水仙の花の、咲いてる 02

 

さとう三千魚

 
 

寒波が来ているのか
駐車場の水道管は凍った

水が出ない

フロントガラスが凍った
キレイだよ

家の
まえの

道ばたの
水仙の

花も
凍った

透明で
黄色い

昨日
日曜日

秋田の姉に電話しなかった

午後に
詩人に会った

〝桜の樹の下で〟 *

なかなか
いないね

〝壊れているのが好き〟 **

詩人とは
名乗らないだろう

夕方
モコをおいて海を見にいった

なかなか
いないね

うれしかった
うれしかった

 
 

* 神尾和寿さんの詩のタイトルから引用しました
** 神尾和寿さんが語った言葉から引用しました

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

水仙の花の、咲いてる

 

さとう三千魚

 
 

家の
まえの

道ばたの
隅の

水仙の


咲いている

雨の
朝の

咲いてる
濡れている

透明で
黄色い

一昨日か


曽根さんの

アパートの近くの
馬込の

地下鉄ホームのレールの

傍の地下水の滲みでたコンクリートの水溜りに
緑のものの発芽をみた

竹橋では
画家の日々の生の花ひらくのをみた

画家がいた
人がいた

うれしかった
うれしかった

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

ぼくはちょっと *

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 31     michiuo へ

さとう三千魚

 
 

静岡駅の
北口の

地下広場には
水が

流れていて
小川のよう

水音がしている
水の流れの横を

人びとが
エスカレーターで

昇っていく

地上の
木立が

見える

ぼくはちょっと *
群青の空を

見上げてる

木の葉
ぜんぶ落ちている

 

 

memo.

2023年1月8日(日)、静岡駅北口地下広場で行ったひとりイベント、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」で作った31個めの詩です。
細野晴臣さんの”ぼくはちょっと”という曲をリピートしてJBLの小さなスピーカーで鳴らしていました。

自分のために書きました。

タイトル ”ぼくはちょっと”  * 細野晴臣さんの歌曲のタイトルからの引用です
花の名前 ”枯葉”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

手探りのフーガ *

 

さとう三千魚

 
 

昨日は

女を駅までクルマで送った

女は
エアロビに行った

エアロビの後に
銀座の歯医者に行くと言ってた

帰って
昼前に

風呂を洗った
お湯を満たした

眼の下までお湯に浸かった

午後
背中と首に

針を刺してもらった

夕方

貨物列車が眼の前を過ぎていった
電車で街にでた

火鍋屋で
辛い肉を食べた

男ふたりと
この男たちと

辛い肉を食べた
夜の辛い酒を飲んだ

また明日
また明日

 
 

* 高橋悠治のCD「サティ・ピアノ曲集 02 諧謔の時代」”右や左でみたこと(めがねなしでも)” より 

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

偽善者のコラール *

 

さとう三千魚

 
 

深い困窮が夜まで続いたとしても **
深い困窮が朝まで続いたとしても **

昼には
自転車で

河口まで走って行った

海には
浜風が吹いていた

女は
午後に

エアロビに出掛けていった

深い困窮が夜まで続いたとしても **
深い困窮が朝まで続いたとしても **

GDPの2%を

軍事費に充てなければならない
防衛費に充てなければならない

昼には
自転車で

敵基地攻撃能力を持たなければならない

アンケートによると
国民の60%が賛成している

女は
午後に

エアロビに出掛けていった

海には
浜風が吹いていた

 
 

* 高橋悠治のCD「サティ・ピアノ曲集 02 諧謔の時代」”右や左でみたこと(めがねなしでも)” より 
** マルティン・ルター「深き困窮より、われ汝に呼ばわる」より一部を引用しました.

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

象の風景

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 30     chihiro 様へ

さとう三千魚

 
 

象は

歩いた
だろう

堺から
長崎の

西坂の丘まで
歩いただろう

そこには
二十六聖人が

並んで
浮かんでいる

象は

酔って
照れ隠しに

笑っただろう
白い歯で笑った

帰ろう

野良猫のいる
西坂に帰ろう

百合の花の薫る

長崎の
西坂に帰ろう

 

 

memo.
2022年12月7日(火)、自宅にて、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」として作った30個めの詩です。
お名前とタイトル、好きな花の名前を伺い、その場で詩を体現しプリント、押印し、お送りしました。

タイトル ”象の風景”
花の名前 ”カサブランカ”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

しらす

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 29     tokio 様へ

さとう三千魚

 
 

もう
昨日か

冬の
曇った

港町を

ふたり
歩いた

冬桜が
咲いていた

家並みの
細い道の

向こうの

海が
光っていた

しらす舟は
網を曳いていた

舟は

しらすを
掬う

ひびわれ
しわぶいた

ものたちを掬う
海の底から掬う

 

 

memo.

2022年11月28日(月)、自宅にて、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」として作った29個めの詩です。

お名前とタイトル、好きな花の名前を伺い、その場で詩を体現しプリント、押印し郵送、詩の画像をメールでお送りしました。

タイトル ”しらす”
花の名前 ”冬桜”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

朝に

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 28     michiuo へ

さとう三千魚

 
 

夜中
目覚めた

女と
モコを

起こさないよう
階段を降りる

湯を沸かし
珈琲を

淹れる

紙を
ひらいて

平らに
ひらいて

花を
待つ

待っている

 

 

memo.

2022年11月26日(土)、しずおか一箱古本市での水曜文庫で行ったひとりイベント、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」第七回で作った28個めの詩です。

自分のために詩を書きました。

タイトル ”朝に”
花の名前 ”無花果(イチジク)”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

未来

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 27     mayumi 様へ

さとう三千魚

 
 

路傍に
いた

ピンクの花

咲いて
いた

会えると
うれしい

未だ
来ないもの

先にあるもの
白粉花

会えると
うれしい

うれしい

 

 

memo.

2022年11月26日(土)、しずおか一箱古本市での水曜文庫で行ったひとりイベント、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」第七回で作った27個めの詩です。

お客さまにお名前とタイトル、好きな花の名前を伺い、その場で詩を体現しプリント、押印し、詩の画像をメールでお送りしました。

タイトル ”未来”
花の名前 ”オシロイバナ(ピンク)”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

 

無一物野郎の詩、乃至 無詩! 26     yuki 様へ

さとう三千魚

 
 

きみは
かならず

咲いてくれた
紅い花

咲いてくれた

そこに
いた

傍に
いた

きみを
懐いていた

 

 

memo.

2022年11月26日(土)、しずおか一箱古本市での水曜文庫で行ったひとりイベント、
「 無一物野郎の詩、乃至 無詩!」第七回で作った26個めの詩です。

お客さまにお名前とタイトル、好きな花の名前を伺い、その場で詩を体現しプリント、押印し、詩の画像をメールでお送りしました。

タイトル ”窓”
花の名前 ”彼岸花”

 

 

 

#poetry #no poetry,no life