michio sato について

つり人です。 休みの日にはひとりで海にボートで浮かんでいます。 魚はたまに釣れますが、 糸を垂らしているのはもっとわけのわからないものを探しているのです。 ほぼ毎日、さとう三千魚の詩と毎月15日にゲストの作品を掲載します。

modern・近代の

 

Michio Sato

 
 

Tonight

I was listening to Chet Baker’s song

The song “time after time”

Listened repeatedly

 

Even if I say poetry is wind, it doesn’t mean that it’s poetry

 

 

*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

水面

 

工藤冬里

 
 

水から上に出ている顔の部分は
裏のようでもあり
また泛子(ウキ)のようでもあった
数えれば十一だろうということは分かっていた
家族だからだ
人殺しや出産のものがたりは
水面より下で起こった
そこが表なのかもしれなかった
それでも裏を裏返すのではなく
表を「表返し」たこの水の上で
わたしたちは真理を享受するのだ
善悪を裏返すのではない方法で
わたしたちは呼吸しなければならない

母は四人で
長男は異母と寝ていた
次男と三男は人殺しで
長女はグレていた
そのようにして
排他的階級制度の最下層に居たが
裏を裏返して咲くのは花だけで
表を表返した水の上では
四男の末は王になり
十一番目は総理になった

古いラジオ放送の音質で
百舌がキチキチと啼いて
背の高い女と背の低い女が向き合ってはなしている
十一人の平和な住まい
殺しのない安全な家
ステップファミリーの心休まる平穏な場所で再び生きること
とはいえ雹によってフォロワーの多いアカウントは倒れ
東京は完全に破壊される
全ての水のそばで
椅子からずり落ちてゆく
すっかり変わってしまった水の面が昭和のようだ
裏が表として水の中にあり
表が裏として水の上にある

 

 

 
#poetry #rock musician

ビーツ

 

正山千夏

 
 

君にビーツをあげるんだ
真っ赤な血のしたたるような
ビーツを口うつしで

あなたの歯が赤く染まる
あたしたちはAIでもビッグデータでもない
真っ赤なビーツをかじるふた組のしゃれこうべ

ハートビートを聞いて
真っ赤な血のしたたるような
心臓にツメを立てる

あなたの舌が赤く染まる
あたしたちは愛しあっている
真っ赤なビーツをかじるふた組のしゃれこうべ

 

 

 

spectacle・光景

 

Michio Sato

 
 

Morning

Woke up

Open the window in the room
Sitting on a chair

The swallows are singing

chiki chiki chiki
Singing

I see when I close my eyes

I saw it when i was a kid
Saw during summer vacation

I was watching the sun swaying from the water of a stream

 

I see when I close my eyes

 

 

*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

獄中で詩を書くということ

 

工藤冬里

 
 

名前を呼ばれるとは死刑執行されるということなので
いつも一瞬飛び上がり
目を閉じて
覚悟する
誰も共にいない
描かれたことのない例外を、或いはその例外が全てであるような囚獄を生きている
成し遂げることが不可能なのであれば
アルシーヴ化も不可能である
これを詩にしてみよう
名前を呼ばれる
とは
死刑執行される
ということなので
いつも
一瞬
飛び上がり
目を閉じて
覚悟する
誰も共にいない
描かれたことのない例外を、
或いはその例外が全てであるような囚獄
を生きている
成し遂げること
が不可能
なのであれば
アルシーヴ化も
不可能
である
まだ詩になっていない
名前を呼ばれるとは死刑執行されることなので
いつも一瞬飛び上がり
目を閉じて
覚悟する
誰も共にいない
描かれたことのない例外
を、或いはその例外が全てであるような囚獄
を生きている
「成し遂げられた!」と言えないので
自分をアルシーヴ化できない
まだ詩になっていない
名前を呼ばれるとは死刑執行されるということなので
いつも一瞬飛び上がり
目を閉じて
覚悟する
誰も共にいない
描かれたことのない例外を、或いはその例外が全てであるような囚獄を生きている
成し遂げることが不可能なのであれば
アルシーヴ化も不可能である
詩にならなくても良い
名前を呼ばれるとは死刑執行されるということなので
いつも一瞬飛び上がり
目を閉じて
覚悟する
誰も共に居ない
描かれたことのない例外を、或いはその例外が全てであるような囚獄を生きている
成し遂げることが不可能だったのであれば
自分のアルシーヴ化は不可能だと分かった
名前を呼ばれたら
わたしは
死刑執行される
わたしは飛び上がり
目を閉じて
覚悟する
あなたが共にいないのは
描かれたことのない例外
その例外が全てであるような囚獄を
わたしは生きている
成し遂げられた、
と言えないわたしは
自分をアルシーヴ化できなかったことを知る

 

 

 
#poetry #rock musician

ambiguity・あいまいさ

 

Michio Sato

 
 

Once

In the snow field
The wind is blowing

The fog flowed through the snow field
The fog flowed and disappeared in the forest

I saw such a scene

Almost
I forgot

In the ambiguity
I saw a certain thing

I felt like that

 

Almost
Still there

 

 

*タイトルは、twitterの「楽しい英単語」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

島影 19

 

白石ちえこ

 
 

愛知県 佐久島

一色の港から定期船で佐久島へ。
地図をたよりに、島のことをよく知らずに渡った。復路の船の時間まで、静かな島を歩いていると草はらに気持ちよさげに草を食む山羊がいて、目が合った。
ずいぶん後になって、この山羊の名はビリーだと知った。
島にはもう一頭、山羊がいて、名はノン、というらしかった。
たしかにのんびりとした島だった。
この写真を撮ったのは2007年。
もうずいぶん前のことだ。