斜体の生活

 

工藤冬里

 
 

一日に何回かシニタイと口を突くのだけれども
録音出来たとしても嘘くさい台詞で
嘘くさいと思われるだろうなと思いながら聞いている
自分は首が痛く
余命もあと僅かである
詩に鯛 肢煮たい 市にタイ
人のセンスの無さを嗤うだけで
半世紀過ぎてしまった
自分はといえば
愛でるものが無くなって
目の前のコーポリーナの壁に貼り付けられたコーポリーナという斜めった字体を見ている
我が生はフォントのイタリック体に若かず
と見栄を切ってみるが
暖房を切った車体は寒さがいや増して咳が出始めるので
斜面を降りて
僕はいつも窓から帰るのである

 

 

 

#poetry #rock musician

百葉箱

 

工藤冬里

 
 

アンダーグラウンドは常に正しい

フーコーによれば少数派が常に正しい

大統領選で言えば敗けたように見える方が正しい

日本で言えば与党連合は必ず正しくない

当然常に正しいアンダーグラウンドが消滅して正しさは見失われたように見えたが
中国に飛び火していたことを知ると
世界が一定の正しさを担保として動いていることは明らかだ

正しさはだから正しくなさを補完する機能でしかなく
正しいこと自体が悪であると言っても過言ではない

苦いを甘い、甘いを苦いと言うようになる、と言われていたのはこういうことである

以上

 

 

 

#poetry #rock musician

狂言「けなげ猿」

 

工藤冬里

 
 

長旅をしてきたように見せかけていたのがいつか中身が追いついて一廉の音になっていた
女装と刺青のお陰で低姿勢だったがそれは最期まで変わらなかった
大野一雄のようではなかった
変わらないなかでこのような美しいをどりは見たことがないと思った

Xinlisupreme – All You Need Is Love Was Not True 聴き返してみたが忘れていた
〽わしかてずーっと一緒に居りたかったわ が引き続き鳴っていた
脳は水の少ない球だからどこにでも仕舞えるのだ

能勢さんに京都国際映画祭で八木一夫を扱った映画を作ったから観るようにと勧められて
ギャラリー射手座が出てきたのが懐かしかった
バスの窓から弁当のカラを捨てる八木一夫
八木に嫉妬され潰されたという寺尾恍示のわざと割ってから継いだ作品はありふれていた

山椒を唇に乗せると五〇ヘルツの周波数が記録される
痺れは紛れもなく可聴域のをどりなのだ
変わらないなかで味がありふれていた

米の代わりにブルーチーズを詰めた琵琶湖の鮒鮨の、ブルーチーズだけが(この「が」に馴れるまで十年の漬け込みが必要だった。)売っていたのを土産に買って帰った。
今日食べると言うので寄り道して踏切を超えると、羊を抱くように羊のような犬を抱いて歩く男がいた。白井屋の娘に訊いたらアリアニコ百パーのカルトワインがありますぜと言う。能動的に買いに行く感じで買ったのはこれが生まれてから二本目であった。闇の中で狸を切ってしまったような重味で、こんなものか、と思った。重さとは時間の速さの落差のことである。

熱以外に過去と未来を区別できるものはない
それは熱力学の第二法則であり、焼き物とは過去の熱が移った未来である。
窯焚いてるから暇なんだよ
重さとは隣接する時間の熱のことである
炭を四千いくらで買って扇風機を当てていますがまだ上がりません
塩投入した

