He appeared in his shirt.
彼はシャツ一枚で現れた。 *

 

さとう三千魚

 
 

this morning
I ran to the estuary

go
Back

it was 4.6km

arrive at the estuary
walk to the beach

in the rain
I was looking at the sea

the west mountains were also hazy
you were standing there

you
take off your clothes

standing naked

you were gray this morning

you are
Or blue-green

sometimes
it ’s grayish blue
it may be ultramarine

be there

He appeared in his shirt *

 
 

今朝は
河口まで走った

行って
帰って

4.6km だった

河口に着いて
浜辺まで

歩き

雨の中で
海を見てた

西の山も霞んでいた
そこに佇っていた

きみは
服を脱ぎ捨てる

裸で佇つ

今朝きみは灰色だった

きみは
青緑色だったり

ときには
灰青色だったり
群青色だったり

する
そこにいる

彼はシャツ一枚で現れた *

 

 

* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

Please come to see me every now and then.
どうかときどきは私に会いに来て下さい。 *

 

さとう三千魚

 
 

I had
a father

my father is a peasant

he was the youngest child of a peasant
he became a soldier

the war was over before he went to the war in the foreign land

he drank and got rough
he must have been rough

I didn’t even talk to my father

the father once cried

I’m ruined
when I go home

my father cried

other
I had a father

I just think of them as my father

I have a poet’s father

I have a printmaker’s father
I have a photographer’s father

My brother-in-law was also my father

I have a peasant’s father

Please come to see me every now and then *

 
 

わたしには
父がいた

父は
百姓で

自作農の末子だった
父は兵隊になった

外地の戦いに行く前に
戦争は終わったのだった

酒を飲んで荒れた
心が荒れていたのだろう

最後まで
父とはまともに話さなかった

その父が
泣いたことがあった

駄目になって
帰省したとき

父は
泣いた

他にも
わたしには

父がいた

わたしが勝手に思っている
だけだが

詩人の
父がいる

版画家の父がいる
写真家の父がいる

義理の兄もわたしの父だった

わたしには
百姓の父がいる

どうかときどきは私に会いに来て下さい *

 

 

* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

What is he like?
彼はどのような人ですか。 *

 

さとう三千魚

 
 

yesterday

that person
died

that person was a photographer

that person was a tuna sailor
that person was a truck driver

in the precincts of a temple in Asakusa
the person took a picture of a person

“A man who learned to sing tanka at Aomori Prison” and **
“Young man who walked from afar” **

I can’t forget those portraits

there
was there

wrap human life in light
that person made a person stand

at the bottom of the light
the river was flowing

that person took a picture of a nearby person
the people nearby were those who walked from afar

What is he like *

 
 

昨日

そのヒトは
逝った

そのヒトは写真家だった

マグロ船船員だった
トラックの運転手だった

浅草の寺の境内で
そのヒトは人の写真を撮った

“青森刑務所で短歌を詠むことを覚えた男”と **
“遠くから歩いて来たという青年”の **

写真が
忘れられない

そこに
いた

人の生を光に包んで
佇たせた

光の底に
川が流れていた

そのヒトは近くの人を撮った
近くの人は遠くから歩いてきた人たちだった

彼はどのような人ですか *

 

 

* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.

** 鬼海弘雄「世間のひと」(筑摩書房)より写真のキャプションを引用しました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

More often than not I lay awake all night.
私はしばしば夜通し目を覚ましたまま横になっていた。 *

 

さとう三千魚

 
 

morning
we went to the grave

it was the anniversary of my mother-in-law

I went with a woman by car

we water the stones

offering flowers and incense sticks
we prayed together

on the way back
I parked my car in the parking lot of the station

along the river
I walked back

the flowers of Confederate rose were in bloom

It was a pink Confederate rose

The woman says her mother won’t come to her dreams

Where is she walking

More often than not I lay awake all night *

 
 


墓参にいった

義母の月命日だった

車で
女と行った

石に
水をかけ

花を活け

線香を
立てた

手をあわせた

帰りは車を駅の駐車場に停めた

川沿いを
歩いて帰ってきた

酔芙蓉の花が咲いていた

ピンクの
酔芙蓉だった

女は母が夢に来てくれないという

どこの道を
歩いているのだろうか

私はしばしば夜通し目を覚ましたまま横になっていた *

 

 

* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

あきれて物も言えない 17

 

ピコ・大東洋ミランドラ

 
 


作画 ピコ・大東洋ミランドラ画伯

 
 

