける名はない
星が燃え尽きてもヒトのような復活はない
私は燃え尽きる星燃え尽きた星
寄せては返す飽きないきれいな深層海洋大循環の千年
2トンの岩が6メートル飛び上がる
砂でコントロールする荒波
森はシロアリがいるから大丈夫
温厚で正しい人はシロアリの地上で永遠に暮らす
ゴグは連合体 雹は暑さのなかに出来る兵器である
鯨はオキアミだけを待ちマグロを待たない
それらは皆、あなたが与える季節ごとの食物を待つ。
あなたが与えると,それを食べる。
あなたが手を開くと,良いもので満足する。

自己修復する骨の先端として爪

TM(transcranial magnetic stimulation/経頭蓋磁気刺激法)と5Gを組み合わせて地獄の針山がツボ刺激になりましたみたいな

https://youtu.be/F6J0g4cBBtQ

中国
格言だけの国
日本
印象を述べる所感の国

7月10日
血がザラザラ

El temblar ante los hombres es lo que tiende un lazo
人​ヘノ​恐レハ罠​トナル

園芸植物や家畜のように設計図が改変された人体は人工物として特許の対象となります。(特許を主張できないのは自然物に対してだけです)。特許を取るのではなくヒトが特許になるということです。特許は金銭でファラオ等に委譲することが出来ます。でも最大の恐怖は自然物への特許が主張される今です。

レファレンス事例あり蔵書に無いので調べたら短編集の表題群であった。化物蠟燭という本であった。木内昇はのぼり、と読み女性なのであった。蠟という字が書けなくて、指で押し広げて拡大し予約カードに記入した。ところが、である。果たしてそれは棚にあったのだ。借り手は去っていて後の祭りだった。
借り手を帰してしまった化物蠟燭を手に取れば装丁滝平二郎とあり、そういや以前八郎を借りた人だったなと合点がいった。最初は隣の小平次という噺で、老婆の彼女をかれ、と読ませているところに目が行った。

7月11日
建物の横にシロアリのための丸太を転がしておけばそこで生態系が回るので家には来なくなるのではないか

意外なことに多くの人は相手にしてくれなかった
言葉に疑いを抱かない人は幸せ
調べるべきなのは家系の詳細
身元調査されるのは背乗りとメシア
5Gが見えると言い張る信仰

TVドラマの人情物の筋書きのようにパターン化されて短歌、
眼荒れる俳句、
それに対して、伝統を避ける異物として見せてもいい詩は矢張り重要な役割を持たされている

学校や病院を建てたり慈善事業を行ったりはしない

説明できない強力な行い

前は海
て歌があった

南の女王は復活してきた人を断罪する

ヴェイユには知らない理由があって集められている

いつも金属を確かめて
言葉を浮かせようとしている

チェックリスト
どんな答えが出るとしても認める必要がある

エンジンは二気筒の専心
何をではなく何故行うかしか関心を持っていない
知っていることを表すこと
畏れのブレーキ

正されちゃってください

7月12日
¿Puede el hombre terrestre hacerse dioses cuando ellos no son dioses?
90過ぎたお婆さんが寄贈したいと持って来る本がなかなか渋い

¿Puede el hombre terrestre hacerse dioses cuando ellos no son dioses?

 

 

 

#poetry #rock musician

我的光線,我的島嶼難以辯駁。

 

Sanmu CHEN / 陳式森

 
 

島嶼無可辯駁
曆史沉降,
施行的惡意
搏打著雨夜高昂的頭顱!
腐敗的水勾勒出牆上
斑爛的許諾。
緊抓住花園 !求救的手
抓住鐵馬,筆直地
穿過六月,下沉。
七月行雷沉穩…….七月
難以篡改的鼓聲
卡在風中 !

我的光線,我的島嶼難以辯駁。

 
 

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