birth 誕生

朝の
裏山の

ほそい暗い道の
先の

ちいさなほこらの傍に
泉はあった

そこに灰色の山椒魚たちはいた

数珠の卵は
連なっていた

そこに記憶の起源もあるだろう

水に濡れて連なるものたちのなかに
透明な儚い根を這わす

さよならといって
生まれてきた

 

 

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