Hitoha Nao
デルタの町の
川沿いを
わたしたちは
自転車で走った
今朝は
本読みながら自転車こいで
行き過ぎたの って
講義に遅れた
たわいのない友のはなしに
笑いころげた
夾竹桃の
咲く
あの道
あれから
わたしたちは
別々の川を行った
わたしの川には
夏が終わると
光るすすきが
あたらしい季節に向かって
旅立ったが
友の川には
いつも
夏のアザミが
繁っていたらしい
夫とともに住んだ
ラテンアメリカの国では
言葉に不自由な
孤独な生活であったと聞いた
帰国して
穏やかな日々であろうか
あの川沿いには
今も あの
あかい夾竹桃は
笑っているだろうか
2016年7月
ピアニストのYoriko Hattoriさんとのコラボ作品です。
https://m.youtube.com/watch?v=Y7ZmCzYs5HA