一つ星シェフがファミレスでバイトってラーメン発見伝の芹沢サンとどっちが先なんだろうか
特別な未来があるわけではない。特別な曖昧な過去があるだけなのだ。曖昧さがなくなる時過去も未来も消える。
過去と未来があるのは、私たちが馬鹿だからだ。
目の細かい籠を表わすヘブライ語はサルです
「笊(ザル)」じゃないですかこれって
けなげ猿
速度が増すと時間は遅れる
群衆に掃射して一掃するゲームが多すぎる
再び合流しなければ速度を問うことは無意味である
セブンにおでん出てる
離れた場所には、「今」に対応する特別な時間は存在しない
葛根湯と小柴胡湯を併せ呑むと重症化しにくいそうです
あとはビタミンDが良いというから椎茸干したやつとか
調布に空洞 オレはくどう
瞬間に今を問うことには意味がない
高知県美のピアノは今月一〇日に弾くことになっていたので使わせてくれと土下座して頼みましたがおまえらは壊すからだめだと貸してもらえませんでした。舞台自体はネオシチュアシオニスト大木裕之三〇年の集大成となりました。
高知は、準備としては、大木さんがスペクタクルスペクタクルと力説するので、それがテーマとなった。ギー・ドゥボールの著作を読めば、反スペクタクルとは要するにつまんなきゃいい、と要約できる。分離派建築との関連を言えば、要するにつまんない家を作れば良い、となる。ということは「住めば都 A tout oiseau son nid est beau.」てことだ、と思いその看板を作ってステージ上を移動してみた。後で能勢さんにそれを言ったらウケた。宿営毎にバイオリン、三味線、zoⅢ、と使い分けて、中原のノイズ、佐久間の能を起点にして動いた。ピアノがあるとかないとかは別にどうでもよかった。近代は終わっているのだ。
現在は全体には広がらない
現在はない

時間はない
もう輪も矢もない
空間を一直線に進む妄想を捨てるために誕生日を祝わないのだ
海面のバブルや前世紀末の物理学の展開の速さを知らずに海底で引き摺られていた痕跡のように
ロック史とは孤立系からtを抜いて成立させる世界観であるには違いなかった
死ぬ前に”I love you”とかヨウムのアレックス君すごいなー
後釜のヨウムはPTSDやトラウマがあったりしてだめだったそうだ
玉置浩二は小林旭になれるかなあ
〽︎粉雪ーねえ 永遠を前にあまりにはかなく
数学の方が上だな
物理学や哲学よりも
東にひんやりとした星

 

 

 

#poetry #rock musician

語彙詐欺にスピーチ

 

工藤冬里

 
 

人生がまだまだ続くと思ってる奴にいつかの秋晴れに透けた月の栄養のなさを知らせてやりたい
人生がもう続かないと思ってる奴にはいつかの赤色矮星なみに肥大した明け方の月の入りを教えてやりたい
菌が這入ろうとする幻魔大戦の身体には卵子が合鍵を持ったオレオレコロナに騙されないような被災者に寄り添った援助を考えていきたい
帰り道、五日連続で同じ路上に立っているゴイサギに今日もスピーチする
ダルそうに羽撃く彼女の馴れ馴れしい眼がいい

 

 

 

#poetry #rock musician

時間の合鍵を渡してしまった独身の身体或いは

 

工藤冬里

 
 

時間は一瞬に充満する
合板の天井が暗く燃えて
視聴の環境は整い
簡単な絵さえ描けぬまま生きる
言葉を覚えた鳥が
I love youと言って死んでゆく
平和だなあ
日常の食物を使って
感謝を表せる
私は汚物なので埋めてください
包丁持って隣家に怒鳴り込む
偽物のおでんのような夕暮れに
可愛い女の子が丁寧にお辞儀して本を借りてゆくが
食事に与(アヅカ)ることは出来ない
それとこれとは構造が違う
写真などいくら撮っても無駄だ
苗字など無いと思え
火を絶やしてはならないがその伝承は間違いだから
おでんは無理だ
合板の家の中で
恋ではない罪の犠牲は定められていた
京都が嫌いだ
黒白の事務員は好ましい
先々のことを心配するんですけども
一日生きられて
最大限の憐れみ深さをチョコに沈める
オーデン詩集の出汁に宝石
奪い取ったり騙し取ったり
朝まで夜通し焼く
着替えて灰を捨てる
丸ごと焼く
吉岡実が使った燔祭
政府と結び付ける 棒
棒と棒が会話している
棒が棒として三島を打つか
この前会社で
コロナが合鍵を使って異物に入る様子が精子に似ていると話しましたね
〽︎でも見てよ今の僕を クズになった僕を
サンタクロースじゃないんだから
ゴキブリとカマキリは親類
刃物を持って隣家へ
鹿沼でクレーン車が登校の列に突っ込んだ事故は覚えてますか
六花は隣接した時間しかないことの証拠で
松山千春は室野井も呼吸する北海道のドン
黒と白だと思っていたら灰と白で誤魔化された
おでんみたいに誤魔化されて
ライトは上向きがデフォ
もう連絡先が分からない
全身とは言わず全宇宙に転移してほしい
空が赤いのだから
ずり落ちそうになり
直し
ずり落ちそうになりながら
直す
ずり落ちてくる空に
傘の棒杖を置いて
座る
四十日食べなかったら
その椅子が見える
団地ともおでもいける
時間は一瞬に充満する
そして未来ではなく現在が終わるだけなのに
合鍵を渡してしまった

