Claudio Parentela
ちょっと
と読むらしい
鳥のようによろよろとひとは
「そこ」を
渡らない
空や川はいつまでも
「そこ」なのだろうか
きみはかんがえるふりをして
(六十年間)
奇妙な味の酒をのんでいる
死んで
生きよ
「そんなことあるわけはない
ちゃんと帰ってこい」
そういう妻も
きみも
(つまりわたしのことだ)
もう どこをも高く渡らずに
ほんのすこしだけ
夜の椅子で
たがいに羽のようなものを動かしている
※高円寺のバー「鳥渡」で