河口へ

 

さとう三千魚

 
 

川沿いを

はじめは
歩いて

川の曲がるところで
佇ちどまり

水面を見ている
水面に空がいる

屈伸して
膝と

足首を弛めながら

水面を
見てる

土手の斜面に
オオキンケイギクかな

ランタナも
咲いている

どちらも
外来種か

それから掌をひらいて
空にひらいて

走っていく

土手の雨上がりのアスファルトの
歩道を

カタツムリや
ナメクジや

ミミズ

ゆっくり
歩いてる

いくつか
踏み潰されている

やがて

河口の
水門の前で

不二を見る
いつも見る

見えない時も見る

河口には
野良たちがいる

野良たちは餌を待っている
おじさんたちが

おとなしく
餌をやっている

野良のそばに鴉もいる

野良も
鴉も

やがて土に帰る
ひとも土に帰る

カタツムリや
ナメクジや

ミミズ

ゆっくりと
歩いている

ゆっくり河口を行く
ゆっくりと土に帰る

そこにいる
みんないる

 

 

 

#poetry #no poetry,no life

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