 

 

 

#poetry #rock musician

白のエチュード

 

工藤冬里

 
 

パースを基に突点を結び
キュビズム前夜のように
ではなく
面を塗る
透明度の高いメディアを使い
重なりを細めの帯として
線の代わりとする
棄てる米を捨てない米の上に棄てるこの女と
また出会えるだろうか
「白のエチュード」は
ベニヤに直に塗られていた
柿畑に仕込まれた鳥追の
猛禽の叫びのループに
いつかひび割れる脳

 

 

 

 

#poetry #rock musician

違反者

 

工藤冬里

 
 

免許センターに行った
ナビに頼らずに行った
都営の応募の、灰色のC層を予想した
途中吉藤の、
借りようと思っていた窯場を過ぎた
朴の木のある
東京弁の女だった
五〇〇〇円くらいだったら陶芸教室に入ってもいいわよ
あの頃は金が無かった
セブンに寄った
時間はあると思った
そこであっさり命を落とした
そうしたら三種類の電線が面白く見えた
しかし矢張りバッドラックに引き返した
マスクを買うのは生まれて二度目であった
まさぐった
掃除婦が同じマスクをしていた
倫理がなければ詩を生きても意味はない
非常に分厚くワックスが塗られている

飴のようだ

 

https://twitter.com/_YukioHakagawa/status/1331374568351559680/photo/1

 

 

 

#poetry #rock musician

海面近くのバブルや前世紀末の非線形の展開の速さを知らずに海底で引き摺られていた痕跡のように

 

工藤冬里

 
 

線形がないことが線形なのではないか
複雑系が単純の裏皮なのではないか
曖昧な過去が愛の熱の標野なのではないか
時間が存在しないことが時間なのではないか
自己形成を完了し脳の中で思い出は
過去から順番に平然と並んで
いじめられたことは覚えてないと言う
楽しい思い出しかないと言う
海面近くのバブルや前世紀末の非線形の展開の速さを知らずに海底で引き摺られていた痕跡のように

 

 

 

#poetry #rock musician

クラスター

 

工藤冬里

 
 

最後の日々に偽りは一定の役割を果たす
集まることができるからだ
二番町の会員制スナック真野に発生したクラスターは
下半身のないzoom勅語のカウンターをもたらし
心のどこかで同調してしまう紫のネオンの
一一月はとりわけ
鷺の往来烈しく路肩に横たわるハクビシンらの
trustworthy
ボリビアのラパスで家政婦をしているエマは
透けて揺れる葉っぱ以上のものを見た
つぶらな形の頭の中に光りは仕舞われていった
戦争に深くかかわり合っていたことは明らかです
祈願の両翼型は無意味である
わたしは聞いていない
再び暴力行為の正当化について
良い人なんだけどバビロンの娼婦を誤解しているから
すり潰してサラ地にする
真砂土を撒いて
真砂土を撒いて
好転させる
老齢や事故で死ぬことはなくなりますし
trustworthy
平和な時を活用して軍事力を強化するアサ王に対して加藤典洋ならなんと言うだろうか
免疫力と言い換えればどうだろうか
見えない軍事力とは常に最終兵器でなければならず
未来があってはならない
それは見えない一つの石飛礫でなければならない
それは言語を準備することだ
言語が石礫なのだ
見えるハト派と
見えないタカ派を撃つ
木造の枠組を下から見上げ
尻を暖める
想像力とリサーチで
思い違いをしないように
全ての人から憎まれることになるとリナちゃんも言っているではないか
いつまでも退けられる

 

 

 

#poetry #rock musician

健気さがない場合
zoomの背景設定は意味を成さない

 

工藤冬里

 
 

bamdcamp
https://torikudo.bandcamp.com/track/zoom

 

健気さがない場合
zoomの背景設定は意味を成さない
生まれる前からやっている
生まれる前からやっている動画にマージせよ

生まれる前からやってるバー
生まれる前から張ってるフロンティア
生まれる前から流れてる動画

健気なバー
健気なフロンティア
健気な動画

 

 

 

#poetry #rock musician