神坏弥生
明け方俺は、奴を殺し、早朝、ほの暗い街を飛び出しいた
家へ帰ると、妹が自殺していた
ただ混乱した頭をどうしようもなく
喪失してしまったものを探しながら
列車が来るのを待って衝動的に切符を買い列車に乗った
駅前のカフェしか店もそれ以外は無い
黄土色の堅い大地が広がり時折一陣の風が吹いて
黄色い砂埃をあげる駅で降車した
カフェの扉は開いたまま、JAZZなどが静かに流れている
だが怒りは尚、俺の内側から噴煙し噴き上げる
俺の中に居た大切な者の為に怒り狂い固い大地を歩いた
俺を残して死んだ妹を、俺を独りにしたことを憎んだ
俺に「愛している。」などと嘘をついた者を憎んだ
愛していないのに下手な甘い言葉で「捧げる。」などと言ったことを
憎悪した
荒地の中で全ての存在を光々と照り付けて
証明づける太陽を憎んだ
おれを独りにしたことを怒りと憎しみのまま、
太陽に向けて大声で叫んだ、
「殺してやる!」と
朝日の来ない暗がりの中で独りつぶやいて、書き留めておきたかった
俺を、孤独にし独りぼっちにした存在していた全てを憎んでいた
ただただ、砂だらけになって泡を吹きたくても吹けない口と髪や衣類の中も
砂だらけになって
飢えと渇きにより彼は倒れた
彼は、野たれ死んだ
ろくでなしの一生とともに
一生を終えるに、それほど時間はかからなかった
ただ愛するものの喪失を憎めばよかった
「愛している。」が狂気に変る瞬間に
彼は憎いと怒り、死ねない自分をあがいた
彼は憎しみの裡に絶望し
息絶えて
黒く干からびていった
彼の骨を拾うものはなく
墓を立てた者はいない
黒く焼けた骨だけが一陣の砂風にさらされている
掲載有難うございます。
さとうさん、誰か、投稿詩にコメントしてくれた方は
いらっしゃるのですか?見方が判らないです。読んでくださった方は、どう思われたか大変興味があります。教えて下さい。
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