わたしの車で行こう

 

工藤冬里

 
 

路面凍結しても
七草が見つけられなくても
手のひらを刺し通されても
ラブシャケやFBIが工作しても
生姜や葱が足りなくても
看守のために祈り
發音が人形劇のようであっても
怒り狂って道連れにしようとしても


国に陽が当たり
ジャズに影が差している
地軸は傾きを矯正され
私たちはストレートネックとなっている
北からの見えない波の濃淡を測定せよ
いつまでですかと問い続けよ
新しい歌が歌われるまで

阳光照耀着国家
爵士乐上有阴影
倾斜轴线在拉直
我们成了直肠子
衡量北方的波浪
继续问它有多长
直到新歌被唱起

 

 

 

#poetry #rock musician

手探りのフーガ *

 

さとう三千魚

 
 

昨日は

女を駅までクルマで送った

女は
エアロビに行った

エアロビの後に
歯医者に行くと言ってた

帰って
昼前に

風呂を洗った
お湯を満たした

眼の下までお湯に浸かった

午後
背中と首に

針を刺してもらった

夕方

貨物列車が眼の前を過ぎていった
電車で街にでた

火鍋屋で
辛い肉を食べた

男ふたりと
この男たちと

辛い肉を食べた
辛い酒を飲んだ

また明日
また明日

 
 

* 高橋悠治のCD「サティ・ピアノ曲集 02 諧謔の時代」”右や左でみたこと(メガネなしでも)” より 

 

 

 

#poetry #no poetry,no life