夜の瞑想

 

鈴木志郎康

 
 

雨の夜
窓のカーテンを
閉めて
わたしは
テーブルに寄りかかり
昼間の庭に
ビョウヤナギの黄色い花が
咲き揃っていたのを
思い浮かべて、
瞑想する。
今日も
充分に食べて用も達した。
下剤無しでは排便できないってことも、
こんな風に
わたしは生きて行くのだ。
ビョウヤナギの沢山の花は
咲いては
散って行く。
この先、
わたしは
何年生きるのか。
家の中で
歩行器無しには
歩けない。
外に出るってこともない。
ベッドで
テレビの画面に映る
世間の出来事に、
現を抜かしているってこと。
これが、
今の、
このわたしつてことよ。
しつっこいぞ。

 

 

 

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