狩野雅之
asphalt road
it was shining
this morning
awake
when I open the window
the top of the west mountains was covered with white clouds
in the middle of the night
it’s raining
in the morning
did the rain stop?
it was shining
even now
the top of the west mountains is hidden in the clouds
covered in clouds
the appearance of the mountainside is appearing
be there
it’s still there
the words are standing there
・
Do it yourself, and that at once *
アスファルトは
光ってた
今朝
目覚めて
窓を開けると
西の山の頂きは白い雲に覆われていた
夜半に
雨は降り
朝には
雨はやんだのか
光っていた
いまも
西の山の頂きは雲に隠れている
雲に覆われて
山の中腹の姿が現れている
そこにいる
そこにいまもいる
ことばは佇んでいる
・
自分でやりなさい、しかもいますぐに *
* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.
#poetry #no poetry,no life
カーペットをはがしてむきだしになった畳は少し砂っぽいがそれほど焼けておらず猫の爪からも守られていて、墓川は、引っ越し気分のようなものが部屋に満ちるのを感じた。
二章 返品
ニトリに色違いだったカーペットを持っていく。それは受理され、更に濃い茶色のものに変更される。今のイエがブースだとすると、ブースにカーペットなど要らない筈だが、ブースのフェスの規定が書かれたのはブースで移動していたまさにその時なのであり、それは将来のイエで、ブース暮らしを思い出すためなのだった。今を思い出すための記述としてのカーペットなのだと思い至ると、墓川はフェスの移動のような土ぼこりが舞うのを感じるのだった。
#poetry #rock musician
the sound of the horn
I heard
intermittently
I heard
security guards may be guiding trucks during pier repair work on a nearby highway
the sky is clear
in the living room
moco says to play with the little bird pippi
when you release the little bird’s pippi
moco holds a small bird in a short run
moco
moco
let’s listen to Nina Simone
“you’d be so nice to come home to”
let’s listen
cessna is flying
in the blue sky
it’s flying
from the sky
there is a flying sound
・
I saw five airplanes flying away like so many birds *
警笛の
音が
聴こえた
断続して
聴こえた
近くの高速道路の橋脚改修工事で警備員がトラックを誘導しているのだろう
空は晴れ渡っている
居間で
モコは小鳥のピッピで遊ぼうと言う
小鳥のピッピを放ってあげると
モコは小走りに小鳥を咥えてくる
モコ
モコ
ニーナ・シモンを聴こう
“you’d be so nice to come home to”
を聴こう
セスナが飛んでいるんだろう
青空に
飛んでいるんだろう
空から
飛行音がする
・
飛行機5機がさながら鳥のように飛び去るのを見た *
* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.
#poetry #no poetry,no life
昭和新山の麓、
海はいっしゅん静かになった
ゴジラが現れる前のように
水中から言葉の枝が張り巡らされていたが
それは迷路を試そうとする電流のようだった
ヘルメットを被り、
転倒せよ
救急車は間もなくやってくる
そのドップラーにライムを乗せて
きみが時間になれ
#poetry #rock musician
Bresson Photobook
where
did it go
that
with an aunt who dazzledly narrowed her eyelids
a moment of her face
took
Bresson
where did they go
nakameguro’s “cow”
at the bookstore
bought
there was a river nearby
・
He went on with his reading *
ブレッソンの写真集
どこに
いって
しまったのか
あの
眩しげに瞼を細くした
おばさんと
おばさんの顔の一瞬を
撮った
ブレッソン
どこにいってしまったのかな
中目黒の”牛”という名の
本屋で
買った
近くに
川が流れていた
・
彼は読書を続けた *
* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.
#poetry #no poetry,no life
クリスマスの夜 午後10時
訪問看護師さんの 木暮さんが やってきた
──おゝ いらっしゃい!!
20代半ば位 髪をゴムで束ねて ひっつめ髪で 化粧っ気は無し
黒いズボンの 出で立ちで 何て言うか 女性性を脇に置いているようすだ(ゴメン!)
──おゝ 待ってましたッ!!
