渡辺 洋
悲しさを汗のように振りはらって
ジョンのように微笑みながら歌いたい
もっともらしいネガティブさに囲まれて
自分が信じられなくなるときには
C→F→G→Amのコードを弾きつづけよう
老人になって雲のように押し流されながら
世界のベランダを見ている
老人たちのかたまりになって
一人ひとり風に引きちぎられながら
お前たちの意味のない人生を
ふいごのような合わせた息で
吹き飛ばしてやる
神様が空気をつかんで破くみたいに
何もなかった場所に世界をひらく
ときには暴力的に
境界線上にいた人びとも引き裂いて
心たちのすみかをつくる
友だちと三人で逆立ちして
世界を持ち上げる
春風にヘソをなぶらせて
洋さんの退院後の写真を思い浮かべてしまい、胸打たれました。
ありがとうございます。詩を書くのは面白い。でも、人は他人の詩には何の期待もしていない。そんな寂しさがありますね。
渡辺様
おはようございます。
すくなくとも、
わたしは詩に期待しておりますよ〜。
また、詩をお待ちしてしております。
^ – ^
一人か二人、まあ数人の人が読んでくれればいいんじぁないの。
最後に残されたのが「生きる」というタイトルで、このように激しい思いの込められたものだったこと、痛切に感じます。ご冥福をお祈りします。
これらの詩を、洋さんが亡くなられた今読むと、彼の求めていた理想が、理想に向かう心がひしひしと感じられますね。もう一度、自分の詩作を問い返してみようという思いになります。3月26日
痛切です。
わたしもこの地点を考えたいと思います。
心たちのすみかをつくる
友だちと三人で逆立ちして
世界を持ち上げる
春風にヘソをなぶらせて
「かたまりになって」、「友だちと三人で」というところ、少し前までの洋さんの隔絶された一人のイメージとは違うように思いました。そのなかでの「一人ひとり風に引きちぎられながら」という死のイメージに胸を突かれるような思いがします。