小関千恵
前説
嫌いな人が居ないことを
人に信じてもらえない
それでわたしは不審者だ
◯
諸々のことが
地球のようにまぁるくなっているだけの
真っ白な朝
わたしたちは目覚めるたびに
その闇に驚き 踞って泣いた
偽物と幻想
鏡に映った陽だまりの墓場
まぁるさの中で
まぁるい空は浮かんでいた
だけど空にまで領域が有るだなんて おかしかった
棲み分けられた日々に
支配のナイフのような 誰かの月は
光っていた
エイリアンは濡れていた
生きている摩擦で
運動場の線も見えないままひるがえり
そのナイフを 身体に刺していた
あぁ
強く
絶対的な
わたしたちのそら
一度は背負った羽を降ろす
飛ぶとは 地球上を飛ぶことのようで
眠っているときの居場所は
このまぁるさの外のように思う
心
地球の外で泣いている
空白心
沈黙の宇宙に 鳴り響いているだろうか
意味に降伏しない
音楽のように
いつか
地球へ降り注ぐことがあるならば
凡ゆる
凡ゆる エイリアンの
朝焼けの時刻へ