広瀬 勉
#photograph #photographer #concrete block wall
戦地だから
地面が揺れているのであった
地震ではなく
わたしが割れていて
知りたいことは既に
その辺に転がっていて
個室があいたりしまったり
一刻も早く
全てが終わって
ほしいです
私は
ここにとどまって
助けて
助けて
助けるだけです
おわるもの
おわるとき
仏教がなぜ
途方もない
時間の尺度で
考えたかわかった
目の前でおこっていることが
真実の
影のようなものだと
思うしかなかった
今日は何曜日なのか
何日なのか
戦争がはじまってどれだけたったのか
弱いものは
土地とからだに留まり
世界を見つめて
こんなんじゃなかったんですよ
鳩の群れを見るように
ミサイルの着弾を横目に見て
散歩したり
買い物をしたり色々しています
兵器の音が区別できるようになった
ここには癌の子供たちがいて
大切に大切に守って来た命を
爆弾が根こそぎさらっていくので
泣いてるのです
最終的なものが
ふらふら歩いてる
美しいものは弱い
それでも赤ん坊のように
批評している
雪のようにその場限り
空を覆う