「こんばんは お加減は いかがですか?」
「向精神薬のパキシルを 3ヶ月間服用してきて ようやく 状態が安定してきました」
あゝ 木暮さん もっと女性性を楽しんでもいいんじゃないかなあ なんて余計なおせっかいか
パキシルは 切れ味鋭い薬品で 効果絶大な薬品なのだけど 副作用には 性機能を失わせる という事がある
わたしも 例に漏れず すっかり性欲を失って 男性性の外に出て
初めは 結構 虚しかったけれど
それにも だんだん慣れていって 今度は
どんどん ラクに なっていったのだった
57歳の今 あっと言う間に 迎えるだろう
還暦が 案外 愉しみにも なっていったのだ
──性欲が無いって 良いじゃない!!
──どうせなら 髭も 生えてこなければ 良いのに ね・・・
「最近は どのようにして 過ごされていますか?」
「この部屋は 日当りが悪くて とても寒いので 在宅している時は ほとんど ベッドの中にいて 過ごしています」
「昼間も 眠っているのですか? 昼夜逆転は 良くないですよ」
「眠ってはいません ぼんやりしていたり くだらない事を あれこれ考えていたり 昨日は 多目的トイレで わいせつ行為をした 芸人さんの事を 考えていました」
「・・・わたし あの芸人さん すっかり バッシングされて ちょっと 可哀そうだななんて 思ったりも してるんですよ」
「・・・どうしてですか?」
「だって 多目的なんですから 何したって 良いじゃないですか?」
「そういう もの ですかね」
「わたし ああいう シチュエーションじゃないと 燃え上がれない人たちって おおぜい いると思うんですよ
日本中にも 世界中にも──」
窓の外には しろい外灯が チラチラしている あゝ 今日は クリスマスの 夜なんだ
「芸人さんで たまたま バレちゃったから ああいう騒動に なったんでしょうけど クリスマスの夜の 今この時にも 似たような事は 行われていると思いますよ」
(あゝ そういう 考え方も あるかなあ)
──性欲が無いって 良い事じゃない
なんだか ややこしくなくて 良いもんだ
「人間だもの※ って事だと思います!」
「でも アレを イチローさんが やってしまったら もう 干されるどころの 話じゃないですね・・・?」
「国民栄誉賞を 何度も辞退して プロ野球の監督になる事も 眼中になくって 高校球児たちに 一生懸命 指導している レジェンド中の レジェンド・・・ そのイチローさんが そんな事したら もう 国外に 亡命するしか ないかもしれません ねえ」
「イチローだったら 亡命生活へっちゃら だと思いますよ 世界のイチローですからね
アフリカの子供たちに 野球教えてるかもしれませんよ」
「あはは・・・!!」
「あはは・・・!!」
「それはそうと これから 血圧を 測定しなければなりません」
訪問看護師の 木暮さんが わたしの すぐ傍らにきて わたしの腕に 血圧測定器を 巻き付けていく
わたしの目の前に 木暮さんの 乳房が
迫ってくる が それは 木暮さんの「乳房」という「もの」が 迫ってくる というだけで 衝動的に 抱き寄せよう などという 気持ちには まったく ならない
小暮さんの「乳房」は いいなあ
女性性から 自由になって
「もの」になって
気楽にぶらっと揺れている
わたしの「ペニス」も
男性性から自由になってから 気楽だもんなあ
「上が 132 下が 84 問題ありません ね」
「あゝ 安心しました」
「それでは わたし そろそろ 失礼しますね 訪問看護時間は 30分きっかりと 決まっていますので」
小暮さんが 血圧測定器を かばんにしまった
小暮さんが 立ち上がって 玄関に向かった
小暮さんが ブーツを履いて わたしに言った
「それでは また 来週
あっ そうそう 挨拶を 忘れていました
メリークリスマス!!」
「はい 小暮さん メリークリスマス!!
また 来週 よろしくお願いします!!」
・・・・・・・・・
わたしには この世で 最も愛している人が
2人 います。けれど、ずっと プラトニックのままで、良いと 思っています。
人間だもの
人間だもの
※相田みつを氏の詩句より
トランプとバイデンの闘いに意味はない
愛国主義とグローバリズムの戦いにも意味はない
コロナの深い意味と浅い意味の対立にも意味はない
きみのプラットフォーム上の気の利いた言葉も恋愛も芸能も体育もそれほどの意味はない
野獣が酔っ払った娼婦を振り落として突き殺すための
動機がひらひら降ってくる
そのきらきらに全集中‼︎
#poetry #rock musician