Philip Glassの “Dead Things” というピアノ曲を聴いている。

 

もうすぐ朝になるのだろう。
Philip Glassの”Dead Things”というピアノ曲を聴いている。

なんども聴いている。

死んだ物たち、
という曲。

死んだ物たちを思うのは、生きているヒトだろう。
生きているヒトは死んだ物たちを思い、語りかけるだろう。

そこに”橋”がある。

昨日の昼には、
静岡市に開店したHiBARI BOOKS & COFFEEという新刊書店に行き、
おいしいコーヒーを飲んだ。

それからお店の奥で開催されている多々良栄里さんの写真展「文と詩」を見た。

多々良栄里さんの写真にはヒトがいた。
そこにはヒトがいた。

懐かしいヒトたちだった。
懐かしいヒトたちの前で言葉は慎まなければならない。
懐かしいヒトたちは、わたしたちの中にいるヒトたちだろう。
わたしたちの肉体の、血となり、肉となり骨となったヒトたちだろう。

多々良栄里さんの写真には懐かしいヒトたちがいた。
その懐かしいヒトたちはこちらを無言で見つめていた。

 

昨日の朝日新聞の朝刊一面に「処理水 海洋放出へ調整」と見出しがあった。 *
副題に「関係閣僚会議で月内にも決定」とあった。

福島第一原発で溶け落ちた核燃料を冷やした汚染水を多核種除去装置(ALPS)で処理した処理済み汚染水が福島第一原発の敷地内のタンクにすでに120万トン溜まっていて2022年には満杯になるのだという。
その汚染水をもう一度、多核種除去装置(ALPS)で処理し、トリチウム以外の放射性物質の濃度を法令の基準値以下まで下げ、トリチウムは海水で薄めて海洋に放出するのだという。

安倍総理の政策を継承すると宣言した菅新総理は政策をスピーディに決定するのだというが、
新総理の「福島第一原発 汚染水処理」政策のスピーディを世界は認めないだろう。

わたしたちは経済優先で進められた世界の近代化の行き止まりにきているいるように思える。

この秋にわたしは新幹線で福島を通り故郷に帰省してきた。
わたしたちの肉体の、血となり、肉となり、骨となったヒトたちや物たちが、叫び声をあげているのが聴こえる。
わたしたちの世界は人間だけのものではなく、たくさんの動物や植物、微生物の生きる世界なのだったはずだ。
たくさんの動物や植物、微生物や死んだ物たち死んだヒトたちでわたしたちの身体は日々に生成されているはずだ。

核廃棄物の問題もコロナの問題も温暖化の問題も、人間を原因とした問題なのだ。
経済優先でスピーディに決定される新政策は人間だけでなく世界の動物や植物、微生物にも影響を与えるだろう。
それらがやがて全て、われわれ自身の生存に帰結するのだろう。

“Dead Things”というピアノ曲を聴いている。
懐かしいヒトたちの声を、いま、もう一度、耳を澄まして聴く時間を持ちたい。

この世界にとって取り返しのつかない事がこの日本から起こりつつあるように思える。呆れてものも言えないが、言わないわけにはいかない。

 

* 2020年10月17日 朝日新聞 朝刊

 

作画解説 さとう三千魚

 

 

 

I was at a loss what to say.
何と言えばいいのか、私は途方に暮れた。 *

 

さとう三千魚

 
 

yesterday
returned in the evening

then I fell asleep
on the sofa

slept

in the middle of the night
the woman is back

I woke up
TV was on

it was “time theory public theory”

yhen again
I fell asleep

I wake up at midnight
I went into the bedroom with Moko and slept

so it was morning

the west mountains stand blue under the gray sky

I was at a loss what to say *

 
 

昨日は
夕方

帰った

帰って眠ってしまった
ソファーに

眠った

夜中に
女が帰って

目覚めた
TVがついてた

“時論公論”だった

それからまた
眠ってしまった

深夜に目覚めて
モコを抱いて寝室に入って眠った

それで朝になった

西の山は
灰色の空の下に青く佇っている

何と言えばいいのか、私は途方に暮れた *

 

 

* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

I do not despise him because he is poorly dressed.
彼の身なりが悪いからといって私は彼を軽蔑しない。 *

 

