さとう三千魚
詩を書かなかった
クルマで
小坂の
市民農園に行き
農園をみて
満観峰の登山口まで行き
すこし山道を歩いた
それから
マリーナ横で
釣り人たちを見ていた
風は止んでいて
青い水の中を小魚の群れが泳いでいた
こはだの群れなのだという
爺さんと来た男の子がサビキでこはだを釣った
うれしそうだった
その一瞬が
詩に思えてくる
その一瞬をことばで生きたい
帰って
伊豆のbookendに送る本を選んでいた *
自分の本と
読み終えた本と
積んであった本を
ダンボール箱に入れた
こんなに本はたくさんあるのに
いつか手渡すことができるだろうか
胸に沈んだ声を
じぶんと
あの人たちに
いつか
手渡すことができるだろうか
* bookendとは伊豆稲取にオープンしたお茶と本のフリースペースです。
#poetry #no poetry,no life