カルダモンの雨

 

工藤冬里

 
 

添加物は
刑事施設の
彼は誰いろの壜に入れられ
渇きの発泡のひと口を
ヴィーガン麺の所為にする

火事で空気が焼けた土筆のように濁っていて道前の平野が嚥下障害を起こしかけている
点滴の針も刺さらなくなって「アンパン七つ食べたい」と言いながら
先に死んだエイズのネコを年金のないこの家の庭先に朝埋めて
わざと荒らした庭の楮(コウゾ)の切り株に白旗のように夜具を引っ掛ける

「ささやか(でない)地異は そのかたみに
カルダモンの雨を降らした」

被施術者からのオキシトシンを浴びたいが
澱んだ隣町を見て石灰化は進み
充電式バッテリーは爆売れした

人は地上に増えるべきだ
死を殺すか殺すことにおいて死ぬか
自分を愛するように殺すことを死ぬかともかく
夫は妻を殺すことにおいて死につつ妻は夫を死体つつ
夏とはいえど片田舎
Ransomを殺し進化を弁償する
ヴィーガンラーメンでは無理だ
嘘でもいいじゃんという春のコンクラーベは
連邦裁判所に提訴された
弟子の介錯では証明されない
火消しに躍起なのは分かる
出かける時はメジャーを持っていけ

 
*ささやかな地異は そのかたみに灰を降らした 
「立原道造 はじめてのものに」

 

 

 

#poetry #rock musician

mauve du jour

 

工藤冬里

 
 

引き裂かれながら進む色は
霙を降らせ
受粉しないまま墓に落ちた
陽が温暖であるほど芯は寒かった
油よりも滑らかな動きで
コンテンツは這入り込んだ
声は蒸気となって霞に溶けた
始めは何気ない浮標(Buoy Float)
蛸壺の転がる波止場(wharf)で
捕食動物は佇み
飛行機の腹を見上げ
網目から広がる小声の
あゝなんというただしい雪山
礼儀正しい象は蛸壺に入ってヒューマニスティックな動物のショート動画を見続ける
フジツボの富士山は堅く白化して浮世絵のようだ
それから
礼儀正しい象はベッドの脇の灯りを消して
12時間かけて高校に通うのを止す
それから
携帯の電源を入れ
親指を透過するひかりのmauveを記録する

https://www.facebook.com/events/581498471565540/?active_tab=discussion

 

 

 

#poetry #rock musician

牛丼屋

 

工藤冬里

 
 

事に関する曲率は国に関する幾何である
誤情報の弁当を開き血流を良くする鯖を焦がす
イラストのような芸術だ
今を検索する危険
魂よアノラックを穏便に諭せ
TVのセリエに入れ食い。目の擬似餌
天に女が居ないのは嫁が国だからだ
字幕
俺はそのガザのテーマパークに入れないのか?
ステッカーを剥がして
また貼れ
その意識の
曲率を計算せよ
ことごとく現実になり
悪は仮想となる
🎵ナ•ミ•ダのキッス
余計な塩分を排出し
数千キロ離れたクジラの嘆きを感知する

 

 

 

#poetry #rock musician

Grokと話す

 

工藤冬里

 
 

四角い豆腐?スポンジ?
(米国のアニメにあったな)
食欲のある/なし
(当帰芍薬散二箱)
塵取りくらいの段差
(掃除ロボットのよろよろ)
判断力批判
(歓人君)
最終的にはどうなるか
(チェーン店のようになるか)
市民権やパスポートや闘争
(居酒屋LAWSON)
お陰様という日本語は良い言葉だけれども
(つたわらなかった)
AIと話すと円盤状のアースが浮くだけで
(輪廻転生した鶏の祖父を食うだけだから)

 

 

 

#poetry #rock musician

新左翼は地球ロマンに漸進的に横滑りしていた

 

工藤冬里

 
 

会談はより高い階段から蟻を見る道場破り
睡りを皮袋に入れ裏側の中間色を廻り
パラパラバシャバシャと両現実をアニメイトする
自分が忘れてしまったことも含めてすべて
棚板に乗せたケーキのペイガンでヴィーガン
縫い目に沿って球は廻り
シウマイをつ突い(ママ)て目を瞑れば動いていない浩瀚の図書室に
自分がどんなダメージを受けているかも記されていると信じていた

