道 ケージ
そろそろ玄奘が女になる頃
八戒の男色は艶めき
ちくわを洗う
憂鬱な沙悟浄
空を見上げて血を吐く
舌を噛み切ったらしい
陵辱の朝
緑の皮膚に
毛糸玉 転がる
弾かれた矢は
肺をかすめ
敦煌に果て
切られた鼻は
桃色の血と息で
とてつもなく臭い
手製の網で
絡めとる
四つ脚を銀でくくる
もう 字は書けぬ
メスカリンとモルヒネ
鉤爪で目を抉り
即、耳を削ぐ
人には言うな
もう少しで
助けに行く
出会い頭
白い豚足に
踏みつぶされる
怪人どもの釣り下がった
電線が夕方に光る
自らの光ではなく
高電圧のショートにすぎない
警告音のように
焼け落ちていく
「オレはオレだけのためにオレを滅ぼしてきた
空0怪人の務めゆえな
空0罰すると
空0罰せられたいのさ」
扁桃体が震える
そのまま縮んでいけ
それから
草原に出て
枯れ草を踏んだ
弓を放ち
手応えを急に感じる
鉄塔が電線を放ち
空を何重にも配分する
雲
すべて射落す
言葉 探しに