佐々木 眞
わが家の時計は、みんな、別々の時間を指している。
そして、一日中いろんな旋律と音色で、時報を打ち鳴らす。
It ‘ll be a lot of Fun!
ワオ、なんて楽しそうなんだ。
でも でも、
2階の古くて大きな柱時計は、昨日の5時15分で止まったきり、びくともしない。
「電池が切れたのなら、新しいのを補充するよ」
というてみたが、やはり動こうとしない。
重ねて「なんで動こうとしないのかね?」と訊ねたら、
緑色の長針が答えた。
「だって、同じ円盤を、来る日も来る日も、一日中ぐるぐる回ってるなんて、阿呆らしくってやってらんないよ?
なんなら、あんたやってみる?」
That’s not Fun.
こりゃダメだ。