あの子

 

たいい りょう

 
 

二階建ての家
一階はブティック
二階は寝室

あの子が
また私の前に現れた

元気に飛び跳ねる
女の子
まるでバレリーナ

「ここはね 悠希お兄ちゃんと
   恋人が寝る場所なんだよ」
と私に快活に話した

私は寝ていた
肩を叩かれた

肩を叩いたのは
あの子
それとも
昨日の妖精

「私には娘がいた」
とそう叫んで

私は目を覚ました

 

 

 

みらい ***

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 01     Yuriko様へ

さとう三千魚

 
 

あしたの
ことも

みらいの
ことも

わからないけど
ここに

わたし
いて

あなたがいて

薔薇が
咲くのを待っている

ピンクの薔薇
咲くのを

 

 

memo.

2022年5月28日(土)、静岡市の水曜文庫という書店で行ったひとりイベント、
「無一物野郎の詩、乃至 無詩!」で作ったひとつめの詩です。

お客さまにお名前とタイトル、好きな花の名前を伺い、その場で詩を体現しプリント、押印し、捧げました。

タイトル ”みらい”
花の名前 ”薔薇 (ピンクの)”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life