島影 43

 

白石ちえこ

 
 


北九州市小倉

 

雨。小倉昭和館で映画を観る。
二本立て千円だったか。
一本目の『舟を編む』を観終わると、灯りの戻った客席に匂いがたちこめた。
お客さんが幕間の休憩時間にお弁当やお惣菜の包みを開けていた。
近くの市場で買ってきたものに違いない。
わたしは二本目を観るのをやめた。
映画館を出て、旦過市場へ向かった。