工藤冬里
半端な永遠のお陰で明日が不安で仕方がない
いっときの快楽のために安定性を放棄するのは愚かだ
と言って蒟蒻の中を泳ぐ
成瀬というような苗字の
戸籍をひらひらさせて
泳ぐ泳ぐ案件の中を
Amazonの半端な永遠の中を
もうすぐ死ぬというのに
血判だとか半跪拱手とか
課金するわけないじゃん
柳井から帰る
#poetry #rock musician
あれ、できないよ
できなくなった
壁相手に
腕バッタバタ
足パタパッタ
寝返りラクラククルックル
ずり這いジェット噴射ゴーゴー
なのに
あれれ、突然できなくなった
模様替えで1階の大人用の見守りマットを取り払ったんだ
1階は平べったいお昼寝マットだけ
ここで問題発生
コミヤミヤもこかずとんも見守りマットを練習用の壁に見立てて
えいっえいっ体動かしてた
壁がないと反動使えない
平たい面でも寝返りの稽古はできるけど
ダイナミックにクルッというわけにはいかない
何だか物足りない
何だかつまんない
寝返りしてて急に泣いちゃったりとか
ごめんね
かずとんパパ気づかなかったんだよ
何で最近急に不機嫌になるんだろうって
そしたら賢いミヤミヤママ
オムツを入れる箱と洋服入れる箱を並べて
「これを即席の壁にしましょう」
すぐさま始めたよ
コミヤミヤが腕バッタバタして
背中クルックルころっくる
こかずとんが足パタパッタして
ジェット噴射前進ゴーゴー
赤ちゃんってのはこんな練習を重ねて
ハイハイができるようになるんだなあ
ハイハイへの壁は
壁を使って乗り越える
壁で壁を乗り越えろ
白と黒の
猫は
テーブルにねそべっていた
背中のまるい毛なみの
ねそべっていた
いつかテーブルから降りて襖の向こうへ
消えた
消えて
音がない
・・・
** この詩は、
2025年6月27日 金曜日に、書肆「猫に縁側」にて開催された「やさしい詩のつどい」第18回で、参加された皆さんと一緒にさとうが即興で書いた詩です。
#poetry #no poetry,no life