粦(リン; 鬼火の連なり)

 

工藤冬里

 

鯖の青で希望を包み
池の中から夕暮れを見た
人っ子一人いない風景は
未来のためのロケに使えそうだ
郵便配達夫の息の障害は
未知の記号を皮に書かせた

Esfuércense vigorosamente
https://twitter.com/_YukioHakagawa/status/1469820618602610691?s=20
BBCで虫に感情があるという記事があったがゾウムシを沢山水没させたばかりだったので怖くてよう読まんかった
リスのうどんのメニューを見上げている夢を見て目が醒めた
冬の映画といえばwinter bone、冬の小説といえば凍(いて)、冬の(乾いた)道といえばノエミさん
▶︎ The Dry Path | noemienours
https://noemienours.bandcamp.com/album/the-dry-path/

子供を産んで戻ってきたのか
寝間着で画面offにしてるという噂を立てられて
語尾砂漠に建てられた幸福の楼閣
知らない飲み物
捉えにくいものだ、という喜びは
遮眼革を付けて走る
物を入れたまま売る容器
狭められることでオブジェとなる
内径が縦横深さの喜び
喜びを産んで戻ってきたのか
印象派の影はむらさき
戦前の子らにも教えられていた
教えられた者達の舌がトートロジーとかトートバッグとか
エジプトの月と時と文字の神トート
頭がトキだけに
トキには母がない
武蔵には子がない
曇りでそんなに寒くはない
喜べ喜べと教えられている
本当の懺悔とはなにか
アハブは自己憐憫から泣いただけだったがマナセは悲しみを行動に表した

テンペストの最後に黒人歌手が出てきて歌うシーンがあり、度肝を抜かれたことがある。ベイシーのsee you againとかソドムのラジオとか、有終の映画には最期に出来ることがある。それを希望と勘違いしてはいけないけれど、兎に角律儀に時系列を追うのはやめろ。死刑囚達は時間に飽き飽きしているのだ。

個人間と国家間の領土契約気持ち悪い
土地の再分配気持ち悪い
境界線気持ち悪い
人の土地気持ち悪い
所有欲気持ち悪い
居場所ない

わけのわからないアンファンテリブルたちの圧倒的な新しさが、世のやさしい窪溜まりに落ち着いていくのを見てきた。突き詰めていればぶつかる矛盾点なんてどこからでも同じなのに、一歩引いて型に嵌ろうとするのだ。それを大人になることと勘違いしてはいけない。脳が敗北しただけだ。

習ったらお仕舞いだし移動してもぶつかるだけだし練習しても死ぬだけだ
https://twitter.com/zappa_bot/status/1470159839855017984?s=20/

本の轍の向かいの猫カフェ、覗いたらハチワレばっかりで16匹くらい居た
大人しいから扱いやすいのだろう

僕は行けない
どこにも
地上には
グリーンパスなしで入るところが無くなった
ゼンメルヴァイスでやっていけなくなったセリーヌ

5歳の頃組内のお日待ちで手をぶらぶらさせるモンキーダンスを踊ったことがある。山岸君の結婚式でも演奏していた。それから何十年も経ち一人死に、最近また一人死んだがそいつのボーカルだ。アノラック風の複雑な単純化と繋がった晩年のこのカヴァーをケイトも好きだと言った。
Me and Magdalena
We’re driving south through Monterey
As the sun is slowly sinking
Into a distant ocean wave
And I don’t know if I’ve ever loved any other
Half as much as I do in this light she’s under
https://youtu.be/FfruDTmFDUA/

崔実『pray human』(発=講談社)
ジニのパズルの次は精神病棟の話
表紙は有村佳奈

古井 由吉『われもまた天に』 (発=講談社)
未完の絶筆の最終行は
「自分が何処の何者であるかは、先祖たちに起こった災厄を我身内に負うことではないのか。」

差し入れいただきました

ミソジニーとミサンドリーがくっついて未酸素死に鳥

流れ星屑に願いを落とす屑

炭水化詩
COp
削減

シフォンとオグと資本ケーキ

いきなり電車とかだと生きてる方がおかしいので夜と朝とのスペーサーが必要
耳鳴りをクッションにして生きてる方がおかしいと絶叫する朝の電車の軋みを消す
https://youtube.com/shorts/hYsZJPL4zjU?feature=share

ラリーズがズラリ

πάνταἰσχύω
ἐν
τῷ
ἐνδυναμοῦντί
με.

