萩原健次郎
眼に
芯があり
芯を
電子的に
焼く
焼いて見ることを
恢復する
あらためさせられる
苦悩など
水底ふかく
捨てているから
もう平らかな
私性に
溺れることもない
わたしの
遭難趣味は
きれいなあと
景色の奴隷になってもなあ
改宗したり
水に眼浮く
顆粒
玉の尖
虫はしらないうちに
這い
墜落する
算術の
生と滅と
アセテートの朝
軸は
身体の管を
通過して
無類の
丼(陶製)の
表面を歩いていた
影殴りの
光抱きの
埋め
世
連作「不明の里」つづき