有田誠司
矛盾と後悔 僕の弱さから来る痛みが空を覆う
気が付いた時には秋は終わっていた
漂う雲は形を変え その色さえ違って見える
冬が訪れるまでの暫定的な空白に
秋が好きだと言った 君の事を想い出した
僕等は地図も持たずに森を歩いていた
時の存在が失われた赤い森
其処は世界の終わりに似ていた
灰色の冬雲の翼 高く聳え立つ壁
僕を誘い込む幻影は暖かく
僕の心を静かに解きほぐす
君の息遣いで満ちた部屋の様に感じた
不完全な僕と不安定な君の狭間
また冬が始まる
矛盾と後悔 僕の弱さから来る痛みが空を覆う
気が付いた時には秋は終わっていた
漂う雲は形を変え その色さえ違って見える
冬が訪れるまでの暫定的な空白に
秋が好きだと言った 君の事を想い出した
僕等は地図も持たずに森を歩いていた
時の存在が失われた赤い森
其処は世界の終わりに似ていた
灰色の冬雲の翼 高く聳え立つ壁
僕を誘い込む幻影は暖かく
僕の心を静かに解きほぐす
君の息遣いで満ちた部屋の様に感じた
不完全な僕と不安定な君の狭間
また冬が始まる
昼前に
河口まで歩いた
ノラたちに
会わなかった
海がいた
凪いだ
海がいた
しずかに
風は
流れていた
見ていた
打ち寄せるのを見ていた
波が
打ち寄せていた
何度も
打ち寄せていた
波は岸辺を洗っていた
#poetry #no poetry,no life
暗中來的終是來了,
比如冬夜,疲憊
或者無端的自在。
黑暗裏看群山溫婉
聽拍岸唱誦黃州。
我當然想再一次在京都之巒
縱火痛哭出一個"妙"字!
叫你看老虎退步⋯⋯
萬仞之上一地淚珠;
叫你看六十年我還是經歷太少,
無辜的夜色自暴自棄成為寨城。
我當然想看
周庭把季節遷植到新的穹蒼;
叫你在放風之餘
暢想用手割酒割肉!噫!嗚呼
可你看,我們難為了警察
作供時把六月當作隆冬,昂尻。
六個月囚坐才約莫出暴政只能是春天,哦嗬⋯⋯
綠意盎然繁花勃起⋯⋯
我不幸的肝膽已無酒,只流血
可你看看足下:
香港腳是我們的腳。
2023年12月5日晨
一時大意作於寨城
.
暗中來的終是來了,
秘かに来るものがついにやってきた、
比如冬夜,疲憊
例えば冬の夜、くたびれて
或者無端的自在。
あるいは故もない自在さ。
黑暗裏看群山溫婉
暗黒のなかにたおやかに連なる山々を見て
聽拍岸唱誦黃州。
岸をうつ波音を聞いてうたう黄州の詩。
*黄州:ここでは、かつてこの地に左遷された宋代の文人蘇軾をいう。
我當然想再一次在京都之巒
もちろん私はまたもう一度京都の山で
縱火痛哭出一個"妙"字!
火をかけられ「妙」の一文字が痛み泣いて浮かぶのを
叫你看老虎退步⋯⋯
みてほしい 虎が後ずさりするのを……
萬仞之上一地淚珠;
高みの上の地面に落ちる涙のしずく;
叫你看六十年我還是經歷太少,
知ってほしいのは六十年の私の経験はまだ余りに少なく、
無辜的夜色自暴自棄成為寨城。
無垢な夜の色は捨てばちに砦の街となった。
我當然想看
もちろん見てみたい
周庭把季節遷植到新的穹蒼;
周庭が季節を新しい大空のもとに植え替え;
*周庭:香港の民主活動家。カナダに出国。
叫你在放風之餘
獄中で一時外の風を受けるときには
暢想用手割酒割肉!噫!嗚呼
手ずから酒を分け肉を裂く事を空想する!ああ!おおっ
可你看,我們難為了警察
でも私らが警察を困らせたのを知ってるだろう
作供時把六月當作隆冬,昂尻。
供述のときには六月を真冬と感じた、ばかものが。
六個月囚坐才約莫出暴政只能是春天,哦嗬⋯⋯
囚われの身の六か月でやっと見当が付いた 圧政が現れるのは春だけだ、うぅ……
綠意盎然繁花勃起⋯⋯
緑は溢れ、花々は燃え立つ⋯⋯
我不幸的肝膽已無酒,只流血
私の不幸な肝胆にもう酒は切れて、ただ血が流れるばかり
可你看看足下:
だが足もとを見てみろ:
香港腳是我們的腳。
香港脚(水虫)が私らの足なのだ。
2023年12月5日晨
2023年12月5日朝
一時大意作於寨城
たまたまうっかり砦の街にてものす
日本語訳:みやこ鳥
これまであつめたものをはなれて
うつって
よって
くらす人ができて、
かわること。
山のみえる、
ちょっとたかいところの家で
いまからくらす。
あたらしいところへ歩いていくから
たくさんのものをおいていく。
靴はじょうぶなものだけ、
もちものはリュックに入るだけ、
手はあたためておいて。
おいてきたら
おいてきすぎて
好きなものまでおいてきて、
あわててとりにかえる。
はしってさ
ころんでさ
まにあって、よかった。