工藤冬里
挟まれた彩度の中
牛蒡の身長で立つ
フリンジには青紐が渡してあって
この道、と言われていた分離divergenceは
揺れ戻しの後の
酸いdressingの中
油のように浮いてくる
画面の僅かな乳濁の中
他国の刑法で裁かれようとする
among the aliens
髪が黒すぎるカラスみたいだ
いかに離れ落ちたかを具に見
野獣にやられるさまを具に見
抽象する
逃げ道がない
輝度温度入り乱れ
曲線も直線も平面に入り乱れ
挟まれた彩度の具に
ワイド画面も狭められる
as an alien among the aliens
頑なに守る領土
頑なに付け足す領土