さとう三千魚

 
 

wake up

human

in the morning
wake up

humans take off their clothes

another
clothes

wear

face
wash

and
humans open the door

human
along the river

head to the estuary

in the river
the water is flowing

fish

waterfowl
swimming

aquatic plants
it is swaying

ears of silver grass shine in the morning sun

on the peninsula
the morning sun is rising

the sea shines
at the estuary

stray cats live

stray cats are in the morning sun

stray cat kids are playing
in the nearby grass lawn

parents are closing their eyes

they are looking
with their eyes closed

standing

I do not despise him because he is poorly dressed *

 
 

目覚めます

ヒトは

朝になると
目を覚まします

服を脱いで

別の
服を

着ます

顔を
洗います

そして
ヒトは

ドアを開け出ていきます

ヒトは
川沿いを

河口に向かいます

川には
水が流れていて

魚や

水鳥が
泳いでいます

水草が
ゆらゆらとゆれています

すすきの穂が朝日にひかります

半島に
朝日がのぼっています

海が光ります
河口に

ノラたちは住んでいます

ノラたち
朝日の中に

います

ノラの子供たちが遊んでいます
近くの草叢に

親たちが眼を瞑っています

眼を瞑って
見ています

佇んでいます

彼の身なりが悪いからといって私は彼を軽蔑しない *

 

 

* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

Put out the light before you go to bed.
寝る前に明かりを消しなさい。 *

 

さとう三千魚

 
 

evening
when I go home

at the front door

moco notices the sound of the car and waits at the front door

always
be there

at the front door

when I go out
“I’m going”, hugging moco’s neck and calling out

moco
looking here

when closing the front door
I gently open the door and look into it

I can see moco running

on the golden cushion in front of the Buddhist altar

moco sleeps

always alone
moco

sleeping there

moco sleeps in the thoughts of the deceased

Put out the light before you go to bed *

 
 

夕方
帰ると

玄関にいる

モコは車の音に気づいて玄関で待っている

いつも
いる

玄関にいる

出かけるとき
行ってくるよとモコの首を抱いて声をかける

モコ
こちらを見てる

玄関のドアを閉めるとき
ドアをそっと開けて覗くとモコは

くるりと
走っていくのが見える

仏壇の前の金色の座布団の上で

モコは眠る

いつもひとりのとき
モコは

そこで眠っている

いないひとの思いのなかで眠っている

寝る前に明かりを消しなさい *

 

 

* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

I agree with you to some extent.
ある程度は君に賛成します。 *

 

さとう三千魚

 
 

before noon
the cow arrived

the cow is a sculpture
probably iron was poured into the mold

looking at the bottom
it was rough

this fall
when I visited Akita’s older brother

when I asked the location of the cow statue that my father cherished

my brother said, “It’s gone.”

So
I bought the cow statue at auction

before noon
the cow arrived

I think my father liked the cow

the cow is lying
looking here

I have received a pair of parakeets from my father
it died in Akebonobashi’s apartment

I didn’t talk to my father until the end
but I understood him

I agree with you to some extent *

 
 

昼前
その牛は届いた

その牛は
彫刻というか

鋳型に鉄を流したものだろう

底を見ると
粗いものだった

この秋に
秋田の兄を見舞ったとき

父が大切にしていた牛の像の場所を聞いたら
兄は

もう
ないという

それで
その牛と似た像を

オークションでもとめた

昼前

その牛は
届いた

父はその牛が好きだったのだろう

牛は

寝そべって
こちらを見ている

父からインコのつがいを貰ったことがある

曙橋のアパートで
死なせてしまった

最後まで父とは話さなかったが
父を理解していた

ある程度は君に賛成します *

 

 

* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

Mud adheres to my shoes.
泥が私の靴にくっつく。 *

 

さとう三千魚

 
 

the typhoon has passed

morning

rain
got up

I walked along the river to the estuary

rainwater had accumulated on the sidewalk next to the large hospital

birds were playing at the waterside of the estuary

the school of fish was swimming in the water

there was a man feeding stray cats
the man was surrounded by stray cats

I gave a bow
the man bowed his head

I didn’t need words

whitebait fishing boats were fighting ahead of the ocean

Mud adheres to my shoes *

 
 

大風は
過ぎていった

雨は
あがった

川沿いを河口まで歩いていった

大病院横の歩道には雨水が溜まっていた

河口の
水辺に鳥たちが遊んでいた

水の中を魚の群れは腰をふり泳いでいた

ノラたちに
餌を与えている男がいた

男はノラたちに囲まれていた

会釈した
男は頭を下げた

言葉はいらなかった

沖合の海原をしらす船が先を争い進んでいた

泥が私の靴にくっつく *

 

 

* twitterの「楽しい例文」さんから引用させていただきました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life