僕は昔床大工だったのですがウッドカーペットの補修をしていたら祖父の油絵みたいになってしまいました

銭湯で肌色を調合して相手の肌に塗るワークショップをやっている人がいました

砂原と柾木まで出てきて完全にA-BOUT!だが皆似た顔なので朝霧に負けたけど友達になった奴らという以外どんなキャラだったかよく思い出せない

は、肌だ、だはは
禁煙延期
カリーカヒミ光りカヒミ光りか⁉︎

こう並べ!ジェンダジェンダダジェンダジェンダジェンジェンダ
これはバズると思ったがジェンジェンダった

めずらしく正しいあるある父さん
https://twitter.com/ArtaudbotJP/status/1470950200173031425?s=20

12月16日という物体の切れ端

雨さえ腐ったら
16日が言い返したりはしない
王族になることは断わり
ミラーリングには画像を切って
床擦れの身軀を旧詞で操作する
雨夜の眉毛
火を点けぬ丸いストーブと
苗字を変えぬ復讐
なんて書いてありますか
なぜ理解できなくても何度も知らせるのかとおでこに言われたら
強さとは依存の強さだとイカのように答える

コロナ飲み薬はあります
これはバズるとおぼったのだがおぼかった

まずいうどん屋のようにきみは死にたい
金の夕陽が顔を炙る
年末まであと何ギガ
八尾の狐も焦がす農薬

石川良子『ひきこもりから考える』(発=ちくま新書)
言葉に出来ない訴えを掬う大文字一を想定せざるを得ない事態だが良子さんはそれを社会学に事寄せてつらつらと書き綴ったのだった。
どの学問分野からでも認知閾を明るみに引き摺り出し生きるか死ぬかの選択という存在論的核心に持っていけるが、社会学をフレームワークにしたからには「働く」という言葉に政経心理哲学を統合した学知の雨を降らせるべきで、動けないことへの共感の条には小泉政権時代を絡ませなければならないだろう。

ロックというと死んだり入院したりといった話題ばかりになっていくのが新しいフェーズだ。瞬間を生きてたんじゃなかったっけ?と突っ込まれそう。ミック・ジャガーとかそこら辺一番気にして化け物みたいになってくんじゃないかな。

ジャシンダがいることは日本と真逆のようだが対米中構造は一緒だ。移住しても同じような一波乱があるだろう。
ジャシンダに対する批判は、共産主義と「共産主義」を連結させる点で「分断」とは真逆であり、それはキリスト教と「キリスト教」を地続きのものとする刷り込みと似ている。そのようにして国家主義は希望に関する最終的な対立構造に向けて寄り集まる。

思っていたよりも少し余計に伸びる声に反応していたに過ぎない
パチンコ屋のネオンの真っ直ぐなピンクが空に照り返す顔を上げて

https://twitter.com/_YukioHakagawa/status/1472342342703382528?s=20/

音が霙
雨より麺が太い
読み書きは大事
パンデミック中の時間を有効に活用しよう
付与されていた自由意志を間違った仕方で使い
専心しているように見えれば良いというものではなく一番良いものを上げたいという動機が火事だった
ばかでかい葉が霙に撃たれて

粦(リン; 鬼火の連なり)
僯隣撛噒獜潾憐嫾璘橉轔(辚)暽膦燐磷瞵鄰䫰嶙驎(𬴊)麟繗蹸鏻鱗(鳞)疄㔂䗲䚏䚬亃粼甐斴翷遴

強い矯正は必要な処置
病気の羊を隔離
日が三角に射して

わたしゃなんとかイヌホオズキよという歌があったが忘れた

冬のユリ

 

 

 

#poetry #rock musician

アルデバラン

 

原田淳子

 
 

 

あなたは戻らない風
還らない雨
一度きりの季節

くぐもった灰色のコートを引き摺り
歩くたびに夜の幕を引いてく

瞬きのあいだに夜は重ねられ
あなたの不在を押しあげる

12月の赤い眼
全能の神の化身が髪を震わせて月を追う
燃える血のα
あなたの心臓

わたしは幹にしがみつき、
枯葉に擬態して生を凌ぐ

氷の朝
蹄で霜柱を踏む
軋む音
土の嘶き

12月
大団円の音楽が始まる
朝焼けと黄昏のスライドショー
最終の黄金の陽までつづく

凍りかけてなお
まだしがみついている
まだ死んではいない

赤橙の光だけがみえる

 

 

 

ゴシパラヤケル

 

白鳥 信也

 
 

伯母さんが来て父親に言う
職場の行事が失敗したのはあんたのせいだと上役に
さんざぱらかつけられた
ゴシパラヤケル
父親はそうくどきすな
見ている人は必ずいるもんだっちゃっと自分の姉に言う
小学生の僕は伯母さんの持参したバナナにかぶりつく
ゴシパラヤケル
腰と腹がやけるものなのか

伯父さんが来て父親に言う
昨日の晩に桃畑に泥棒が来て
桃をごっそり盗られた
ゴシパラヤケル
父親は柵がねえからまたやられるべと自分の兄に言う
中学生の僕はその夜
桃畑の番をさせられる
夏休みの気楽さで手伝うよと言ったけれど
からだじゅう蚊とブヨに刺される
坊主頭まで刺され
かゆくて我慢ならない
こんなとき
ゴシパラヤケル
と言うものなのか

父親の三回忌に出るため
仕事を休んで東京駅から東北新幹線に乗る
法事が終わって実家の茶の間で
リンゴの皮をむきながら母親が言う
おまえたちの父親も伯父さんも伯母さんも
生まれてから死ぬまでこの町にいたから
東京生まれのあたしには
わからない言葉だらけでさ
ようやくわかるようになったころは
みんないなくなっちゃったけど
いまでもゴシパラヤケルは使えない

その場では何も言えなかったけれど
東京で僕は
思わず口から出ることがあるんだ
こんなことされちゃごしぱらやけるって