日曜日の午後に
出かけて
いった
もう
おとといか
ロジャー・ターナーと
高橋悠治の
DUO
“たちあがる音楽” に
いった
青嶋ホールという
コンクリートの打ちっぱなしの音楽堂で聴いた
ロジャー・ターナーのドラムス・パーカッションと
高橋悠治のピアノのDUOだった
ロジャーは
シンバルにフォークを突き刺した
キーキー
引き裂いた
高橋悠治はピアノをピアノで無化していた
そして
無音に
帰る
意味がなかった
無意味とも違う
佇む
ヒトがいた
星空を
過ぎる風が
いた
流れる乳白の星雲がいた
いつまでも
なつかしい死者たちの横にいて沈黙の音を聴いている
女たち
男たち
ヒトの生は死の香りがする
* 工藤冬里の詩「捕虜となった私」からの引用