流木のように近づいてきた ***

 

高速バスでは

Dylan を聴いてた
名古屋港を高架で渡る時

雲が
いた

佇ってた

白い

古代の
女のようだ

少女の俤がある

“And she aches just like a woman.” *
“But she breaks just like a little girl.” *

ダメになる
少女の

雲の

白い

大阪に着いて
新梅田食堂街平和楼でビールを飲んだ

天満宮では芋のロックを飲んだ

柔らかい関西がいた

大阪まで
工藤冬里を聴きにきた

“one too many mornings.” **
“one too many mornings.” **

工藤冬里は

私を捨てて
押し流す

“流木のように近づいてきた” ***
“流木のように近づいてきた” ***

ギターをつまみ
ピアノを

叩く

土砂の流出した後で

歌う

“流木のように” ***
“近づいてきた” ***

岬にひとり佇っていた

ひとり
いた

 
 

* BOB DYLAN「JUST LIKE A WOMAN」より引用
** “one too many mornings.”はBOB DYLAN作詩・作曲の歌
*** 工藤冬里 詩「最後なのにないがしろにしたこと」

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です