さとう三千魚
大風は過ぎていった
今朝
西の山は青空の下にいる
濃い
緑色をしている
頂上では
風が吹いている
だろう
夏草が
繁茂している
だろう
ユタ・ヒップはライプチッヒで生まれ
ニューヨークに渡った
ブルーノートで
ピアノを弾いた
ピアニストとしては
短命だったという
紳士服の裁断工場に勤めて絵を描き続けた
のだったろう
ユタ・ヒップの “Dear old stockholm” を聴いている
そこに彼女はいる
ひとりの女がいる
#poetry #no poetry,no life