工藤冬里
夢の方がまだ良かった
夜叫ぶ鳥等がその証拠だった
万能感に打ち拉がれるよりは
夢の中に早く入りたかった
寝ながら人を殴るとしても
夢の中の方がまだ良かった
夢の中では二色の車のドアを外した
黒い方のドアを燃やさなかったことで女が金切り声で歯軋りした
誓うことで論争は終わる
夜叫ぶ鳥等に誓うことで論争は終わるか
今年は冬瓜を見ない
産直市とかでまめに探すのだが高知にも愛媛にもなかった
不作だという情報さえない
冬瓜に何があったのだろうか
熱帯化によって旧来の夏野菜はうまく育たなくなっていると野網君が言っていた
朝顔が秋の花になったように私たちの夏は秋になり、太陽は木星に、月は血に変わるのだろうか
夜叫ぶ鳥等よ
夢の方がまだ良かった
きみたちがその証拠だった
万能感に打ち拉がれるよりは
夢の中に早く入りたかった
寝ながら隣人を殴るとしても
夢の中の方がまだましだった
夢の中ではドアを外した
黒いドアを燃やさなかったことで女は金切り声で歯軋りした
自分より偉大な者に懸けて誓うことによりどんな論争も終わる
その誓いは法的な保証だからだ
歯は前線の城なので
マウスピースはあたためておけ
公民館のワタナベとマツモトの子らをがっかりさせて
町営住宅の 来た道を急いで戻る
アイダさんが見にくるとりかえしのつかない夜に
特攻の蚊が遠くで
サックスよりも遠くで
墨流しに似た白線の平行移動
マル・ウォルドロンのホールトーンの平行移動
カミナリもありまっすぐには降らない
点々だし
マスクメロンを被っていた
藤井マリの消息を久しぶりに目にした
カボチャは売られていた
冬瓜
夜叫ぶ鳥等
身軽になって
やさしさの反対に除き去られ
富はわたしたちの為に使われ
痺れが辛さに対するように
四次元から感情を見下ろす
示されたのはモダニズムの線の限界
海底の山を飛行機から見下ろす
額には三つの海
手の平は甲より厚く柔らかく
高さと低さの測定の為に
1㎠に2500のセンサーがある
無人の店の実の正しさは
予測できる富の消滅
忘れ去られていく死んだ人々
シーズン2まで形作られた
論理と思われていたもの
シルバーヘアの内面が黒
宇宙外の服の人がいるけれども
外はいずれ衰える
前もって考えた
親に育てられなかったが
根から青く変わった
コンクリートさえも輝く
ダクトはクジラ内部の乱視のイカのようだ
塗り絵の囲み線に
夜の水色を乗せる単純が
壁に髪ごと埋め込まれている
吊り梯子で外縁へ出、
家族の言うことを聞かない
卵子星のヘリウム→炭素 爆発
星 と 人 にも示される
ザラメの回転の 声
崩壊は意図されていたものか
大気は断熱材として
ヨクちゃん
竹という草は
家や服に
草津のヨクちゃん
赤ん坊の黒目がちに戻れたら
白クマの毛は透明だが
皮膚は黒なので鬼萩
体温は37℃をキープ
動物は永遠に生きない
二千億の星のキズナのいわれ
矯正のいわれ
他愛のない言葉に
脱ぎ捨て 身に着ける
断熱材としての家や服
四肢の整った
青髯の身分証明
脱ぎ捨て 身に着け
犀を抱いて二人で歩め
と陰影明朝体で発音する
魚の顔でギャングに会う
夢の中で殴ってくる
夫のいない天候
落下する胸の水
子供というより子供の気絶死に気を配り
あやめのセットアップを手伝う
必要な土に還元され
根差した垂直の労苦
パンツを履かされた石
一つ選び 継続する
人類だけでなく 私に
一つ選び 継続せよ
裏の裏を裏返して
すっかり疲れて元気
夢の中で殴る
燐寸とは誰か
薪を割り変化を補給する
高知の魚の下顎の歯の列
落葉眼に降るジャングルで霊的に餓え
撫で肩に従う
爽××××
顎のラインがしんちゃん
鰐の蝦蟇口
一日二ドルの収入
海はその深さによって分断すると同時にその名のさらなる深さによって私たちを結び付けている
絶えない体
絶縁された体
配偶者の必要に敏感な
カフカの耳をしているが
この辛抱は本物だ
温和 温和 温和
敬う
その概念さえない中で
示し方を教える
褒めすぎてはいけない
自慢する姿を見せない
おきてがまもりとならなければならない
誓いにより論争は終わる
夢の中では悪魔が興行していた
他の岬の境界にある仮の建物で
見知った人々がパゾリーニ組のように役を演じていた
夢が妄想以上に経験に食い込んでいることに気付いた
ロッヂにはハンバーガーの名前が付いていて
ラファエルを通して祈っていたので舞台は剥がれた
便所裏の草叢で
最初は家族だったと思い至った
その思い出を体系化しようとしたのだ
韓国朝鮮語特に韓国語手話のメンタリティは半分海峡に埋まっている
感情は役に立たない
感情ではなく行いによってしかそれは示されない
感情は後から付いてくるだけだ
それは終わらせることができない
それは永遠に続く
それは感情ではない
パゾリーニ組の劇団シナプス
それはやさしさからは程遠い
それは感情ではない
感情は遥か下に見える
麻から眺めた辣のように
被抑圧者への同情も抑圧者への感情も支配者の論理に絡め取られる
巧妙な椅子のすり替えによって
わたしからノートを取り上げ替えたばかりのタイヤをパンクさせた
支配するとは支配していないふりをするということなので
偽の為政者を立てることまでして隠れようとしている
憎悪を見える為政者に集中させるためだ
だから感情は役に立たない
感情移入の能力を利用されてはならない
犀を抱いて二人で歩むためには
夢や妄想ではなくストレスの中に棲む戦士でなければならない
その定義ではなく実戦のテクニックを教えなければならない
それは
https://youtu.be/PPkUqvpYPKI