分断の詩学は
終わった
終わったことを
続ける
終わっていることを
続ける
分断の詩学は終わっていることを続けるだろう
ヒッキーの
“flavor of life”をつまびいた
ない声で叫んだ
ありがとうと **
君に言われるとなんだか切ない **
なにも
ない
わたしにはなにも残っていない
歌だけがある
歌だけがある
たぶん
だれにもわからなかった
だれにもほとんどわからなかった
分断の詩学は
死者たちの歌だった
死んで生きろ
死んで生きろ
その歌は死んで生きるものが聴く
その歌は死んで生きるものたちだけが聴く
絶望に旋律があるならそれが最後の歌になるだろう *
絶望に旋律があるならそれが最後の歌になるだろう *
どうなんだろうか
終わっていることを
続ける
続けている
ない声で
歌う
* 工藤冬里の詩「逃げ足の速い静止した時間の瞬間移動の白黒」からの引用
** 宇多田ヒカルの歌「flavor of life」からの引用