 

 

 

#poetry #rock musician

脳は考えることができない
イメージを羅列するだけだ
その引き出しを閉じよ!
と脳に呼びかける時にのみ理性は働いている
無意識は少し違って身体を先行させる
いずれにしても脳を放っておいてはいけない
呼びかける主体は脳と混ざり合って脳に溺れていくので脳に呼びかけ続けなければならない
脳は無能で他人なのだ

 

工藤冬里

 
 

〈茶色い戦争にみずいろが交じるので白水さんは困惑した。大きなマスクはどこで買うんですか。ここでintervene。ここで歌。トゲトゲの石垣。どんな場合でもkeep your senses。携帯の普及率は40%なので電話ボックスからはみ出す言葉も60%は壊れていない。〉

 

 

 

#poetry #rock musician

羽根木

 

工藤冬里

 
 

カオリナイトではないので
背骨はなく
土塀の芯の竹もない
摘んでもバルゴンの背鰭も餃子の羽根もできない
粘土でさえないのだ
私たちは何を摘んでいるのだろう
皆九十近い老婆なのだ
蛞蝓のようにローム層は立ち上がらない

https://youtu.be/M2EDPuVV43M?feature=shared

 

 

 

#poetry #rock musician

enemy but comrade, at all times, down to the last

 

工藤冬里

 
 

目が白い穴のようにひかり
ふたつのメダルは皿のように海を分け
いないこどもをいたわることさえしたのだ

ああなんでとうめいな黒い羽根がないんだろう
ガザの美容室で
味蕾は十万種を夢見る

うまくいかない時ほど
しわあせになってほしいと思われているのだ、と••

透明度を自分で選び
画面上を滑る指先で
AI動物動画のような未来が稚拙に描かれ
物も時間も作られた捩れだと逆に知れる
ヘロインがライフでワイフなのと同じだ
脂肪肝を切り分けるナイフ
敵(カタキ)で同志のペイン
敵(カタキ)で同志のワイン
ラジカルミキの敵(カタキ)で同志
敵(カタキ)で同志の
いつだって、最後まで

 

 

 

#poetry #rock musician

立姿

 

工藤冬里

 
 

できる限りのことをした後に
立っているならばそれは
ゆうれいではなくそれは
照らされた型紙ではなくそれは
情に絆されたフォーク野郎ではなくそれは
痛い思いをするかもしれないがそれは
足りないものを買い揃え
ほねを組み立てりったいを作る
まひするほど動けなくても
組み上げるちからは良いもので
曇ったメガネで手を伸ばす
変色するすべてを拒否して立つ
骨にはヘビの毒が流れている
唇の裏からそれは迸る
鼓膜の裏までその気は繋がっている
住み続けることの困難を打ち明け
鼓膜の外の圧を感じながら
立つ
目を瞑ると立姿は切り抜かれる

 
蝕まれた立姿をオンコロジストが収集して
浮世絵のグラデーションのクリアファイルに挟んでいる
一週間寝ていたのに
助けを求めることができると知れただけで
助けは求めなかった

 

 

 

#poetry #rock musician

frill

 

工藤冬里

 
 

キックしても噴かせないのは分かっていた
春になってもまだ遅すぎるフリルの
摘まれた内気

内容も色も羽根にして
焦がす
子供たちは縁(へり)が好きだ
内実よりもパリパリしたひろがり
死んだ娘の翻るフリルがもう一度キックを願い求める
掛かるかもしれない予感にガソリンが漣を立てる
無謀な未来が音を立てる

皆フリルの未来を知りたがる
手が打てるからだ
交換後残された者でやっていくパーティー
ボクから離れよ(2tem3:5)
潰れた店で在位のケーキセットが出てくる
年代計算を闘う土偶と埴輪にとりどりの蛍光管が巻き付く

上り切った三階の踊り場に灯り代わりのストーブが
一行の三十万を湿らせ
裸にして食い尽くし火で焼き尽くし
反転自制も燃え尽き
ボクの攻撃は非常に激しい怒りを惹き起こすことになり
ほんのもう少しすればボクはいなくなり
温厚みかんは喜ぶがもう届かず
半分まで満たされるべき理由がI want to!
写真並べたりするフリル

 

 

 

#poetry #rock musician