ヒヨコブタ
なにも思い出したくない朝と夜がある
わたしは
表面的に笑いなぜふざけているのだろう
そんなことにもとても疲れて
追いかけてくる過去なんてうんざりだと手ばなしたくなる朝と夜が
この感覚は昔からだと気がつきもする
すべての記憶を手ばなしたら
嬉しかったささやかなことも消えていくなら
わたしはすべてをからめとり
からめとられていたいのだと応える
じぶんに
ことばのなかにひきこまれるとき
会えぬ誰かとの感触がある
地名のなかのあのみどり
わたしは
ほんとうにはしゃいで、いた
そのあとのこともほとんど覚えているのに
書くことのなかに痛みがあると知っていても
幼く頑ななわたしにそれを伝えようと
いまとそこまで変わらぬかもしれない
すべてのうつくしさもそうでないことも
書きとめてしまうのだと
はやく、はやくと急いていた幼い頃から
大丈夫になることも、ある
不安が増大しすぎる時期も生きた
当然じゃない?と開き直って
わたしは行こうか
30年夢見ながら
よく苦しみました
時代は変わるようだけれど
あなたももれなく変わっていくから
心配しすぎないで、疲れたからだをまとって行こう
少しだけ励ましたいのはわたしだったね
ハグするよ、わたしじしんを